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‘富者政権’ 反感が ‘庶民ノ・ムヒョン’ 共感へ

原文入力:2009-06-01午後08:32:57
社会的弱者保護など 政治的要求 盧前大統領に投影
正統進歩とは違う流れ 存在確認…進歩陣営 宿題に

チョン・ユギョン記者

←ノ・ムヒョン前大統領を追慕する市民たちが1日昼ソウル徳寿宮大漢門前の市民焼香所で盧前大統領の遺影に礼をしている。焼香所横には去る30日未明に警察が強制撤去した以前の焼香所の残骸が乱れたまま置かれている。 イ・ジョンア記者leej@han.co.kr

「隣の家のおじさんのように身近な庶民的な大統領でした。二度とそのような大統領が出てこないと思います。」(キム・ソンス・42)ノ・ムヒョン前大統領の国民葬期間に500万人余りが焼香所を訪れろという熱い追慕熱気の‘正体’を巡って市民社会と学者らが ‘庶民性’ に注目している。選挙になればよく登場するスローガン程度に認識されていたが、盧前大統領逝去を通じて大きな政治・社会的含意を内包していることが新たに確認されたということだ。

焼香所に残した ‘身分も名もない平凡な人々’ の追悼辞からは ‘貧しい人々の大統領’ ‘庶民大統領’ 等の表現が最も多く登場した。インターネット空間では盧前大統領の ‘庶民的風貌’ を入れた写真と動画が相変らず流行している。追慕客たちは焼香所で自らを ‘庶民’ と新たに強調したし,‘庶民大統領’ と分かち合った情緒的同質感を表わした。

こういう同質感が形成されたのは一次的にはイ・ミョンバク政府に対する反感が作用しているものと見られる。‘強富者政権’として庶民と対称点に立っていると考えると、盧前大統領の庶民的風貌がさらに目立ってくるということだ。チョン・サンホ漢陽大第3セクター研究所研究教授は「大統領ノ・ムヒョンの政策ではなく、真正性のような価値に対する追慕熱気という点で、キム・スファン枢機卿善終の時に通じる面がある」として「イ・ミョンバク政府の貴族性と対比される点が目立つ」と話した。

顧みれば私たちの社会で ‘庶民性’ は大統領選挙などで大きい威力を発揮した。2002年大統領選挙当時、イ・フェチャン ハンナラ党候補の子息の兵役不正に対する ‘怒り’ の根元には庶民性が位置している。はなはだしきはイ・ミョンバク大統領さえも2007年大統領選挙当時、平凡な会社員が成功する ‘サラリーマン神話’ で国民的期待を受けた。ハン・ホング聖公会大教授(歴史学)は「盧前大統領は良いお父さんに恵まれなくとも大学を卒業しなくても弁護士になることができ大統領になることができるという希望の証拠であった」として「自身の子供たちがそうなるように願った大衆の夢が共に墜落したわけ」と話した。

庶民は ‘何の位や身分的特権を持つことも出来ない一般の人’ あるいは ‘経済的に中流以下のゆとりがない生活をしている人’ を称する言葉だが、盧前大統領と会って政治的象徴性を帯びることになったという指摘も出てきた。キム・ホギ延世大教授(社会学)は「盧前大統領逝去の中で国民は彼が実践しようとした人権と民主主義,社会的弱者保護など三種類の価値に注目している」として「経済危機にも金持ちたちのための政策で一貫する現政権を見て、庶民たちは自身の政治的要求を盧前大統領に投影している」と話した。

庶民性は進歩陣営にも宿題を投げかけている。女性,非正規職,労働者,障害者など社会的弱者のための政治,言い換えれば‘庶民のための政治’を標ぼうしているけれど、実際は盧前大統領ほどに国民的信頼を得られずにいるためだ。キム・ジョンヨプ韓神大教授(社会学)は「進歩陣営が抽象的な言語だけ使って庶民に近付く力が弱いと見るとエリート集団内部の抵抗集団と見られている」と指摘した。チョン・サンホ研究教授は「民主労総や全教組に象徴される韓国の‘正統進歩’とは違った流れが存在するということを今回の機会に確認した」と話した。

キム・ミニョン参加連帯事務局長は「格式を問い詰めずに誰でも簡単に会って話しかけて疎通する姿に国民が感動を受けるようだ」として「市民運動でも進歩政治でも自分の枠組みに閉じ込められ一方的な態度に固執し国民との疎通に失敗していないか省察する必要がある」と指摘した。

チョン・ユギョン記者edge@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/358080.html 訳J.S