今春生産される農産物であるジャガイモ、ニンニク、白菜、タマネギなどが皆価格が暴落して農民たちが大騒ぎだ。 私もジャガイモと白菜、タマネギを植えた。 せいぜい300坪程度ずつ、農薬も施肥もせず小規模で栽培した。 ジャガイモは毎年してきたが、春白菜とタマネギは今年初めて試みた。 これまでしなかった私までが立ち向かったので、価格が良いはずもないという自己恥辱感も持っている。
ジャガイモはこれまでどおり畝にマルチをかけずに植えたが、生育期に雨がまともに降らなかった上に、茎が早く枯れて収穫期にはジャガイモ畑が草むらになってしまった。 収穫を手伝いに来た人々が、そこがジャガイモ畑だとは分からないほどであった。 生い茂った雑草を取りながらジャガイモを掘ってみると、やはりイモが太っていない。 ところが他の農家から出てきたジャガイモは目を丸くするほどに太っている。
親環境で栽培したジャガイモは、地域農協で買い取るが、食品関連大企業と学校給食用に供給するようだ。 ところで、この買い取りではジャガイモ一個160グラム以上のものだけがまともな値段で引き取られる。 育ちゆく子供たちの拳の大きさ以上だ。 おやつ用に茹でるのにぴったりで味も良いこぢんまりしたものは、普通に栽培したものと同じ値段だ。 この値段だと、選別費と紙箱に2500ウォンがかかり、そこに高値で購入した種芋代を加えれば殆ど何も残らない。
どうしてそんなに大きなジャガイモだけを好むのか。 ジャガイモは、ほとんどが皮をむいて使うが、大きなジャガイモは皮むきにあまり時間がかからず、商品の形も良く見えるためだろう。 このように大きなジャガイモを作るには、化学肥料を思い切り多く使わなければならず、畝をマルチで覆わなければならない。適正量を越える化学肥料は人体に有害で、マルチは工場での生産段階と廃棄物処理過程で有害物質を産む。 ‘親環境’で栽培された大きなジャガイモに対するこのような選好は、逆に反環境的な栽培を誘導することになる。
タマネギは昨秋に苗を50万ウォン余りを払って買ってきて植えた。畝にマルチをかけたが春に一ヶ月間ほど妻と一緒に穴を開けて上がってくる草を抜かなければならなかった。 タマネギと相性の良い鶏糞を元肥として使った上に、昨冬は暖かかったおかげで初めて試みたタマネギは大豊作だった。 大人の拳よりはるかに大きなタマネギを全て掘り上げて、広げて置いて見ると畑の全面がぎっしりとタマネギで満たされたが、販売することを考えればクラッとした。
タマネギを網袋に詰めていると、里から市内に出て行って商売をしている方が近づいてきて、一袋に5000ウォンでどうだと言う。 タマネギの値段が二束三文だとは十分に聞いていたので、残念な思いで20袋を渡した。 懇意にしている方々にも配ったが、どこにでもありふれている物なので大してありがたがられもしないようだ。
親環境農産物の直取引団体価格を参照して、それより少し安く価格を設定し、自分の直取引会員たちに広報したが、殆ど反応がなく、あわてて価格を半分に下げた。 その価格でも市場価格に較べればかなり高い方だ。 初めてタマネギとタマネギ汁の注文が入ってきて、生産量の半分程度を消化した。
あるお宅が注文したタマネギを持って行くと、私たちが初めに提示した価格で代金を払おうとした。 その方は価額を下げたことを知らずにいた。 事情を説明しても、その方は私たちが最初に提示した価格を見て注文したのだから、受け取ってくれと言う。 それでは申し訳ないと言っても、聞いてもらえない状態なので、そのまま戴いて出てきた。 満足することは彼の持分で、申し訳ない思いは私の持分だ。 しかし私にしても、ただ申し訳ないとだけ思ったわけでもない。 配達をする間中、ずっと気分が良かった。 後日、ジャガイモを配達しに行く時、いくらか余分に差し上げなければならない。
キム・ケス農夫・<順天(スンチョン)広場新聞>発行人