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李明博政権がばらまいた約4兆円の資源開発、採算ないまま巨額の追加投資

登録:2014-11-11 22:25 修正:2014-11-12 06:37
野党「5年間 追加投資必要」今まで回収できた資金は5千億円だけ
韓国石油公社が買収したカナダのエネルギー会社ハーベスト。資料写真//ハンギョレ新聞社

 李明博(イ・ミョンバク)政権が5年間に41兆ウォン(1ウォンは約0.1円)を投資した海外資源開発を通じて回収した収益が5兆ウォンにとどまり、今後5年間に追加で31兆ウォン以上の投資が必要だと野党が主張した。

 新政治民主連合の「MB(李明博)政権国富流出資源外交真相調査委員会」(真相調査委)委員であるホン・ヨンピョ議員は11日、韓国石油公社・韓国ガス公社・鉱物資源公社から提出させた資料を基に「MB政権時期に決定された海外資源開発事業に、2018年までに31兆ウォン以上の追加投資が必要なことが分かった」と明らかにした。 真相調査委は2008~2012年に李明博政権で石油公社など3社の公企業と民間企業(政府支援)が388事業に5年間で40兆8000億ウォンを投資し、ここから回収された金額は5兆3900億ウォン(2014年6月基準)水準であると把握した。通常、公企業が海外資源開発を検討する時に内部利益率(IRR)が10%以上になるという展望が出てきてこそ投資を決めるが、種々の変数を考慮しても当初予想に大幅に至らない数値という評価が出ている。

 李明博政権が断行した海外投資の資金は、すでに投入された41兆ウォンに追加投資分31兆ウォンを合わせて72兆ウォンに達するという計算が出ている。 追加投資が必要な事業は、最近不良論議が起こっているカナダの油田開発企業であるハーベスト(2兆8000余億ウォン)やイラクのチュバイル油田開発事業(3兆ウォン)などだ。 企業別に見れば、石油公社が今後5年間に15兆ウォンの追加投資が必要で、ガス公社(14兆ウォン)・鉱物公社(1兆5000億ウォン)も追加投資が必要なことが分かった。 追加投資は開発施設の建設費や運営費、持分保有にともなう義務納付にかかる資金だ。

 野党が李明博政権の海外資源開発事業を問題視するのは、短期的政治功績に汲々として“問答無用の投資”をした疑いがあり、これに伴う莫大な損失が予想されるという判断のためだ。 李明博政権時期に資源に投資された金額は、1977年から韓国が推進した海外資源開発の総投資額(57兆ウォン)の70%を越える。 政府自らの評価でも、李明博政権が自主開発率(海外で直接開発した資源生産量を国内消費量で割った比率。 エネルギー自立度を示す指標)の引き上げだけに集中し、問答無用の投資をしたのではないかとの指摘が出ている。

 監査院は2012年の「海外資源開発および導入実態」監査結果で「国内導入など本来の目的とは異なり、自主開発率目標達成のために海外鉱区の持分を取得して、配当金を受領する方式を中心に事業が進行された」と指摘した。 ノ・ヨンミン議員は10日、国会予算決算特別委員会の会議で「実績を資源安保に合わせた結果、収益性と経済性は後回しにならざるをえなかった。 当時、国際市場に売り物として出てきたものは、すべて経済性が劣っていたり不十分なものだ。 うまく行っている会社がどうして売り物として出てくるか」というカン・ヨンウォン元石油公社社長の証言を公開しもした。 実績達成に汲々とした公企業らが、十分な検討もせずに海外鉱区や資源開発企業を買収したということだ。

 これに対しチェ・ギョンファン経済副総理はこの日、国会予算決算特別委員会で「海外資源開発というものはとてもリスクが大きい事業であり、資本回収期間が50年、30年、20年など長期にまたがるので、もう少し見守った後に評価しなければならない」と主張した。だが、コ・ギヨン韓神大学教授(経済学科)は「資源の埋蔵可能性から確認する探査事業の場合には10~20年見守る必要があるが、MB政権は比較的資源埋蔵量が検証された生産・開発事業に投資を集中したので、現時点で収益率を評価することができる」と指摘した。

 ノ・ヨンミン真相調査委団長は『ハンギョレ』に会い「継続的に疑惑が出てきているので、真相究明のための国政調査が絶対に必要だ」と明らかにした。

イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/664000.html 韓国語原文入力:2014/11/11 22:03
訳J.S(1870字)

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