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[ニュースpickup] 名前も知らない90人 ‘副市長は孤独’

原文入力:2009-05-22午後03:35:41
好奇心プラス ドラマ ‘シティーホール’に見る彼らだけの世界

←この頃人の気高いドラマ<シティーホール>で俳優チャ・スンウォン氏は三十九才の若くて野心満満な地方都市副市長で出ている。果たして現実の副市長たちはどうだろうか? 政治的役割を受け持つ政務副市長の場合、40代初めも少なくなく、39才の副市長がいないという法はない。 写真SBS提供

すべての功績は市長にまわし悪役は引き受ける
年齢層は多様だが現在女性は0人

こういう副市長もいる。ハンサムな顔に‘意志の強さ’も魅力的な性格、行政職高等試験と司法試験とを同時に‘パス’する勉強の達人、目標を一度決めればどんな外圧にもびくともしない馬鹿力まで。‘インジュ市’ の副市長だ。地図を探しても無駄だ。この頃人気の高いSBS ドラマ<シティーホール>に出てくる仮想都市インジュ市の副市長,俳優チャ・スンウォン氏が演技する劇中のチョ・グク(祖国)副市長の話だ。

公職社会の内面をユーモアと風刺で描き人気が高いドラマ<シティーホール>は ‘副市長’ を素材とした初めてのドラマだ。劇中の副市長の年齢はわずか39才、それで果たしてチョ・グク副市長のように若い副市長は実際にも存在しうるだろうか?

■副市長、どうやって選び、どんな仕事をするのだろうか?
実際に市民は副市長という存在をマスコミの報道でも会うのは容易でない。ドラマの真実性を高めるために、実際の副市長を研究するべきだったチャ・スンウォン氏もあるインタビューで身なりを尋ねる質問に「副市長様がどんなふうに着ているのかよく分からない。洋服を着ていそうな気はするのだけど…」といったほどだ。

しかし実際の副市長は現れないだけだ。現在、我が国には合計90人の副市長がいる。市長は7ヶの特別・広域市と75ヶの一般市を合わせて計82人だが、副市長はそれより若干多い。一般市は副市長と市長の数が各1人で同じだが、特別・広域市はそうではない。ソウルは3人,釜山・大邱・仁川など6広域市は副市長が2人ずついる。地方自治法により特別市は3人を越えない範囲で副市長を置け、広域市は2人、一般時は1人を置くことができる。副市長は市長の推薦で行政安全部長官を経て大統領が任命する。

地方自治法は副市長の職務を「該当地方自治体の長を補佐し、事務を総括し所属職員を指揮・監督する」と規定している。また市長が△空席(職位や官職が空席)になった場合△公訴が提起され拘禁状態にある場合△禁固以上の刑を宣告されその刑が確定されない場合△病院に60日以上入院した場合にはその権限を代行することとなる。市長が地方自治団体長選挙に立候補したり、出張・休暇で出かける場合にも副市長が市長の権限と職務を代理する。

副市長が2人以上の特別・広域市の場合、副市長は ‘行政府市長’ と ‘政務副市長’ に分かれる。行政副市長は人事・企画・会計・監査・教育など市政行政全般にわたる業務を担当し、政務副市長は国会・議会・政党活動などの政治行為と関連した職務を遂行する。副市長が3人のソウルには行政副市長2人に政務副市長1人がいる。行政1副市長は人事,環境,福祉,文化など一般行政分野を担当し、行政2副市長は交通,都市計画,住宅など技術行政分野を担当する。簡単に言えば ‘文科’ と ‘理科’ に業務が分かれるということだ。

一般的に行政副市長や一般市の副市長たちは中央部署や道庁で20余年以上の公職生活をした人々の中から抜擢される。政治家出身市長の場合はより一層、公職者出身副市長を起用する傾向が強い。不足した行政経験を補完するためだ。市長が行政通ならばその反対の場合も成立する。正統官僚出身のコ・ゴン前ソウル市長は三星物産副会長と三星中国本社会長を務めたイ・ピルゴン氏とカン・ホンビン市立大教授(都市工学)を行政1副市長に座らせることもした。

■チャ・スンウォンのように若い副市長、本当にいるだろうか?
我が国の副市長たちはほとんど50代以上だ。だが若い副市長としては40代初めの副市長もいる。チョン・グチャン前泗川市副市長は2007年43才で副市長に任命されたし、チョン前副市長に続き今年のはじめ就任したチュェ・マルリム現泗川市副市長も43才だ。政治的目的で起用される政務副市長はより一層若い場合もあった。2005年イ・ミョンバク前ソウル市長と1997年のチョ・スン前市長時期41才で政務副市長に任命されたチョン・テクン,キム・ヒワン前副市長がその例だ。ドラマ<シティーホール>の39才チョ・グク副市長と比較して2才の差しかない。30代副市長も不可能な話というわけではない。

現90人の副市長たちは40代から60代まで年齢層が多様だが、唯一女性の副市長はただの1人もいない。全体公務員の中で女性の比率が40%を越えたが、副市長だけは男性の専有物である。パク・ソンヒョ大田市長は女性副市長制を導入すると公約を掲げたが、市長当選3年が過ぎたが未だ女性副市長制を施行せずにいる。

政務職高位公務員の市長と特別職公務員の政務副市長とは違い、行政副市長や一般市の副市長は定年が保障される職業公務員だ。地方公務員の中で最高位職業公務員であるわけだ。ところがこの ‘一人之下,万人之上’ の席は非常に重労働の難しい席に挙げられる。徹底的にNO.2の姿勢を維持しなければならないためだ。跳んでもならず、とは言え隠れてもならない。名前を明らかにすることを憚ったある前職広域市副市長は「すべての球が市長に戻るように努力しなければならず、構造調整や嫌味など市長がするには向かないこともある業務では悪役を引き受けなければならない」として「ドラマで主人公を光らせる助演やエキストラのような存在がまさに副市長」と話した。

キム・ギョンウク記者dash@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/newspickup_section/356260.html 訳J.S