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朴大統領の習慣的な“国民冒とく”にはもう耐えられません(上)

登録:2014-09-23 11:00 修正:2014-09-23 11:29
[クァク・ビョンチャン大記者が朴槿恵大統領に送る手紙(75)]
脱北者団体会員らが21日、京畿道の烏頭山統一展望台付近で金日成・金正日・金正恩3父子を非難し、李承晩・朴正煕・朴槿恵大統領を称賛するビラ20万枚や1ドル紙幣1千枚などが入った風船を北に向かって放った。 坡州/イ・ジョンア記者 //ハンギョレ新聞社

何をしていたのか」という問いに「冒とくするな」と怒り
「自分に対する冒とくは国民の侮辱だ」と強弁するあなた
これ以上、国民という理由であなたに侮辱されたくありません

「お父様の偉大な遺産を受け継いだ朴槿恵(パク・クネ)大統領が領導する大韓民国は、世襲による首領独裁の暴政で苦しむ2千万同胞の人間解放、自由統一のために今日も力強く前進している」

 昨日、臨津閣(イムジンガク)で脱北者前衛隊を名乗る人々が北朝鮮側に飛ばしたビラに朴大統領の顔写真と一緒に添えられた文面の一部です。 口調が北朝鮮風で世襲独裁者を称賛する時に使うものと同じです。

 ビラで朴大統領の左側には“救国の一念で軍事革命に成功した朴正煕(パク・チョンヒ)将軍”の写真と称賛文があり、その左側には“建国の大統領”である李承晩(イ・スンマン)が並んで載っています。あなたはすでに李承晩や朴正煕の隊列に上がっていたのです。北朝鮮の金日成首領と同じような永久執権体制と神格を得ようと考えた李承晩と朴正煕、そのため北の体制のように国民主権を否定して民主主義と人権を抹殺した彼ら、その偉大な後継者に位置づけられたのです。

 その事実の報告をあなたはきっと受けたはずです。ビラを散布したら原点を打撃すると北朝鮮が言ったばかりなので、たとえ十中八九見えすいた脅しであっても、もし現実となれば緊急事態に発展することもあるので、時々刻々、報告を受けないわけにはいかなかったでしょう。気になりました。そこまで称賛されることに、あなたの気持ちはどうだったのか。

 おそらく、あなたが民主的な共和国の指導者であるなら、軽蔑すべき北朝鮮体制を追求した彼らと同等の扱いを受けることに侮辱を感じたはずであり、心から李承晩と朴正煕の路線に従う大統領であるなら、実に愉快で爽やかだったでしょう。

朴槿恵大統領が16日午前、大統領府で第40回国務会議を主宰している。大統領府写真記者団

 私の場合を言わせてもらうなら、私とは別に関係ないことだけど、それを見ていて侮辱を感じました。 私のように民主的な共和国市民と考える人なら同じ気持ちになったでしょう。 脱北者前衛隊が表現した通り“選挙を通じて選出された”国の大統領が、いや、私たちが選んだ大統領が、暗殺、ペテン師や政治チンピラ、警察、そして銃や刀で権力を掌握し、維持し、さらには拡大させた者たちと同じだというのだから。私たちが生きてきて、作り上げているこの国が解放空間というより、1960年代と違わない暗黒の混乱期だというのだ。

 あなたへの忠誠心溢れる検察が『産経新聞』ソウル支局長を捜査し、大統領の“失踪した7時間”に関する記事を韓国語に翻訳した『ニュースプロ』の記者まで捕まえるため、記者らの歯を抜きとるように探し回っているといいます。 翻訳者まで処罰しようというのです。せいぜい産経と記事を書いた記者を攻めたてていればいいのに、日本の新聞の記事を翻訳して紹介したことにまでこだわるのはいかにも奇異な話です。 昔のあの偉大な“朴正煕将軍”時代が思い出されるのは、こうした理由からです。

 当時、最高権力者に関連した内容は配布されたもの以外には絶対に報道できませんでした。取るに足らない記事を書いても、そのメディアと記者は“国事犯”と見做され刑を科されました。だから将軍の近況に関連した便りは外信に依存し、耳で知るほかはありませんでした。しかし、外信でもそんな怪談を書いたり知らせることはできなかったのです。当時の日本の『読売新聞』は、取るに足らない記事を掲載したため特派員は追放され、ソウル支局は閉鎖されたました。外信だけでなく外信を引用した一切の表現と伝達行為を封じ込めたのです。

クァク・ビョンチャン大記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/09/22 20:42

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/656240.html
訳Y.B(1480字)