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金大中内乱陰謀事件被害者、全斗煥元大統領から賠償受けられない

登録:2015-03-20 21:24 修正:2015-03-21 07:47
大法院、故イ・テクトン元議員敗訴趣旨で高裁に差し戻し
光州虐殺の国際世論が悪化すると全斗煥は金大中内乱陰謀事件を捏造する。写真は初公判に関する京郷新聞1980年8月14日付1面の関連記事。 資料写真//ハンギョレ新聞社

 大法院(最高裁)が国家暴力の被害者たちが起こした訴訟で、国の責任を軽減する判決を量産したのに続き、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領など、加害者の責任も免ずる判決を出した。

 大法院1部(主審イ・インボク大法官)は20日、「金大中(キム・デジュン)内乱陰謀事件」で投獄されたと故イ・テクトン元議員とイ・シンボム元議員(65)が全元大統領などを相手に起こした損害賠償訴訟で、原告一部勝訴を判決した原審を破棄し、事件をソウル高裁に差し戻した。

 二人の元議員は、1980年に戒厳司令部合同捜査本部に連行され拷問を受けた。イ・テクトン元議員は、戒厳法違反の罪で懲役2年、執行猶予3年、イ・シンボム元議員は懲役12年を宣告された。当時新民党所属だったイ・テクトン元議員は、現行犯でもないのに会期中に令状なしで連行され、捜査官たちの強要で議員辞職を余儀なくされた。大学生だったイ・シンボム元議員は、大学から除名された。

 彼らは1985から1986年にかけて特別赦免され、2007年の再審で無罪を確定された。この再審無罪判決を根拠に、彼らは事件当時合同捜査本部長だった全元大統領と捜査団長だったイ・ハクポン(昨年死亡)元議員、国家を相手に損害賠償訴訟を起こした。2012年に死去したイ・テクトン元議員は家族が訴訟を引き継いだ。

 1審は「大韓民国所属公務員である全斗煥、イ・ハクポンと合同捜査本部の捜査官たちの行為は、故意による不法行為」とし、イ・テクトン元議員に3億ウォン(約3221万円)、イ・シンボム元議員に7億ウォン(約7515万円)の支払いを命じる判決を下した。

 控訴審は、イ・テクトン元議員を不法逮捕・拘束のみにおいて全元大統領とイ・ハクポン元議員の責任を認め、拷問と辞職強要は国の責任だけを認めて賠償額を1億ウォン(約1074万円)に引き下げた。イ・シンボム元議員の場合、当時「国紀を乱す者捜査計画」のリストに名前がなかったとして、国の責任だけ認め賠償額を2億ウォンに引き下げた。

 今回大法院は訴訟時効が過ぎたとして、イ・テクトン元議員が全元大統領とイ・ハクポン元議員を相手に勝訴した部分についても敗訴趣旨の判決を下した。ただ、政府が控訴審の結果に対して上告しなかったため、二人は政府からは賠償金をもらえるようになる。

イ・ギョンミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.20 19:39

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/683264.html  訳H.J

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