誰がアジア大会を“45億アジア人の祝祭”と言ったのか。 2014年仁川(インチョン)アジア大会が無関心の中で幕を下ろす境遇に置かれた。 大会閉幕が三日先に迫ったが、雰囲気が熱くなるどころか国民のなかには閉幕式がいつなのかさえ知らない人も多い。韓国の金メダル競技でさえ中継されないのが常で、一部の種目を除いては放送視聴率は惨めな結果になった。 国民も選手たちの闘魂に以前のように熱狂したりしない。 金メダリストが何人なのかもよくわからない。 専門家らは「経済水準が低かった時期にはハングリー精神にあふれた選手たちの闘魂を見て国民が熱狂したが、今は国民の目が肥えて世界的スターがあまりいないアジア大会には大きな興味を感じられなくなった」と評した。
■平均視聴率 5.6%にとどまる
ホームで開かれる大型国際イベントという点を勘案すれば、視聴率は惨めな水準だ。 ニールセンコリアなど視聴率調査会社の集計によれば、開幕式の視聴率こそ24.8%で前回の広州大会(16.5%)に比べて増えたが、1日までの最高視聴率は中国で開かれた広州大会より大幅に下がった。 今回の大会での最高視聴率は9月23日にパク・テファンが銅メダルを獲得した男子水泳自由型400メートル決勝で26.4%を記録した。 広州大会の時は同じくパク・テファンが出場した1500メートル自由型決勝戦の視聴率が34.8%だった。 この他にもパク・テファンが出場する競技をはじめとして、野球、サッカーなど一部を除いて多くの競技は視聴率が一桁から抜け出せなかった。 全競技の平均視聴率は5.6%にとどまった。 地上波放送会社のあるアジア競技大会担当者は「セウォル号政局と生活苦のために関心外に押し出された面を無視できないが、前回の広州大会時の水泳のチョン・ダレのように大会序盤にパッと飛び出したスターがいれば良かったのだが、そうはならず全体的に関心を盛り上がらなかったようだ」と説明した。
■閉幕式の入場券、半分も売れず
大会の開幕前から“無関心”は予想されていた。 世論調査機関ギャラップが開幕前に実施した仁川アジア大会関心度アンケート調査によれば、回答者の53%が「関心がない」と答えた。一方で「関心がある」という人は45%にとどまった。 2002年釜山大会の時は65%、2012年ロンドンオリンピックは59%が「関心がある」と答えた。 ギャラップ関係者は「オリンピック、ワールドカップ、アジア大会などの大型国際スポーツで関心度が50%未満になったのは異例なこと」と話した。
当然ながら競技場を訪ねる客足もまばらだ。大会の折返し点を遥かに過ぎた30日までに約230億ウォン(約24億円)分の入場券が売れ、当初目標額の65.7%水準に止まっている。閉幕式の入場券は目標額(100億ウォン)の半分も売れなかった。 結局、組織委は最近になって入場券の販売目標金額を当初の350億ウォンから280億ウォンに20%下方修正した。
■スター不在で興行不振
何よりも世界的なスポーツ スターが少なく興行要素が少ないという指摘がある。 チョン・ユンス スポーツ評論家は「86年ソウル大会時のように国民所得が低い時は“ラーメン少女”イム・ツゥネ(陸上)のようにハングリー精神の塊のような選手たちの闘魂に国民が熱狂したが、今は国民の目が肥えて一部の世界的スター選手を除いて特別な興味を感じられなくなった」と話した。 彼は「お茶の間でヨーロッパの先進サッカーリーグとメジャーリーグなどの競技をいつでも観戦できる上に、余暇文化も多様化してアジア大会に対する関心度がますます低くならざるをえない」と説明した。
加えて組織委の粗雑な大会運営も“全国民的無関心”を煽ったという指摘もある。 開幕日の19日から一日も欠かさず大小の事件・事故が起き、外信からは「韓国版全国体育祭典か」という皮肉まで流れた。 チョン・ユンス評論家は「お客さんを呼んで国内ファンの関心を引き出せなかった組織委も責任は免れないだろう」と話した。