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スパイ立証書類と言って裁判所に提出…誰が偽造したのか?

登録:2014-02-14 21:22 修正:2014-02-15 11:05
中国側文書には再入国記録が無いのに
検察側文書には‘入・出・入・出’記録
状況説明書・発行確認書も出したが
提出文書 3ヶ 全て "偽造" 判明
検察が裁判所に証拠として提出したが、中国政府によって偽造公文書であることが確認された‘出入境記録照会結果’(左)と弁護人が提出した本物の‘出入境記録照会結果’(右)。 印鑑と文書様式などがすべて異なる。

 スパイ容疑で裁判を受けている脱北華僑出身のユ・ウソン(34)氏が、北韓に入国した事実を立証するため検察が裁判所に提出した中国公文書が全て偽造されたものであると中国政府が明らかにし、誰が書類を偽造したのかが糾明されなければならないと見られる。 外交的に問題になる事案であることに加え、中国法と国内法に違反した犯罪行為になるためだ。

 中国にいたユ氏は、母親の葬儀を行うために2006年5月23日午後2時54分に北韓に入り、27日午前10時24分に中国に出てきた。これは検察もユ氏も認める事実だ。ユ氏は以後、北韓に入った事実はないと主張している。

 だが、検察は和龍市(ファリョンシ)公安局が発行したというユ氏の出入境記録を控訴審裁判所に提出した。 これを見れば、ユ氏が27日午前10時24分に中国に出て、11時16分に再び北韓に入りmその年の6月10日に中国に出て来たことになっている。 この記録だけを見れば、ユ氏が母親の葬儀を行って中国に出てきた後、再び北韓へ入国し27日から14日間にわたり北韓に留まったように見える。 これが事実ならば葬式以後に北韓に行ったことがないというユ氏の主張は嘘になる。

 ユ氏は検察の主張に反論するため、中国延辺朝鮮族自治区公安局から出入境記録の発給を受けた。 これを見れば、ユ氏は27日午前10時24分に北韓から中国に出てきた後、11時16分に再び北韓から中国に出てきた記録がなされている。 また、6月10日に北韓から中国に出てきたことになっている。 出入境記録は‘入-出-入-出’が自然であり、ユ氏の記録は‘入-出-出-入’と記録されている。 これはエラーだ。 ユ氏は中国三合辺境検査敞(税関)から "ユ氏の出入国記録が事実で、後の二回の入国(北→中)記録はシステム アップグレード コンピュータ プログラムによる誤った記録" という情況説明書を追加で裁判所に提出した。

 これに対し検察は、裁判所に追加書類を出した。 検察も三合辺境検査敞から発給を受けたという情況説明書を提示した。 これを見れば "‘出’と‘入’の記録が入れ変わった可能性が高い" という内容だった。 検察が出した‘入-出-入-出’記録が正しいということだ。

 弁護人がこれに対する反論意見を出すと検察は3回目として文書を再び提出した。 和龍市(ファリョンシ)公安局が瀋陽にある韓国領事館に‘和龍市公安局はユ・ウソンの出入国記録照会結果をまちがいなく発行したことを確認申し上げるものです’という内容だ。 ユ氏と弁護人はこれも信じられなかった。 そこで検察が出した3種類の書類が本当に中国当局が発行したのが事実かを中国に確認してみようと言った。 裁判所はこれを受け入れ、中国に事実照会申請を行い、13日に中国が "検察側の出した記録は全て偽造であり、ユ・ウソン氏が提出した2つの書類は合法書類" という返事を返してきた。 ユ氏の弁護人は「検察が書類の発給を受けたという中国和龍市公安局は公式発行処ではないという事実も確認した」と話した。

 民主社会のための弁護士会はこの日報道資料を出して "これでユ氏事件の真相を隠蔽するために国家情報院、検察、外交部まで利用して中国公文書偽造犯罪を犯したという衝撃的で厚顔無恥な事実が国内はもちろん国際的にも知らされることになった" として "捜査機関はこの事件のでっち上げおよび証拠ねつ造に加担した関連者に対して迅速に捜査し厳しく処罰せよ" と要求した。

 ユ氏は昨年1月、スパイ容疑で拘束起訴され8月に無罪判決を受けて解放された。 検察は1審でもユ氏が北韓で撮ったという写真を証拠として出したが、検証の結果 全て中国で撮ったものであることが明らかになった経緯がある。 イ・ギョンミ記者 kmlee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/624233.html 韓国語原文入力:2014/02/14 19:56
訳J.S(1888字)

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