金大中(キム・デジュン)元大統領夫人の李姫鎬(イ・ヒホ)金大中平和センター理事長の訪朝が来年5~6月に延ばされた。93歳という高齢に加え最近肺炎を患うなど健康問題が理由だと李理事長側は明らかにした。訪朝時期を巡る李理事長側と南北当局三者間の微妙な考えの違いも延期決定の背景に挙げられる。
金大中平和センターは1日、報道資料を通じて「11月21日に北側と(訪北問題で)実務接触をした後、主治医をはじめとする医療スタッフと李姫鎬理事長の訪北時期を検討した」として「医療スタッフは今夏に肺炎で入院するなど二か月あまり闘病した李理事長の健康状態では、寒い季節に北朝鮮を訪問することは控えるよう薦めた」と伝えた。 さらに「李理事長は年内の訪朝を希望したが、医療スタッフの丁重な勧誘を受け入れて、訪朝時期を来年5~6月に延期した」と明らかにした。 金大中平和センターはこの日午前、訪北延期の意志をファックスで北朝鮮朝鮮アジア太平洋平和委員会に伝達した。
健康上の理由を前面に出したが、訪朝時期を巡る政治的事情が主な原因として作用したと評価される。 当初、李理事長側は11月の訪朝を希望したと伝えられた。 李理事長のある側近は「本格的な寒さが始まる前に毛のマフラーなど支援物品を渡そうとした」として「李理事長が金正恩第1書記に会って、抑留中のキム・ジョンウク宣教師を一緒に連れて帰れるならば、南北関係に転機を作ることができると見た」と話した。 最近平壌(ピョンヤン)を訪れ、米国人抑留者を連れ帰ったジェームズ・クラッパー米国家情報局長と同じ一種の特使の役割も期待したということだ。
しかし、北朝鮮は12月の訪朝を希望したと見られる。21日の1次実務接触で北側は「できるだけ早く来て欲しい」と言及したが、李理事長側ではこれを「12月に来るように」という意味に理解したと見られる。 12月には金正日(キム・ジョンイル)前国防委員長の3周忌がある。李理事長側は北側が李理事長の訪問を3周忌弔問ムードの盛り上げに活用し、南側の保守勢力による“韓国内葛藤”の可能性を憂慮した経緯がある。朴槿恵政権もまた、現在のように南北関係が絡まった時期に前任政府を象徴する李理事長が南北関係の前面に浮上する可能性を警戒したものと見られる。
延期時点を来年5~6月にしたのも同様な脈絡という解説が出ている。 酷寒期の1~2月、韓米連合訓練のキーリゾルブ訓練と金日成(キム・イルソン)主席誕生日などがある3~4月を避ける選択だということだ。