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数十年経った韓国式家屋 壊して新しい韓屋作るとは…

原文入力:2009-05-14午前12:10:36
再開発反対の戦い 3年目
城北区,東小門洞の住民たち
近隣の村 新築発表に鬱憤

←1974年ここに定着した米国人ピーターパドロミュ(左端)が2007年東小門洞の自宅韓屋で再開発に反対する住民たちと話を交わしている。再開発で消滅の危機に処したソウル,城北区,東小門洞6街の韓国式家屋の様子.(下)イ・ジョングン記者root2@hani.co.kr,ソウル市政開発研究院提供

ユン・ヨンヒ(63)氏はソウル,城北区,東小門洞6街の韓屋で去る38年間暮らしてきた。38年前、この一帯の家屋は大部分が韓国式だった。鍾路区,北村のように1920~1930年代に建てられた家々だった。この町内で夫にも巡り会った。27才で結婚してからもこの村を離れなかった。彼女は「低層の韓屋が仲むつまじく集まっている私たちの町内は本当に美しかった」と話した。今は200軒近くあった韓屋が大部分消えて40余軒だけ残った。

昔は晴れた日には家族と土をいじって花を育て、雨の降る日には軒から落ちる雨音に耳を傾けた。彼女は「韓屋は私のからだにぴったりな服のように安らかだ」と話した。

だが2005年に危機が迫った。この一帯が東仙3再開発区域に指定されたためだ。それでも残っていた40余軒の韓屋が消える境遇に置かれた。開発業者と一部住民たちは「再開発すれば金が儲かる。大金を握ろうとするなら韓国式家屋を壊してアパートを建てなければならない」と話して通った。ユン氏は「多くの住民たちが韓屋を渡しさえすれば無条件に金を儲けられるものと思った」と話した。しかし現実は違った。再開発の後、アパートに入るためには何千万ウォンから何億ウォンもの金を出さなければならなかった。土地補償費は鑑定価なので市価に達し得なかった。

区庁で調査したこの一帯の建物老朽度は60.73%と出てきた。再開発整備区域と指定されるためには老朽度が60%以上でなければならないが、これをきわどく越えたということだった。ユン氏をはじめとして開発に反対する住民たちはソウル市に安全診断内訳を公開してくれと要請したが、市では公開できないと踏みとどまった。結局行政訴訟の末に関連書類を見ることができた。1974年ここに定着した米国人ピーターパドロミュ(61)は「そこには2006年に新築された4階建てマンションが2階洋館に化け、老朽・不良建築物になっていたり実際の老朽度とは関係なく作って20年過ぎた建物全てが老朽・不良建築物として記録されていた」と話した。もちろん韓屋たちは全て老朽・不良建物に分類されていた。住民20人余りは2007年12月ソウル行政法院にソウル市を相手どり再開発区域指定取消訴訟を起こした。裁判は今でも続いている。

城北区は去る12日、城北洞226一帯,城北第2住宅再開発区域に韓国式家屋50軒を新しく建てると発表した。こちらは東小門洞6街から2kmも離れていないところだ。一方では数十年経つ韓屋を撤去し、また他方にはお金をかけて新しく韓屋を作るということだ。韓屋と共に齢を重ねてきた住民たちは絶えられないほど悩みが多い。ユン氏は「韓屋を新しく建てることには肯定的だが、その韓屋も20年が過ぎればなくすのか」として「開発ほど恐ろしいものはない」と話した。住民 クク・ネファン(59)氏も「韓屋が良くて韓屋で暮らすという人々は追い出さないでくれたらうれしい」と話した。

キム・ギョンウク記者dash@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/354853.html 訳J.S