「撒布行為は全く同じ」との指摘も
ソウル江南駅にもビラばら撒かれ
「北朝鮮政権と大統領誹謗とは違う」
「対北ビラ擁護」人権委員が釈明
26日昼、ソウル地下鉄2号線江南(カンナム)駅10番出口周辺に「民主主義を念願する市民たち」という団体名で朴槿恵(パク・クネ)政権を批判するビラ約500枚がばら撒かれた。朴大統領の写真が掲載されたビラには「重症疾患100%国の責任」「すべての年配の方に基礎老齢年金2倍引き上げ」など、朴大統領の大統領選挙候補時代の公約が書かれていた。また、朴大統領が以前テレビ芸能番組に出演して言っていた「これまで騙されてばかりですか」というフレーズも一緒に掲載された。
前日にも、大統領府近くの景福宮、ソウル地下鉄2号線新村(シンチョン)駅周辺に同じ団体が作成したビラがばら撒かれた。「国家情報院の大統領選挙介入・不法不正選挙疑惑事実と確認。朴槿恵氏これからどうするつもりですか」などが書かれていた。捜査に着手した警察は、ビラの内容次第で大統領に対する名誉毀損と侮辱罪、建造物侵入の適用などを検討していると述べた。これに先立ち、12日には釜山(プサン)中心部に着物を着た朴大統領の画像が掲載されたビラをばら撒いたユン氏(45)が名誉毀損容疑などで書類送検された。
政治家に対する風刺と批判は「表現の自由」が幅広く認められている領域だ。最近公開されたアメリカ映画『キングスマン』は、バラク・オバマ大統領に酷似した登場人物が市民を殺す謀議に参加して頭が爆発する場面まで入っている。観客は、この場面に大笑いした。
最近、国家人権委員会は、休戦ライン近くの地域住民の安全を脅かす民間団体の対北朝鮮ビラ散布を「表現の自由」だとして制止してはならないと決定した。「国民の基本権である表現の自由を制限するのは明白で現存する危険など、国家安全保障に直接危害を加える場合に制限しなければならない」という理由を挙げたが、北朝鮮軍の銃撃まで引き起こし、国民の不安感を増幅させた対北朝鮮ビラ散布について政府側の味方をしたという批判を受けた。
人権委員会の論理によると、大統領を批判するビラ撒きも表現の自由として認められなければならないが、人権員会は国内で行われる「政治的市民権」の侵害に対しては沈黙を守っている。これに先立ち対北朝鮮ビラ決定に反対意見を出したチャン・ミョンスク、カン・ミョンドゥク人権委員会は、「セウォル号真相究明を促すビラ撒き制裁については意見表明をしなかった人権委員会が対北ビラ撒き制裁については意見表明を決定した。政治的立場を排除したかどうか、疑わしい」と指摘した。
パク・ギョンシン高麗大学法学専門大学院教授は「人権委の論理どおりなら、大統領批判ビラ散布は『明白で現存する危険』ではないので表現の自由を理由に「制裁してはならない」と主張しなければならない」と述べた。
一方、対北朝鮮ビラ散布を制止してはいけないという意見を出したユン・ナムグン人権委員は、「対北ビラ散布によって被害を受けるのは国境地域の住民ではなく、北朝鮮政権だ。一方、ソウルで大統領誹謗ビラをばら撒くのはこれとは違う。被害を受ける人たちが国内にいるだけに、同様に比較してはならない」と述べた。人権委員会は「大統領批判ビラ散布と関連して人権委員会の公式的な立場は現時点ではない」とした。
韓国語原文入力: 2015.02.26 20:0