一人前 7万3000ウォン(約7400円)。 S氏は京畿道(キョンギド)高陽市(コヤンシ)白石洞(ペクソクトン)にある韓牛食堂に行き、メニューを見て唖然としたという。 韓牛セウ肉(ロースの一部) 150gの価格はこのように天井知らずだった。 最上級セウ肉ではなくとも、等級により韓牛は一人前4万3000ウォンから4万8000ウォン、5万5000ウォンになっていた。 噛めば口の中で静かに溶けて、肉汁がじゃぶじゃぶと流れる韓牛の味に一度はまれば、他の牛肉は顧みなくなるという。 問題はその途方もなく高い値段だ。
雉の代わりに鶏とばかり、そのために肉牛食堂を訪れる人も少なくない。 しかし肉牛に対してはまだ「乳を搾れるだけ搾って残った老いた牛」という認識が強く残っている。 去る3月にスタートした肉牛自助金管理委員会によれば、肉牛とは‘肉の生産を目的に飼育する国内産斑点雄牛’を言う。 雌牛は乳を搾るのに使われて、雄牛はひたすら肉の生産のために飼育されるということだ。 種類はほとんどがホルスタイン(オランダ産)だ。 肉牛業界が輸入牛肉と区別するために‘国内で育った私たちの牛、私たちの肉牛’と強調するのも、まさにそのためだ。
20ヶ月余り育てた種牛
マーブリング(脂肪交雑)は少ないが肉は柔らかい
韓国では通常、牛を屠殺すれば丸い‘印鑑’を捺す。 韓牛は赤、乳牛は青、肉牛は緑で表示され、これを通じて識別できる。 消費者は原産地表示ステッカーを通じて確認が可能だ。 肉牛は国内農家が韓牛同様に専門的な飼育方式で育てる。 飼育期間は20ヶ月余で韓牛より短いが、肉質が柔らかで脂肪が少なく淡泊な味わいという。 肉牛業界は‘低脂肪ウェルビーイング牛肉’という点を特に強調する。 普通マーブリング(marbling・肉を淡くし肉汁を多くする脂肪の分布)を多くするため30か月以上育てなければならない韓牛とは対照的だ。 また、冷蔵肉として流通するので、屠殺された後に冷凍を経て長時間経過後に消費者の食卓に上る米国産輸入牛肉より新鮮だという。
国内産牛肉の等級はまずマーブリングがどの程度か(肉質)により1++、1+、1、2、3等級に分かれる。 また食べられる比率(肉量)によりA~D等級に分類する。 肉牛と乳牛、韓牛の等級判定は同一に行われる。 酪農肉牛協会のイ・サンチョル次長は「同じ等級の肉牛と韓牛で‘ブラインド テスト’(目隠しした状態で行う試験)をしてみたが、専門家でも両者を区分できないほどだった」として「肉牛は韓牛に較べてマーブリングが少ないが、肉の味は大差ない」と話した。
日本では肉牛が価格が安くて安全なので、キムチとともに常に食卓に上ることができるという意味で‘食卓の定番’または、国産若牛(国内産の幼い牛)等と呼ばれ愛されているという。 畜産物品質評価院によれば、昨年屠殺された肉牛は6万4123頭であった反面、韓牛は95万9751頭であった。 韓牛が90%、肉牛と乳牛はそれぞれ6%と4%であった。
キム・ギョンム先任記者 kkm100@hani.co.kr