セヌリ党指導部を中心に南北交流と協力を遮断している5・24対北朝鮮制裁措置を先制的に解除すべきだという声が広がっている。政府は現在まで北朝鮮の責任ある措置がなければ「5・24措置」の解除は難しいという立場だが、与党内部からこうした要求が集中的に出てきている点を挙げ、対北朝鮮政策に変化が起こりうるという展望もささやかれている。
セヌリ党のキム・ムソン代表は4日、国会で記者たちと会い、「5・24措置は朴槿恵(パク・クネ)大統領も前向きな立場を取った」として「仁川(インチョン)アジア競技大会に北朝鮮応援団が参加しないことにしたのもそうだし、(対北朝鮮政策で)政府当局は本当に無能だ。大きな視野で考えてもらいたい」と政府の根本的な対北朝鮮政策変化を促した。
5・24措置に対する先制的解除論を主張するセヌリ党最高委員の発言も相次いだ。 キム・テホ最高委員はこの日の党最高委員会議で南北関係を兄弟関係に喩えて、「兄弟が争ったが兄が弟に“謝らない限りは絶対に容赦しない”と言ったら、家庭に平和は訪れないが、兄が先に許せば平和がくる」として「梗塞した南北関係を解くためには、5・24措置に対する前向きな認識の変化が必要だ」と主張した。
キム最高委員に続きマイクを取ったイ・インジェ最高委員も、「5・24措置は有効期間が過ぎた政策」とし「(2010年の)天安(チョナン)艦爆沈、(2009年の)金剛山(クムガンサン)観光客殺害事件など、当時の北朝鮮の挑発に対する報復次元で下された強力な制裁政策を今に至るまで固執しているということは本当に理解しかねる」と話した。
セヌリ党所属のユ・ギジュン国会外交統一委員長はこの日『KBS(韓国放送)』ラジオに出演して「5・24措置は効力を喪失した」として「この措置を解除して対話が出来る雰囲気を北朝鮮に伝達したら統一のための良い機会になるだろう」と5・24措置の廃棄を主張した。 ユ委員長はまた「多くの与野党外交通商委員が5・24措置に対して解除が必要だという考えを持っている」と付け加えた。
しかし5・24措置に対する政府の公式立場は「韓国国民が納得するに足る北朝鮮の責任ある措置が取られるまでは維持しなければならない」ということで、制裁解除とは相容れない。与党指導部が5・24措置に対する先制的解除論を主張して、南北対話の雰囲気を作ることを促したことにより、政界内外では今年下半期に政府が前向きな措置に乗り出すのではないかという観測も出ている。だが、5・24措置解除の実質的な鍵を握っている朴槿恵大統領が原則を守るスタイルだという点を挙げて、否定的に展望する人も少なくない。