アメリカとカナダの州政府が、巨大タバコ会社を相手に訴訟を進める過程でタバコ会社の非倫理的販売戦略が明らかになった。 タバコ会社が‘ニコチン中毒’を意図的に起こし、消費を中断できなくさせているという事実が代表的だ。 中毒に脆弱な青少年・女性を集中攻略してきた事実も明らかになった。
アメリカ カリフォルニア州立大大学病院のニール・ ベノウィッツ教授は5月に『ハンギョレ』と会って「非喫煙者はよく喫煙者を非難するが、喫煙者も被害者だ。喫煙が有害だという事実を知っても喫煙をやめられない中毒はタバコ会社が作ったもの」と指摘した。 ベノウィッツ教授は薬理学および心臓血管内科の教授で、ニコチン中毒および中毒が身体に及ぼす影響などを研究してきた世界的な専門家だ。 彼はニコチン中毒になればタバコをやめられなくなるのは喫煙で吸収された物質が脳組織を変化させるためだと説明した。 特に幼時に喫煙を始めれば脳に伝えられる神経回路まで変化させ、中毒が一層激しくなり、タバコをやめようとしてもこの回路が作動して禁煙を困難にさせると警告した。 ベノウィッツ教授は「ニコチン中毒をはじめ喫煙の弊害を十分に判断できない青少年にまでタバコを吸わせたタバコ会社らの営業戦略は非常に非倫理的」と批判した。
タバコ会社は男性に比べて相対的に喫煙率が低い女性をターゲットにした商法もひそかに駆使してきた。 カナダ サイモンフレーザー大学保健科学大のケリー・リー教授は「タバコの名前に‘マイルド’や‘まろやかな味’などを付けて、あたかもタバコが有害ではないように広告をしているが、これは女性や青少年をターゲットにした販売戦略」だと指摘した。 リー教授は1990年代後半から喫煙被害訴訟などに関連した国際的な研究組織で仕事をしている。 彼の研究対象には、韓国をはじめアジア各国に進出しているタバコ会社の営業戦略と、各国政府の禁煙政策なども含まれている。 喫煙による弊害およびタバコ会社の戦略に関連した世界的権威であるリチャード・ポリー ブリティッシュコロンビア大教授は「タバコ会社がニコチン中毒を誘発して、タバコに脆弱な青少年と女性に接近した事実などは全て喫煙被害訴訟の過程で明らかになった」として「訴訟が一般人はもちろん喫煙者にもタバコ会社の非道徳性を知らせる契機になり、何より喫煙者たちがタバコをやめる上で非常に大きな役割を果たした」と話した。
サンフランシスコ・バンクーバー/キム・ヤンジュン医療専門記者