
収益型不動産投資が進化している。 人気が下がったオフィステル、都市型生活住宅が分譲型ホテル、知識産業センター、サービスドレジデンスなどに素早く変わっている。 消費者の心理に食い込む建設会社のマーケティングも、一層絢爛になっている。 約束する投資収益率はますます高まり、‘確定収益率保障制’のような恩恵も掲げている。 収益型不動産が引退した老人には強固な年金となり、所得の少ない会社員には第2の月給になるという甘い話は本当だろうか。 <ハンギョレ21>が直接投資相談を受け、その真相を確かめてみた。
米軍防衛費分担金が私の通帳に?
‘収益率 年18%’。最近分譲中の収益型不動産広告の中で最も高い収益率を提示する‘外国人専用オフィステル’のモデルハウスを去る1月15日に訪ねた。 このオフィステルは来年10月、京畿道(キョンギド)平沢(ピョンテク)の駐韓米軍基地近隣に建つ予定だが、モデルハウスはソウル瑞草区(ソチョグ)の真ん中にあった。
相談席に座るやいなや、分譲代理店所属と思われる一人の職員が‘駐韓米軍防衛費分担金’の話から切り出した。 「数日前、今年の防衛費分担金が9200億ウォンと決定されたという記事ご覧になったでしょう? (このオフィステルに投資すれば)それが(防衛費分担金が)お客様の通帳にすぐに入金されますよ。"
投資家が抱え込まなければならない5億ウォン余りの借金には一切触れなかった。 賃貸収益で貸出利子は賄えても、いつかは元金も返さなければならない借金なのだ。 必要な時に売れなかったり、価値が下がる場合を想像するとゾッとした。
オフィステル投資にどうして防衛費分担金が? どぎまぎしている私の表情を読んだ職員は、ようやく落ち着いて説明を続けた。「2016年までに駐韓米軍と家族など8万人が平沢に移転しますね。部隊近隣の賃貸住宅需要が急増するでしょう。私たちの税金(で造成された防衛費分担金)でこういう(米軍賃貸料)費用を支払うために(賃貸料を踏み倒される)懸念が全くないのです。」
韓国政府が保証する防衛費分担金が賃貸収益源だとは、耳寄りな話だ。 その上、職員が言った賃貸料はとても高かった。 専用面積59.71㎡(約18坪)、2ルームのオフィステルの月賃貸料は175万ウォンに策定される予定と言った。 それなりの根拠はあった。 彼はモデルハウスの壁に大見出しで掲げられた‘2013年度米軍階級別住宅手当明細表’を示した。 「昨年(2013年)我が国で言えば二等兵の米軍レント費(住宅賃貸手当)は一人当り141万3千ウォンでした。 管理費と公課金70万ウォンは別ですよ。今までこの手当ては年平均11%ずつ上がったので、私たちが賃貸を始める来年には米軍一人当りの住宅手当ては少なくとも175万ウォンになりますね。 だから私たちが月に175万ウォンを受け取っても全く無理はありません。」 彼の説明どおりならば‘足を付いて泳ぐ’より容易な投資だった。 しかし国防部に確認した結果、‘嘘’だった。国防部関係者の説明だ。 「防衛費分担金は三種類の用途にのみ使われる。駐韓米軍に勤務する韓国人の人件費、軍事施設建設費、軍需支援費だ。 駐韓米軍人の住宅賃貸手当ては米軍が負担する項目なので、我が国が出す防衛費分担金とは全く関係ない。 もちろんわが国政府は米軍の住宅賃貸手当てがいくらで、今後いくら上がるかも全く分からない。」百歩譲歩して、高収益の約束さえ守るなら、収益構造をわざとわざ間違えて説明したとしても、そっと目をつぶるかもしれない。 広報パンフレットで‘大韓民国1等収益率’と自信を謳ったではないか。 職員が説明した年18%収益率の計算法はこうだ。 オフィステル一戸の分譲価格は2億3800万ウォンだ。しかし、施行社の斡旋により70%(1億6660万ウォン)までの融資を受ければ、実際の投資金は7140万ウォンになる。この資金を投資すれば年間2098万8千ウォン(2015年推定住宅賃貸手当て174万9千ウォン×12ヶ月)の賃貸収益が発生する。ここから借入金利子(年4.5%)749万7千ウォンを控除すれば投資家は年1349万1千ウォンを手にできる。 実投資金(7140万ウォン)対比収益率を求めれば何と年率18.89%だ。
借金を背負い、税金を納めなければ初めて可能な数値
しかし半分だけ正しい計算だ。もし融資を受けずにひたすら投資家の余裕資金で投資をするなら実投資金が大幅に増え、収益率は年8.81%に半減する。 不動産取得・登録税や総合所得税のような税金を考慮すれば収益率はさらに低くなる。 しかし‘年18%収益率’が融資は最大限に受け、税金は全く納めない極端な状況で初めて達成されうるという事実は、新聞広告や職員の相談の中でもほとんど明らかにされなかった。
‘危険な投資’だと頭の中に警告ランプが点った。 「投資は初めてなので安定性が優先だ」と何度も強調した。 それでも職員は私の投資指向を無視して、無理な投資に誘導した。 私の投資収益率を引き上げるという名目を前面に出したが、自分たちの分譲成功率を高めるためということが明らかに見えた。 「中途金無利子なので契約金の10%(2380万ウォン)さえあれば一戸を譲り受けることができるでしょう。3戸にしても実投資金は7500万ウォンですね。そして年に4千万ウォンを越える収益が出るでしょう。融資を受けて行えば、収益率が一層高くなりますよ。」 3戸を譲り受ける場合、投資家が抱え込まなければならない5億ウォン余りの借金については知ったことではなかった。 賃貸収益で借入金利子は賄えたにしても、いつかは投資家が元金まで返さなければならない借金なのだ。 後日、適時にオフィステルが売れなかったり、価値が下落する時を想像するとゾッとした。
疑いはますます膨らんでいった。‘空室’になる可能性を問い詰めてみた。 職員は予想していましたとばかりに、余裕をもって一枚の書類を差し出した。 竣工後の2年間は、施工会社が毎月の賃貸収益に釣り合う170万ウォン程度を保障するという内容が記されていた。万一、施工会社が不渡りを出せば紙くずになる‘収益証書’であった。 「2年後にはどうなるか」という心配に対しては「更に上がった家賃で持続的な契約がなされるでしょう」という大言壮語を繰り返すだけだった。
歪曲された情報と膨らませた収益率は、このオフィステルだけの話ではないだろうか。 同日、ソウル江南区(カンナムグ)のある‘分譲型ホテル’モデルハウスを訪問した。 2015年10月、済州道(チェジュド)朝天邑(チョチョンウプ)咸徳里(ハムトクリ)の海岸に建設予定の観光ホテルだった。 分譲型ホテル投資は施工会社が一般投資家から投資金を集めホテルを作った後に客室を分譲すれば、投資家は月々運営収益を手にする方式を意味する。
今回も分譲代理店所属と推定されるある職員は、分譲型ホテル投資が私に与えられる特別な恩恵だという点を説明することに精魂を込めた。 「ホテルは本来個人ではなかなか投資できません。 ところが、済州道は観光客が(年間)1100万人まで増えるので特別法を作って一時的に個人でもホテル分譲を受けられるようにしたのです。 そこに私たちが一早く足並みをそろえたのです。」 言いながら彼はホテルが建つ立地に対する自慢がゴマ粒のように書かれた広報パンフレットをすっと差し出した。‘済州市で最高に美しい咸徳海岸に至近距離、済州空港 15分!’ ‘1日5万人余 需要 豊富な観光客確保!’済州が故郷なもので首をかしげざるをえなかった。 後で確認した結果、やはり不正確な情報だった。 「咸徳(ハムトク)の最大観光地は咸徳海水浴場だ。 夏のシーズンの週末でも、一日の観光客が2万人を越える日は数えるほどだ。 (一日5万人の観光客を)どんな基準で捉えたかは分からないが誇張されたもののようだ。 済州空港から咸徳海岸までは車で40分はかかる。」 朝天邑事務所関係者の説明だ。
現地出身の私に向かって敢えてもっともらしく言う?
広告に書かれた‘年11% 収益率’も‘彼らだけの計算’だった。 45.77㎡(約14坪)のホテル客室を1億8313万ウォンで譲り受ける。 代わりに融資を60%(1億988万ウォン)までする。 実投資金は7325万ウォンになる。 年間1345万ウォン(約112万ウォン×12ヶ月)の運営収益で借入金利子(年5%)として549万ウォン程が出て行く。 すると純投資収益率は、実投資金対比で年10.8%となる。 しかし金を借りなければ、収益率は年7.3%に縮む。 ここから取得・登録税と総合所得税など税金を納めれば収益率は年5%も大言壮語できなくなる。
この施工会社も収益証書を発行し、最初の1年間は約束した収益を保障すると言った。 「一度に5年間契約することもできるますが愚かなことです。(年11%の収益は)稼動率50%、1日の宿泊費8万ウォンで計算したものです。 時間が経てば稼動率と宿泊費は自然に上がるに決まっています。 それなら1年毎に再契約してこそ収益率をより高めることができるでしょう。」 投資家に1年以上は確定収益を支給しないための姑息な手であった。 1年後に客室稼動率がさらに下がれば収益率もさらに低くなりうるという警告は最後までなされなかった。
「家族と投資を相談してみる」と言って立ち上がると、職員が慌てた。 「今、良い(客室)号がいくつも残っていません。 契約は一日後にするにしても、一応申込予備取り置き金300万ウォン(ソウル・85㎡以下)を出して、号数だけでも指定を受けてください。 クレジットカードでも結構です。」 相談を受けて帰った後も、数日間 職員から「海の眺望(が良い客室の分譲)がみな売り切れましたが、今日会社保有分がいくつか出てきたので必ず押さえてくれるようお願いします」という投資勧誘電話と携帯メールがひっきりなしに舞い込んだ。「一ヶ月で(269室中の)85%が分譲されるほど人気が高い」という職員の話は事実ではなかったわけだ。
収益型不動産の収益構造は日増しに複雑になっているが、投資勧誘はこのように古いやり方のままで行われていた。 不完全販売を越えて詐欺の可能性も伺えた。しかし建設業者の甘言から投資家を保護する安全装置は依然としてなかった。 月々安定した収入を望むベビーブーマーや、低金利時代に新しい財テク手段を探している会社員が大金をフイにしやすい構造だ。
詐欺分譲と何が違うか
ムン・ヨンホ(31・仮名)氏は昨年9月、ソウル恩平区(ウンピョング)仏光洞(プルクァンドン)のある大型商店建物の分譲契約を結んだ。 専用面積6.6㎡(約2坪),9.9㎡(約3坪)の店舗2つを合計2億6千万ウォンで譲り受ければ、5年間にわたって年10%の確定賃貸収益を与えるという施工会社の話を固く信じたためだ。 1ヶ月200万ウォンは家族のための強力な収入源になる筈だった。 退職後の生活費を心配していた父親を説得した。 そして父親の退職金から契約金と中途金1億700万ウォンを払った。しかし施工会社が約束した残金融資はなされなかった。施工会社が先に商店建物の分譲を受けた他の投資家たちと収益率問題で紛争を行ったせいで、金融圏が融資を中断したという事実を後になって知った。 「他の被害者たちを見れば、施工会社が支払った1ヶ月分の賃貸収益のうち店舗賃貸料は20%にしかならなかった。 残りは投資家が払った分譲代金で返すということだった。それだけ分譲代金を高く受け取ったという意味だ。 結果的に(5年間の収益保障期間が終われば)家賃は投資金対比で年2%水準に下がらざるを得ない。 契約書にはそのような内容は一切なかった。 今、訴訟が進行中だ。」彼は特に無謀でもなければ、不注意でもなかった。 華麗な包装の裏にかくされた収益型不動産の陥穽には誰がはまっても不思議ではない。 私も、そしてあなたも。
ソ・ボミ記者 spring@hani.co.kr