大型流通企業ホームプラスで3年にわたり非正規職として働いているイ・ヨンヒ(仮名・34)氏が、2011年3月初めて示された勤労契約書には一日の労働時間が4時間でも5時間でもない‘4.5時間’と記されていた。 担当管理職員は 「年齢も若いから熱心に働けば仕事をする時間が増えるだろう」と話した。 月に50万ウォン余りを受け取った。 一日4.5時間分の給与だけが出てきた。
3ヶ月後、レジから顧客センターへ仕事が変わったが、今度は勤務時間が一日6.5時間に増えた。 月給はその時だけ80万ウォン余りに上がった。 今年3月、勤続2年を満たしたイ氏は無期契約職に自動転換され、店舗内の文化センターに移った。 勤務時間は一日7.5時間に増えたが、依然として8時間にはならなかった。
会社がこのような形の勤労契約を結ぶ理由は、全日制労働にともなう人件費上昇を防ぐためだというのが労働界の見解だ。 ウ・ムンスク全国民主労働組合総連盟未組織非正規戦略本部局長は「一日8時間を超えれば全日制労働者になる。 そうなれば会社の立場としては正規職と同じ待遇をしなければならないので各種の費用が上昇する」と指摘した。
雇用の柔軟化は会社が得るおまけだ。 全日制労働者の解雇は勤労基準法などによって制約が厳しいが、短時間労働者は該当事業部門を整理するだけで大量解雇も簡単にできる。 ウ局長は「政府が推進する弾力的勤労時間制のような政策も、結局ホームプラスのような問題を産むだろう」と憂慮した。
会社の必要に応じて勤務時間を分ければ30分単位で勤労契約を結ぶが、実際には顧客センターでも文化センターでも勤務時間の前後に一日30分~1時間ずつ仕事をすることになる。 ホームプラス労組が去る5~7月に調査した結果を見れば、ホームプラス労働者は一日平均1時間9分を追加で仕事していることが明らかになった。 それでも会社は勤労契約書に書かれた時間分の給与しか払わない。
"人がどうして7.5時間合わせて仕事をしますか。 仕事をしてみれば実際の勤務時間は普通一日8時間30分から9時間です。" 事実上、一日8時間以上、正規職と同じように仕事をする無期契約職イ氏の現在の月給は100万ウォン(約9万円)程度だ。 イ氏は延長勤労手当を請求したくとも 「契約解約が恐くて」意欲が出なかった。
労組は4日、記者会見を行って「会社が人件費をピンハネするために非正規職を対象に30分単位、さらには10分単位で勤労契約を締結している。 1万6000人の非正規職労働者が年間約100億ウォン余りの賃金を受け取れずにいる」と主張した。
これに対してホームプラス関係者は「短時間勤労者の場合、一日8時間未満で仕事をすることになっているので法的な問題はない。 延長勤労手当も本人がイントラネットに入力さえすれば全額支給される」と説明した。
一方、会社は先月22日 江陵(カンヌン)地方労働委員会が下したホームプラス江陵支店解雇労働者の不当解雇判定に対して 「中央労働委員会に再審を申し込んだ」とこの日明らかにした。(<ハンギョレ> 10月28日付12面) 労組は「解職者を復職させず労働者を弾圧する会社を糾弾する」と反発した。 イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr