原文入力:2009-06-03午前09:12:31
開城工業団地 企業撤収開始
南北 “開城工業団地 維持” 言及は責任押し付け合い次元
開城工業団地 閉鎖時は 南対外信用度下落など波紋大きく
ソン・ウォンジェ記者
←開城工業団地に行った貨物車らが2日午後、京義線道路を通じて京畿,坡州,文山邑の南北出入り事務所(CIQ)に帰ってきて車両審査台を通過している。 坡州/シン・ソヨン記者viator@hani.co.kr
憂慮は現実となった。韓半島情勢が荒波に包まれ開城工業団地事業から手を引く入居企業が現れ始めた。
2004年12月に稼動を始めた開城工業団地は多くの屈曲を経ても強い生命力を維持してきた。2006年10月北韓の1次核実験直後には米国の中断圧力をかろうじて避けた。昨年12月1日北韓の滞留人員制限措置と今年3月の韓-米合同軍事演習‘キーリゾルブ’訓練期間の通行中断措置にも持ちこたえた。去る4月5日北韓の長距離ロケット発射の後にも設備を撤収する企業はなかった。
しかし、先月25日北側の2次核実験と翌日の南側の大量破壊武器拡散防止構想(PSI)全面参加は入居企業に直撃弾を飛ばした格好となった。北側は南側政府がPSIに全面参加すれば ‘宣戦布告’ と見なすと脅し、南側政府がPSIに参加するや先月27日北韓軍板門店代表部名義で米国と韓国が「朝鮮半島情勢を戦争状態に追い詰めた」と主張した。
南北間の緊張が高まる中で開城工業団地入居企業の中で最も弱い輪といえる下請け企業等に最初に被害が及んでき始めた。元請け企業等が下請け業者の開城工業団地入居企業に原副資材を与えなくなり始めたのだ。元請け業者では突発状況が勃発すれば納期遵守が不可能となり在庫や完成品の損失を被りかねない開城工業団地企業等に対する注文を不安に思うのは別の見方をすれば当然のことだ。
特に設備まで南に搬出しベトナムへの工場移転を検討している企業等が現れたことは開城工業団地を巡る環境が入居企業が忍耐できる限界線を越えていることを示す兆候だ。工場の稼動中断は再稼働すればそれまでだが、設備撤収や工場移転は完全に開城工業団地での生産活動をあきらめるという意味であるためだ。
問題は突破口が見えないという点だ。北韓が先月15日開城工業団地既存契約の無効化を宣言した以後、去る4月に一度あった南北当局間開城接触は再開の兆しすらない。北側が賃金,土地賃貸料および使用料,税金などを一方的に通知した場合、南側政府や入居企業が対応できる手段は多くない。
何より北側が南側のPSI参加を口実にして局地的な武力衝突でも起こせば ‘開城工業団地閉鎖’ は避けがたい唯一の道というのが大まかな観測だ。人材と設備がややもすると ‘人質’ にとられかねないという恐怖感が開城工業団地を包み始めれば ‘撤収ドミノ’ 現象も排除できないと入居企業関係者たちは展望した。
もちろん統一部は「開城工業団地事業を安定的に維持発展させる立場は変わりない」という既存方針を繰り返している。北側の立場を非公式的に代弁する在日本朝鮮人総連合会機関紙<朝鮮新報>も開城工業団地事業を円満に推進させようとすることが「北側の一貫した立場」と主張した。しかし匿名を要求した入居企業関係者は2日「事実上両側が閉鎖に備えた責任押し付け合い手順に入っているのではないか」として「表面で憂いの表情はしないが相手方が先に門を閉めると言ってくれることを願っているのだろう」と皮肉った。
専門家たちは開城工業団地が事実上門を閉める状況がくれば、韓国経済に及ぼす否定的影響も少なくないと見通した。すでに公団に造成された実物投資は回収できず企業が期待した未来収益も水泡に帰す。労働者の働き口喪失と南側の対外信任度下落も避けられない。
このためにどうあっても開城工業団地閉鎖だけは防がなければならないという指摘も高まっている。ヤン・ムンス北韓大学院大学校教授は「開城工業団地が今は南北関係に縛られているが、2006年の核実験以後のように北韓-米国の解氷により南北対話が再開される可能性は常にある」として「その時のために今は種だけでも残さなければならない」と話した。
ソン・ウォンジェ記者wonje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/358359.html 訳J.S