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国家情報院が“ユミンの父さん”に続き主治医まで「査察」か

登録:2014-08-27 00:03 修正:2014-08-27 08:12
断食座り込み中のセウォル号犠牲者キム・ユミンさんの父親キム・ヨンオ氏の主治医イ・ボラ(右側)ソウル市東部病院内科長が勤める病院を国家情報院職員が訪ね、病院長に「面談」していた事実が確認され、査察論議が起きている。今月18日、ソウル光化門広場でキム・ヨンオ氏が「大統領は教皇のメッセージを聞いてください」というタイトルの記者会見文を読み上げた後、36日に及ぶ断食で緩くなったズボンを見せている。キム・ソングァン記者 flysg2@hani.co.kr

市立東部病院長、本紙と電話通話
「入院前日、国家情報院職員に会い
主治医の先生に関連して話し合い」
遺族ら「キム氏の故郷でも裏調査」

 断食座り込み中のセウォル号遺族、キム・ヨンオ氏(47)の主治医が働く病院を国家情報院職員が訪ね、病院長に「面談」していた事実が確認され、査察論議が起きている。セウォル号家族対策委員会はこれに先立ち、国家情報院側がキム氏の故郷である全羅北道井邑で彼の過去の経歴を調査していると主張したことがある。

 ソウル市立東部病のキム・ギョンイル院長は25日、『ハンギョレ』との電話通話で「キム・ヨンオ氏が私たちの病院に入院する前日(21日)かその前日(20日)の午後3時頃、国家情報院職員が訪れ、1時間ほど会話を交わした。そのなかで『イ・ボラ先生は医師としてなかなかできないことをしている。立派な医師だ』という話をした」と語った。イ・ボラ ソウル市立東部病院内科長は、先月19日からキム氏の健康状態をチェックするなど、主治医として活動してきた。キム・ヨンオ氏は22日朝、市立東部病院に移送された。

 キム院長は「(対話を交わした相手は) 地域機関長会議で何度か会った国家情報院職員だが、病院を訪ねてきて個別に会ったのは今回が初めてだ。セウォル号関連の話、政府の対応、ユ・ビョンオン氏の話など別の話をしていた。その中で私が先にイ・ボラ先生の話を切り出した」と述べた。あらゆる対話を交わした中で、キム氏の主治医が偶然に話題になったという説明だ。

 しかし、国家情報院職員の面談は日常的な出会いというよりは「何らかの意図がある訪問」ではないかという疑問が提起されている。訪問の時点では、与野党が再合意した特別法案に遺族たちが反対(19日)したのに続き、世論の関心が集中しているキム氏の大統領面談要請を大統領府が再び拒否(21日)し、朴槿恵(パク・クネ)大統領の「約束履行」を促す声が沸騰した時に当たる。これに先立ちイ・ビョンギ国家情報院長が先月就任して「必ず政治中立誓約を守る」と明らかにした経緯がある。しかし、わずか1か月ほどで敏感な政治事案を国家情報院職員が「裏調査」したと疑われる状況が露見したわけだ。

 キム院長の釈明を聞く前に開かれた記者会見で、セウォル号家族対策委員会のユ・ギョングン スポークスマンは「キム氏が病院に搬送された22日、国家情報院職員が自分の所属を明らかにして病院長を訪ねて来て、'ユミンの父さん'の主治医であるイ・ボラ医師に対して尋ねた」と査察疑惑を提起した。これに対して国家情報院は「そうした事実はないが、万一に備えてそのような職員がいなかったか調査中」と明らかにした。

 セウォル号家族対策委員会は前日に引き続き、キム氏の故郷で査察が行われたと重ねて主張した。ユ・ギョングン スポークスマンは「キム氏の母親が知らせて来たが、キム氏の故郷である井邑の面(町)役場と里長にキム氏の身上を問い合わせる電話があったという」と主張した。国家情報院はこれに対しても否認した。

イ・ジェウク記者 uk@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/652743.html 韓国語原文入力:2014/08/26 18:42
訳M.S(1623字)

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