キム・ムソン、キム・ウルドン議員
国会議員会館で『君よ、その川を渡るなかれ』チャリティー上映会開催
朴大統領、チョン・ホンウォン総理、ムン・ジェイン議員も
『国際市場』観覧後に言及
社会葛藤解決法を映画を通した世代間疎通に求める
政界に“家族映画”の旋風が吹いている。政治家たちが家族のために犠牲になった父親の話を扱った映画『国際市場』に続き、老夫婦の切ない愛と別れを描いた『君よ、その川を渡るなかれ』(以下、『君よ…』)の観賞を続けている。
セヌリ党のキム・ムソン代表とキム・ウルドン最高委員は8日午後4時30分、国会議員会館大会議室で映画『君よ…』のチャリティー上映会を開く。 この日、キム・ムソン代表は上映会に参加し、議員、党役員などと共に映画を観る計画だ。上映会は申請なしに誰でも先着順で無料で観賞が可能だ。 ただし、現場でチャリティー募金活動を行い、収益金全額を老人福祉に使う予定というのがキム代表の説明だ。 野党の党代表選に挑戦するムン・ジェイン新政治民主連合議員も先月24日にこの映画を観賞した。
映画はカン・ケヨルさんとチョ・ビョンマンさん老夫婦の愛と別れを淡々と描いたドキュメンタリーだ。 二人はどこへ行くにもきれいな色の韓服を着て手をぎゅっと握って歩く。 花咲く季節には摘んだ花を互いの髪に挿して目を細め、木の葉の落ちる季節には落葉のなかで戯れる。 二人の日常的な姿から伝わる感動の深さが観客の心を打ってきた。
この映画に先んじて政界で話題になった映画が『国際市場』だ。 朴槿恵(パク・クネ)大統領が先月29日に核心国政課題点検会議を主宰した席で、国際市場の一場面を例にあげて“愛国心”を強調した。 その直後、多くの与野党政治家たちが先を争うように映画を見始め、映画への関心が政界に燃え移った。 キム・ムソン代表とムン・ジェイン議員は、それぞれ先月31日にソウルの劇場を訪ねて映画を観賞し、積極的に映画評を出した。 チョン・ホンウォン国務総理も今年最初の庶民との接触となる3日にソウル鍾路(チョンノ)区の劇場を訪ね『国際市場』を観覧し、市民と共に「世代間疎通と理解」のために語り合う時間を持った。
これら二つの映画の共通点は家族愛だ。『君よ…』が老夫婦の夫婦愛を描いているのに対し、『国際市場』は朝鮮戦争勃発直後に興南(フンナム)から釜山(プサン)に避難して来たある家族の波瀾万丈な生き様を通し、家族のために犠牲になった父親の“父性愛”を描いた。 昨年は壬辰倭乱(文禄の役)当時の李舜臣(イ・スンシン)将軍の活躍を描いた映画『鳴梁(ミョンニャン)』に熱狂して李舜臣将軍のリーダーシップを強調した政界が、今年は家族に対する愛を描いた映画に注目している。
この現象は政界が強調しだしている「統合・疎通」と無関係ではなさそうだ。就職難と雇用不安などによる世代間の対立に加え、理念上の差も広がり社会的な対立構造が深刻化しているとする指摘が最近の政界周辺から多く聞かれる。 こうした理由で政治家たちが社会的対立構造の解決法を映画を通した世代間疎通に求めているのではないかと思われている。 実際、ムン・ジェイン議員は先月31日にSNSを通して「家族どうし、老若が一緒に観れば、家族の価値を確認し親の世代の人生を理解し共感する良い時間になるだろうと(考えて『国際市場』を)推薦する」と伝えた。キム・ムソン代表も同日、国際市場を観覧した後「世代間の疎通のため」と映画を選んだ理由を明かしている。