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公然わいせつ容疑で逮捕した男は済州地方検察長だった

登録:2014-08-17 20:45 修正:2014-08-18 07:41
「提出された下着から証拠出て来ず」
辞職の意志まで明らかにして強力に否認
警察「目撃者陳述・服装類似
CCTV分析など追加捜査を計画」
キム・スチャン済州地検長

 キム・スチャン(52・司法研修院19期・写真)済州(チェジュ)地検長の公然わいせつの疑いに関連して、本人が強力に否認する一方、警察は証拠の確保に拍車を加えており攻防が激化している。 現職の検事長が路上でわいせつ行為の疑いで逮捕された前例のない事件であり、捜査の結果によりキム地検長と警察のどちらか一方は大きな汚点を抱え込まざるをえず、成り行きが注目される。

 キム地検長は17日、ソウル高等検察庁の記者室に立ち寄り「とんでもない疑いで一人の公職者の人格が抹殺されようとしている。 (済州警察の捜査を指揮する立場にある)自分の身分が徹底した調査の障害になるならば検事長席から退く」として、憤懣を吐露した。 キム地検長は警察が犯人を勘違いしたと主張した。 彼は『ハンギョレ』との通話で「(私が椅子に座る直前に)中年男性がパラソルのある椅子に座って携帯電話を見ていたが、まもなくいなくなった」と語り、わいせつ行為をした男性が座っていた場所の近くで携帯電話を見ていた自分が濡れ衣を着せられたと強調した。また、「私がわいせつ行為をしていたなら証拠が残っているはずだから、検査してみろと警察に下着を提出したが証拠は出てこなかった」と話した。

 13日未明、キム地検長を逮捕して解放した警察は、目撃者の陳述と情況などを総合すれば、このような弁明が事実ではない可能性が強いと主張している。 前日午後11時55分頃、済州市 中央路(チュンアンノ)のあるうどん店前の歩道で、性器を露出しわいせつ行為をしている中年男性を目撃し申告した女子高生(17)が、逮捕されたキム地検長を見て「身なりが合ってそうだ」と話したというのだ。 また、警察は暗色の上着と明るい色のズボンを履いていたという犯人の服装と当時のキム地検長の身なりが似ていると説明した。

 警察は周辺の防犯テレビ(CCTV)と車両のブラックボックス映像を確保し分析している。 この映像にはわいせつ行為をしていると見られる男性の姿と移動経路が捉えられているが、顔は識別が難しいという。 だが、キム地検長は近所の食堂で一人で夕食を食べ、映像に出てくる男性とは異なる経路で散歩をしたと明らかにしたという。

 警察が出動した時にキム地検長が逃げようとしたことについても、調査の過程で弟の名前を語った点についても両者の主張が異なっている。 警察はうどん店前のテーブルに座っていたキム地検長が10メートルほど移動して逃走したものと判断し、13日午前0時35分頃に警察地区隊に連行したと明らかにした。 だが、キム地検長は「(逃げようとしたとは)とんでもない」と反論した。 警察はキム地検長が身分を明らかにしなかった上に弟の名前を語ったことも怪しいと見ている。 後になってキム地検長の運転手が陳述書を持ってきて、言い争う過程でインターネット検索をして被疑者が済州地検長であるという事実を知ることになったという。

 キム地検長は身分を明らかにしなかったことに対して「そのようにした方が自分と検察組織に傷がつかないと考え、一日か二日で(誤解が)解消されて静かに終わるだろうと判断した。 身分を明らかにして威勢を誇示するよりは、一般市民として説明して納得させることが正しいと考えた」と話した。

 検察は今回の事件の展開により組織のイメージに大きな打撃を受けかねないとみて戦々恐々としている。 イ・ジュノ最高検察庁監察本部長が事件が知られた15日に済州島に行き調査を始めたが、この日は「警察の捜査結果を見守る」という立場を明らかにした。

キム・ソンシク、済州/ホ・ホジュン記者 kss@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/651522.html 韓国語原文入力:2014/08/17 19:57
訳J.S(1666字)