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グレッグ元駐韓米大使「米国の対北外交失敗の原因は金正恩の“悪魔化”」

登録:2014-09-22 10:49 修正:2014-09-22 22:00
ドナルド・グレッグ元駐韓米国大使

元駐韓米大使が回顧録で明らかに
「北朝鮮をあまりに知らず
米情報当局のもっとも長引く失敗に」

 ドナルド・グレッグ元駐韓米国大使(87・写真)が最近出した回顧録で、外国の指導者を“悪魔化”することが米国の外交政策を失敗させた主な理由でだるとし、その代表的事例として金正恩(キム・ジョウン)北朝鮮労働党第1書記を挙げた。

 グレッグ元大使は『陶磁器の破片(Pot Shards):中央情報局(CIA)、ホワイトハウス、そして二つのコリアで生きた人生の破片』で、CIA韓国支部長を含むCIA生活31年と、ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領安保補佐官、駐韓米国大使などを務めてきた人生を回顧した。

 彼は「私が観察した米外交政策の多様なパターンを振り返ってみる時、私たちを常に困難な状況に処するようにしたのは、米国が好きでなかったり理解できない外国指導者または外国の団体を、悪魔化する傾向だった」と指摘した。そして、「こうした場合に米国は無知の空白を偏見で満たし、その結果は悪宣伝で煽った敵対感であり、すべての当事国に被害をもたらした」と記した。代表的な事例として、過去のソ連情報当局、ホーチミン元ベトナム主席、サダム・フセイン元イラク大統領、そして金正恩第1書記を挙げた。

 グレッグ元大使は米国が北朝鮮に対して知っていることはほとんどないとしたうえで、「米情報当局の歴史上最も長い失敗」と明かした。彼はキム第1秘書が「権力によく適応しているようだ」としながら、「しかし、2010年3月に天安(チョナン)艦の沈没を命令したといった偏見に基づいたあらゆる種類の傷に苦しめられた」と主張した。彼は「キム第1書記が外部世界とより多く接触しながら、北朝鮮を新しい方向に引っ張っていくのを願っているという明らかなシグナルを見せていると考える」と付け加えた。

 彼は「過去の中国とロシアの事例を見れば、独裁者も変化が自分たちに利益になると悟れば、遅くて不完全だが平和的に変化しだす」として、北朝鮮との対話を通じて変化を誘導しなければならないと話した。

 彼は自身がCIA韓国支部長だった1973年に発生した「金大中拉致事件」に関連して、「金大中元大統領が逝去する1年ほど前に彼を訪問した時、『朴正煕が私を拉致して殺害しろと中央情報部に直接命令したという証拠を持っている』と語った」と回顧した。

 彼は駐韓米国大使時代の1992年に韓米チームスピリット訓練の取り消しで韓国と北朝鮮の和解雰囲気が醸成されたが、当時のディック・チェイニー国防長官が彼と相談もなしで1年ぶりにこれを復活させたと指摘した。彼は「これは後に副大統領になったチェイニーが韓国と北朝鮮の和解を阻害した様々な事件の最初のものとなった」と明らかにした。

ワシントン/パク・ヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/656121.html 韓国語原文入力:2014/09/21 22:15
訳Y.B(1341字)

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