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韓国の保健所の9割に医療担当者がいない

登録:2014-09-15 19:47 修正:2014-09-16 07:37
韓国の保健所の10か所中9か所は医師や看護師など保健医療専門担当者がいないことが分かった。 写真はソウル松坡区庁大講堂で市民がインフルエンザの予防注射を受けている様子。 キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

規定どおりに医療専門担当者を確保していた保健所は9.5%のみ
ソウルを除く全国すべての保健所が専門担当者をそろえられていない

 仁川(インチョン)広域市甕津(オンジン)郡に属する大青島(テチョンド)保健支所には、今年初めにそれなりの物理療法室ができた。きつい仕事の漁業で生計を立てている住民が多く、甕津郡保健所が無理をして用意したこの物理治療室は、まだ本来の役割を果たせずにいる。 ここで仕事をする物理療法師がいないためだ。

「大青島保健支所など甕津郡保健所に属する支所が8か所あります。 その8か所の保健支所の中で、看護師や物理療法師など保健医療専門担当者をまともに備えているところはただの1か所もありません。 少なくても1か所に保健専門担当者4人が必要だが、事情が最も良い延坪島(ヨンピョンド)保健支所でも3人です。 残りの7か所では1、2人が仕事をしていて、病気になっても育児休職でも席を外すことは容易じゃありません」

 15日、キム・ピルナム甕津郡保健所保健行政チーム長は「一般医師や漢方医師は公衆保険医師制度のおかげである程度までは確保が可能だが、看護師や物理療法師は方法がない」と話した。 キム チーム長は「看護師や物理療法師などの供給が絶対的に不足しているのに、大都市から遠く人里離れた島で仕事をしてもよいという看護師を探すことはより一層困難だ」と付け加えた。 公衆保険医は兵役義務の代わりに3年間病院・医院が不足した農漁村など、保健医療脆弱地区の保健所など公共医療機関で仕事をする医師だ。

 全国の保健所10か所中9か所は医師や看護師など保健医療専門担当者をまともにいないことが分かった。 地域保健法には、各地域保健所の規模に合わせて一定数以上の医師・看護師・薬剤師などを配置するよう定めているが、そうはいかない所が大多数という意味だ。 代表的な公共医療機関である保健所が、本来の機能を果たせるよう政府と地方自治体の支援が緊急に必要だという指摘が出ている。

 国会保健福祉委員会所属キム・ジェシク議員(セヌリ党)が保健福祉部から受け取った「全国保健所(保健医療院を含む)の保健医療専門担当者配置現況」という資料を見ると、規定どおりに保健医療専門担当者を確保している保健所は全国253か所中で24か所(9.5%)に過ぎなかった。 残りの229か所の保健所は医師・薬剤師・看護師などが不足して困難をきたしているわけだ。 特に配置基準を充足した24か所の保健所のうち、20か所はソウル地域の保健所であることが明らかになり、ソウルを除く全国ほとんどすべての保健所が保健医療人員の不足により困難に陥っていることが明らかになった。

 各地域の保健所が、地域保健法に定められている最小配置基準も満たせなかった保健医療人材を職種別に見れば、薬剤師不足が210か所で最も多く、次いで看護師(142か所)と臨床病理士(110か所)が不足またはいない所が多かった。 歯医者(72か所)と医師(66か所),放射線技師(65か所)をそろえられないところも多かった。

チェ・ソンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/655235.html 韓国語原文入力:2014/09/15 17:31
訳J.S(1551字)

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