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「ヤスクニ反対キャンドル行動」に参加した釜山の歴史教師たち

登録:2014-08-11 21:42 修正:2014-08-12 07:32
「韓日は互いに客観化できる‘境界の視角’が必要」
靖国神社に反対する韓国・日本市民のキャンドル行動「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」に参加したキム・ミンス(42・釜山周礼女子高 中央)、チョン・キオク(42・釜慶高・左)教師

 「15日には神社参拝を現場で見守る」

「自分たちだけが正しいという‘民族主義的な視角’ではなく、お互いを客観的に見て判断できる‘境界の視角’が重要だと考えます」

韓国の歴史教師たちは、かつてなく冷えきっている韓日関係をどう思っているのか。9日夜、東京で開かれた靖国神社に反対する韓国・日本市民のキャンドル行動「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」に参加したキム・ミンス(42・釜山周礼女子高・中央)、チョン・キオク(42・釜慶高・左)教師に意見を訊くと、すぐ帰ってきた答は意外にも‘境界の視角’だった。 民族主義に基づいた国家の視角は「人の考えを偏狭にし」結果的に韓日関係を正しく見られなくして、ひいては自分たちに多くの害を及ぼすことになるというのだ。

 民族主義にしばられず、東アジアの視角で客観的に日本を眺めようという歴史教師たちの小さな実験が始まったのは2007年に遡る。 釜山大学歴史教育科のヤン・ジョンヒョン教授(53)は「その翌年から日本の古代史を中心に初めての踏査を行った」と話した。2008年から釜山と梁山(ヤンサン)の歴史教師たちは、古くから韓半島と深い縁を結んできた九州の様々な地域と日本の古代国家が花開いた奈良と京都を見て回った。 チョン教師は「学期には熱心に勉強して、休みにはその成果を実際の踏査を通じて確認する作業を行った」と話した。 このように進められた教師たちの実験は、2012年に『日本古代史旅行』(ノモブックス刊)という本で最初の実を結んだ。

 昨年から始まった彼らの2番目の挑戦は、1868年の明治維新から2011年に起きた3・11大地震と福島原子力発電所事故まで、日本の近代化と近現代史に焦点が合わされた。

 2013年の踏査では、明治維新の主役が誕生した山口県(長州藩)と鹿児島県(薩摩藩)を主に調べた。 山口県では伊藤博文から岸信介、安倍晋三につながる日本右翼の流れを読むことができる。 今年は天皇制に焦点を合わせて、靖国神社、明治神宮などを見て回る予定だ。 キム教師は「20日まで続く今回の踏査では、8月15日に政治家たちの靖国神社参拝の現場なども見守る」と話した。

 ヤン教授は「2番目の作業の目標は、アジアで唯一成功的な近代国家を作った日本が、どのように戦争を起こして敗戦し、再び復活した日本がなぜ3・11という惨事を再び起こしたのかを客観的に調べること」と話した。 これを通じて彼らが究極的に向き合おうとするのは日本ではなく‘私たち’の醜い素顔だ。

 キム教師は「韓国社会が福島事故を目撃しても、すでに老朽化した古里(コリ)原子力発電所の閉鎖には知らぬフリで一貫している」として「徹底したマニュアルに沿って動く日本社会でもあれほど大きな事故を防げなかったのに、セウォル号事故に見るように韓国で同じ事故が起きたとすれば私たちはどうなっただろうか」と問い直した。

東京/文・写真 キル・ユンヒョン特派員 charisma@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/650708.html 韓国語原文入力:2014/08/11 19:24
訳J.S(1495字)

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