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‘集団抗議’ 判事-大法院 対立構図 表面化

原文入力:2009-05-20午前09:07:05
頂点に駆け上がったシン最高裁判事事態
“不適切”→“犠牲になりなさい”→“信頼できない” 水位高まる
‘司法官僚化 背後’ で法院行政処も俎上に

ソン・ギョンファ記者

←イ・ヨンフン大法院長が19日午前ソウル,瑞草洞の大法院に出勤している。 イ・ジョンア記者leej@hani.co.kr

‘シン・ヨンチョル最高裁判事事態’が最高潮に達した。18日判事会議を開いた全国10ヶ裁判所判事たちが一様に「シン最高裁判事の行為が裁判権を侵害した」ということに同意したのに続き、19日光州地方裁判所でも事実上、シン最高裁判事の辞退を要求する決議が出てきた。

各裁判所により表現の程度は少しずつ異なるが、大部分シン最高裁判事が席を守るのは不適切だという立場を明らかにし、彼の決断を待っている。 ‘職務遂行不適切’(光州高裁・ソウル中央地裁など8ヶ裁判所),‘シン最高裁判事の犠牲が必要’(議政府地方裁判所)に続き19日未明に会議結果を出した仁川地方裁判所単独判事たちは多数意見として「シン最高裁判事の責任を負う姿勢が必要だ」と決議した。議論内容が一日遅れて公開された大田高裁陪席判事会議でも多数意見は「職務遂行不適切」とまとめられた。

光州地方裁判所単独判事たちが「裁判の公正性を侵害したシン最高裁判事の職務遂行を信頼しにくい」としたことは、‘不適切’ ‘犠牲’ ‘責任’より深い不信と排撃の意味が含まれた言葉と理解される。公正性と信頼を生命とする司法府で最高の法院裁判官が下級審判事から不信を受けるということは想像しにくいことだ。

この日までに判事会議を開催した裁判所は高等法院級6ヶ所中3ヶ所を含め地方法院級以上裁判所26ヶ所中15ヶ所(58%)に達する。判事たちの立場は説明が必要ない程明らかに表現された。ソウル高裁でも判事会議が開かれれば事態は少壮判事たちの問題提起水準を越え全国判事たちの集団的抗議という性格をさらに明らかに帯びることになる。

←19日午後、シン・ヨンチョル最高裁判事 '裁判介入' 波紋と関連した緊急判事会議が開かれた光州地方裁判所6階大会議室で単独判事たちが次から次へ入場している。 ニューシス

イ大法院長や法院行政処も本格的に俎上に上がる雰囲気だ。判事たちはシン最高裁判事の行為が ‘裁判に介入したと見る素地がある’ としたイ大法院長などの見解にも反論に立った。決議文等に含まれた ‘明白な裁判権侵害’ という表現がそうである。一部裁判所判事たちは18日の会議で事態の根本原因として ‘司法官僚化’ を名指しして法院行政処をその ‘背後’ に挙げた。一線判事たちと大法院の対立構図も表面化するわけだ。

序列が最も高い最高裁判事であり ‘司法府NO.2’ であるキム・ヨンダム法院行政処長が「ムードに巻きこまれるな」として一線判事たちを圧迫したことも逆効果になっているという観測が多い。

ソウル中央地裁のある単独判事は「連判状という過去の形式を借りなかっただけで、できることは全てつくした」と話した。地域のある単独判事は「ひとまず状況を見守った後、今後の動きをどのようにするか決めるだろう」と話した。

大法院は法院長の事件担当配分裁量権を大きく縮小する内容の ‘配当例規’ 改正案を出し、裁判権侵害問題の解決策を模索するタスクフォースチームを構成するなど事態宥和に努めている。だがソウル地域のある単独判事は「制度改善の動きは以前から着実にあったのではないか」として「すでに起きた事態に対して責任を負うべき人が責任を負わない状況で大きく変わったことはない」と話した。

制度は制度どおり直し、責任は責任どおり取らなければならないという一線判事たちの立場をよくあらわす発言だ。

ソン・ギョンファ記者freehwa@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/355822.html 訳J.S