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[単独] ‘上層部線’ なかったとすれば…検察, なぜハン・サンリュル召還できなかったのか

原文入力:2009-06-03午前10:18:43
ハン・サンリュル前国税庁長 ‘疑問の行跡’
釈然としない税務調査 ‘お兄さん指示説’ 絶えず
お兄さん側近とゴルフなど ‘政権連係’ 忠誠競争
検察もたもたして米国逃避 ‘企画出国’ 陰口も

シン・スングン記者

←ハン・サンリュル国税庁長が13日夕、仁川空港に入国している。永宗島/シン・ソヨン記者viator@hani.co.kr

盧武鉉前大統領を死に追いやった検察捜査の出発点は国税庁のパク・ヨンチャ前テグァン実業会長に対する税務調査であり、その中心にはハン・サンリュル前国税庁長がいる。しかしハン前庁長が果たして誰の指示を受けどういう意図でテグァン実業に対する電撃的な税務調査に出たのかが明らかになっていない。またイ・ミョンバク政権の実力者と絡まり混じった彼の行跡にも疑問点が少なくない。検察はチョン・シニル セジュンナモ会長の税務調査宥和請託の調査のためにハン前庁長に対する召還調査意志を明らかにしたが、米国に逃避したハン前庁長を相手に ‘Eメール’ で調査しているのみだ。

ハン前庁長の行跡の中で最も大きな疑問点は昨年7月30日、テグァン実業に対する税務調査に着手した理由だ。当時ハン庁長が金海の一地方企業に過ぎないテグァン実業をソウル地方国税庁調査4局を動員し隅々まで漁ることを指示した政治的背景が釈然としないためだ。これと関連して、政界ではいわゆる ‘ろうそくデモ資金出処把握のためのお兄さん指示論’ が絶えず提起されている。イ・ミョンバク大統領の実兄であるイ・サンドク ハンナラ党議員が昨年5月のろうそく集会でイ・ミョンバク大統領が国民に頭を下げる恥をかいた後、‘反転カード’ としてハン・サンリュル当時国税庁長を呼びテグァン実業に対する税務調査を指示したというのが疑惑の核心だ。

パク・チウォン民主党議員は去る5月14日、国会法司委で「イ・ミョンバク大統領の実兄であるイ・サンドク議員がハン・サンリュル国税庁長を呼び、ろうそくデモに対する問題、そしてハンナラ党親パク議員らの政治資金関係を把握するためにパク・ヨンチャ会長の関係会社を税務調査しろといった」と主張した。

ハン前庁長が与党核心にコネを作ろうとした痕跡が随所にあらわれている点も標的税務調査疑惑を裏付ける。ハン前庁長は昨年末、慶北 慶州市のあるゴルフ場でイ・サンドク議員の側近であるカン・ソクホ ハンナラ党議員などとゴルフをした事実があらわれ物議をかもしもした。当時カン議員は<ハンギョレ>取材に「ゴルフをしたことはない」としらばくれたが後に事実と確認された。

またノ・ムヒョン前大統領によって国税庁長に任命されたハン前庁長は、イ大統領側核心勢力に粘り強く接近していたという証言が与党内部から出ている。イ大統領の競争者または政敵に対する情報提供などを試みたということだ。イ大統領と近いある核心要人はこれと関連して「ハン前庁長が政権のある実力者に国税庁が保有していたイ・ミョンバク大統領関連BBK資料を渡すと言ったが、大統領の別の核心側近の引き止めにより与えなかったこともある」と付け加えた。このような彼の行跡に照らしてパク前会長に対する税務調査も ‘政治的意図’ でなされたのではないかという疑問が提起されている。

ハン前庁長の国外逃避もやはり疑問が絶えない。彼は前任者のチョン・グンピョ国税庁長に人事の口利きと共に数千万ウォン台の絵画ロビー活動をした事実があらわれ、庁長職から退いた。その後、参加連帯などの捜査要求にも検察はもたもたし、ハン前庁長はパク・ヨンチャ テグァングループ会長に対する検察捜査直前に “勉強をする” という理由で米国に逃避した。このために政界ではいわゆる ‘企画出国説’ を提起している。親イ・ミョンバク系のある首都圏議員は「パク・ヨンチャ税務調査に関連した野党要人はもちろん与党の実力者に対してまでもすべての内容を知っていると話してまわったハン・サンリュル前庁長を政権の核心勢力2人が米国に送りだしたと理解する」と話した。パク・チウォン議員も「ハン・サンリュル前庁長は国税庁調査資料をイ・ミョンバク大統領に直接報告し、イ大統領に報告された‘ハン・サンリュル リスト’にはものすごい人々が入っている」として「死んだ権力に霜を降らせる(非常に厳しいの喩え)ためにハン庁長を米国に送り、生きている権力に春風を呼び起こすためにまだ(ハン庁長を)連れてこない」と主張した。

米国に逃避したハン前庁長は検察の電子メール調査で、イ大統領の最側近であるチョン・シニル セジュンナモ会長が自身を相手にテグァン実業税務調査宥和請託を試みたという事実を明らかにした。しかし、自身の企画出国説など相次ぐ疑問の行動に対しては何の解明もせず現在も米国で事実上の逃避生活を継続している。

シン・スングン記者skshin@hani.co.kr.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/358356.html 訳J.S