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笑顔の安倍首相に習主席は冷ややかな視線

登録:2014-11-11 09:18 修正:2014-11-11 10:47
習近平中国国家主席(右側)が10日、北京の人民大会堂で安倍晋三日本首相と握手している。2年6か月ぶりに実現した中日首脳会談が開始される前の習主席の表情は堅く、視線は安倍首相を冷遇するかのように下に向けられた。//ハンギョレ新聞社

カメラ撮影の公開の場で
習主席、硬い表情を崩さず
会談後も温度差
安倍「関係改善の第一歩」
中国「4大合意が出発点」

 世界から集まったマスコミの猛烈なカメラフラッシュの洗礼を浴び、中日首脳が10日午後、北京の人民大会堂会議室に入った。安倍晋三首相は笑顔で簡単な挨拶の言葉をかけたが、習近平(シー・ジンピン)主席はそれに答えず硬い表情も崩さなかった。向かい合って立った両国首脳は握手したままカメラに向かった。少し気まずい表情の安倍首相が微笑を浮かべたのに対し、習主席の表情は緩まず視線は下に向けられた。

 2012年5月以来2年6か月ぶりに実現した首脳会談に姿を現した中日首脳の表情には、関係改善のために初めて足を踏みだした両国関係がそのまま投影されていた。安倍首相は就任直後から習主席との首脳会談を希望してきた。しかし、習主席は「安倍首相の靖国神社参拝中断」「尖閣列島(中国名、釣魚島)の領土紛争認定」などを要求して応じなかった。今月7日にヤン・ジェツ中国外交担当国務委員と谷内正太郎国家安全保障局長が関係改善のための「4大合意事項」を劇的に妥結すると、中国はようやく首脳会談を受け入れる方向に動いた。安倍首相は首脳会談の成功という1次的な外交目標を達成した。習主席は歴史・領土問題などで一部譲歩を勝ち取ったが、国内世論などを考慮して外交的綱引きを行う態勢だ。

 安倍首相はこの日の会談の冒頭発言で「今回の会談を契機に習主席と共に中日関係改善に寄与したい。中国の発展は国際社会と日本に良い機会だ。世界2、3位の経済大国である中国と日本が協力し、この地域と国際社会の平和と繁栄のために責任を全うしたい」と話した。彼は25分かけた首脳会談を終えた後に記者らと会い、「両国が戦略的互恵関係の原点に立ち戻り関係を改善する第一歩になったと考える」と話した。

 さらに彼は「習主席に(両国間軍事ホットラインの)海洋連絡メカニズム施行を要請した」と明らかにした。日本が4大合意事項で両国間の問題の核心である歴史問題と領土問題で中国に多少譲歩する姿を見せたのは、尖閣列島をめぐって東シナ海でいつでも起きかねない偶発的衝突を防ぐための海洋連絡メカニズムの構築にあるという点を強調したのだ。

 習主席は日本が植民支配と侵略の歴史を反省した1995年の村山談話に言及し、「歴史問題は13億中国人民の感情の問題だ。歴史を直視して未来に向かって行くことが重要だ。日本が(7日に)合意した4大合意事項を新しい出発点として、中日間が戦略的相互関係を改善して発展させるのに同意する」という意見を明らかにした。日本が「歴史を直視し尖閣列島では両国に異見がある」ことを認めた4大合意事項を遵守してはじめて両国関係を発展させることができるという認識を強調したものと分析される。また、習主席は海洋連絡メカニズム構築については原則的に同意するという立場を明らかにした。

 両国の微妙な見解の違いは、首脳会談に先んじた8日の王毅(ワン・イー)中国外交部長と岸田文雄外相の会談でも現れた。岸田外相は△中日高位級経済対話△外務次官級戦略対話△中日安保対話など、政府間の対話再開を提案したが、王部長は即答を避けたまま「両国関係が正しい軌道に乗ればすべてのことが回復される」とだけ明らかにした。首脳会談を機に本格的な関係改善に乗り出そうとする日本と、日本の態度を見守ろうとする中国の間の本格的な駆け引きは始まったばかりだ。

東京、北京/キル・ユンヒョン、ソン・ヨンチョル特派員

韓国語原文入力:2014.11.10 21:37

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/663797.html 訳Y.B

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