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　北韓と中国が国境画定交渉をした1950年代末～1960年代初、中国の最高指導者である毛沢東 共産党主席と周恩来 総理が‘遼東地方は本来朝鮮の領土だったが、古代王朝が朝鮮民族を鴨緑江(アムノッカン)周辺まで追い出した’という趣旨の発言をしていた事実が中国側の１次史料で27日確認された。 これは‘高句麗は中国の少数民族が建てた地方政権’と主張してきた中国の国家次元研究プロジェクトである‘東北工程’の根本を揺るがす発言だ。

　統一部長官を務めたイ・ジョンソク世宗(セジョン)研究所首席研究委員は最近出した研究書<北韓-中国国境画定に関する研究>(世宗研究所編集)で、毛主席と周総理が金日成首相など北韓代表団と会い、このような発言を何度もしたと明らかにした。

　毛主席は北韓-中国国境条約の締結直後である1964年10月、北京を訪れたチェ・ヨンゴン最高人民会議常任委員長など北韓代表団に会って「あなた方の境界は遼河東側(遼東)であるが、封建主義が朝鮮人を鴨緑江周辺まで追い出したのだ」と話した。 毛主席のこのような発言は、1964年10月に中国外交部が出した<毛沢東面会外賓談話記録彙編>第11巻に載っている。

　毛主席はこれに先立ち1958年11月に北京を訪問した金日成首相など北韓代表団と会った席でも 「あなた方の先祖はあなた方の領土が遼河を境界にすると言ったし、あなた方は現在、あなた方の鴨緑江周辺まで押されて追い出されたと考えている。 あなた方が歴史を記述する時にはそれを書かなければならない」と話した。 この発言は1958年11月に中国外交部が出した<毛沢東面会外賓談話記録彙編>第4巻に載っている。

　周恩来総理の発言はもう少し直接的だ。周総理は1963年6月28日に北京を訪れた北韓の朝鮮科学院代表団に会い 「歴史は歪曲できない。 豆満江(トゥマンガン)、鴨緑江(アムノッカン)の西側は有史以来中国の領土であり さらに昔から朝鮮は中国の属国だったとすることはとんでもない話だ」と明らかにした。 周総理のこの発言は、1963年6月28日に中国外交部が出した<外事工作通報>に載っている。

　毛主席が、遼東地方は当初高句麗・渤海など朝鮮先祖の領土だったが、唐など中国封建王朝の侵略により奪われたものだと話していた事実が中国側の１次史料で確認されたのは今回が初めてだ。

　イ・ジョンソク研究委員は研究書および<ハンギョレ>との通話で「毛と周は中華人民共和国の建国者であり、1976年まで統治した最高指導者」とし「彼らが高句麗と渤海を朝鮮民族が建てた古代国家として認識し、その歴史を朝鮮の歴史と規定した」と指摘した。 続けて 「両(最高)指導者が同一の主題に言及して、ほとんど同じ用語と文面を駆使していることから見て、これが当時の中国政府の整理された公式方針であったと推定される」として「両中国指導者の発言は中国の東北工程に反論する重要な歴史的史料になるだろう」と話した。

　中国は2000年代に入り‘東北工程’を国家次元の研究プロジェクトに格上げさせ‘高句麗は我が国(中国)古代に一つの地方政権であったし、その国民は漢族移住民を主とした’とか‘高句麗は我が国(中国)東北地域の古くからの少数民族中の一つに起源を置いている’と主張して、高句麗・渤海を中国古代史の一部に編入させようと努めてきた。 2000年に胡錦濤 当時中国国家副主席が中国社会科学院の‘東北工程’研究計画を批准・承認し、2002年2月には中国社会科学院と遼寧・吉林・黒龍江省など三省が共同で1500万中国元(22億5000万ウォン)の予算を投じて‘東北辺境の歴史と現状研究工程’(東北工程)をスタートさせた。

　一方、1964年10月毛主席に会った北韓のパク・クムチョル当時労働党中央委副委員長は、毛主席の遼東領土関連発言については "両国間の国境は1962年にすでに解決されました。 周恩来総理が極めて明確に白頭山(ペクトゥサン)と天池問題を全て合理的に解決しました" として "現在の国境線に我々は満足しています" という反応を見せた。 これは高句麗の過去の領土を巡って、北韓の優先権を主張しないという意味だ。 北韓-中国は1962年10月12日、鴨緑江・豆満江を共同利用し、白頭山天池領有権を分割(北54.5%中45.5%)するなど以前より北側に有利に整理された北韓-中国国境条約を締結し、その年の12月11日この条約の批准書を交換した。

イ・ジェフン記者 nomad＠hani.co.kr