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罰金払って解雇された宅配運転手

原文入力:2009-05-11午後02:45:31
“はて、私たちに社長だって”
‘自営業者くびき’ 広告塗装も自分の金で
いざという時には ‘契約解除’…“労働者と認定を”

チョン・ユギョン記者

←去る9日午後、大田市,法洞中央病院前で ‘復職闘争’ 55日目をむかえたチェ・ハンニョル(55・左側)氏は「月給もらって罰金払う社長はいない。私たちは労働者」と話した。集会現場で父母の日を過したコ・ヨンテ(45・右側)氏が小学校5学年の娘が「パパ、がんばってください」と送った携帯電話文字メッセージを見ている。

‘社長’たちは「労働者と認められたい」と話した。仕事をする姿はまちがいなく給料労働者なのに、不利な時だけ社長として ‘待遇’ を受けるためだ。特に最近、宅配労働者たちの側に立ったパク・ジョンテ(38)貨物連帯光州支部第1支会長が手配中に亡くなったまま発見された後、彼らは物流中心地の大田に集まりパク氏を追慕する集会などを開いている。

去る9日、大田追慕集会に参加した宅配運転手コ・ヨンテ(45)氏は一時期、花屋を経営した ‘本当の社長’ だった。不況で店を閉め400万ウォンの中古トラックを購入し2006年に始めた宅配の仕事は5人家族のための最後の砦だ。

コ氏は労働者でありながら社長だ。彼は契約書により出退勤時間も指定されている。毎朝7時に出勤し宅配物品を分類しバーコードを付けた後、配達予想時刻を入力する。ところが交通が渋滞するなどやむを得ず発送が遅れれば、‘罰金’ を払わなければならない。1件当たり配送手数料が920ウォンだが、罰金は手数料の50%の460ウォンから最高1000ウォンまで達する。宅配運転手たちは食事も抜いて夜9時まで飛び回るのも ‘何時間後に持ってきて’ というお客さんの要請を聞き入れることができないのも罰金のためだ。

この他にコ氏は毎週月曜日の朝会時間には団体で親切教育を受ける。お客さんに挨拶する方法も習うので職員と違うことがない。

反面、金を使わなければならない時は話が変わる。宅配会社マークで車両を塗装する費用や季節ごとに変わるユニフォーム代などは ‘事業者’ の持分だ。「会社で広告依頼を受けて、車に ‘○○ホームショッピング’ の広告をする時も、塗装費用は私どもが負担します。広告収益は会社の持分でしょう。」

物が破損・紛失した時は宅配運転手に責任が回ってくるのが常だ。中小企業で労務管理もした宅配運転手チェ・ハンニョル(55)氏は昨年12月 ‘月給明細票’ で罰金で13万2000ウォンが引かれたのを発見した。発送検査を通過した物品なのに破損責任はチェ氏に回ってきた。チェ氏は「顧客が置いて行けと言った場所に置いて行ってなくなったとし60万ウォンを弁償した同僚もいる」として「顧客要請を聞き入れずインターネット顧客不満が受け付けられれば罰金が賦課されるからと断ることもできない」と話した。

宅配労働者たちは普通一日に100件余り、1ヶ月に3000件程度の物品を配達する。月間収入は300万ウォンに近いが、罰金にガソリン代,車両管理費,携帯電話料金などがかかるのを計算すれば実際の月間所得は200万ウォンに至らない。週6日勤務に病休や休暇も別にない。宅配運転手キム・某(29)氏は「予備軍訓練が回ってくる時が最も辛い」とした。

そこで労働界は宅配運転手たちを会社の統制を直接受ける ‘特殊雇用職労働者’ と称する。しかし現行法では労働者ではない。政府は個人車両を持った事業者とし ‘特殊勤労形態従事者’ と分類する。従ってこれらに ‘契約解除’ は実質的な解雇通知だ。‘委託事業者’であるために退職金も失業給与もない。

去る3日に亡くなったまま発見されたパク・ジョンテ支会長はこういう宅配運転手たちの ‘復職闘争’ を導いた人だった。配送手数料問題で ‘労使紛争’ が広がる渦中に、携帯電話文字メッセージで契約解除通知が飛んできたのだ。キム・ソンヨン大韓通運光州支会分会長は「貨物連帯など大型物流配達側は早くから労組が設立されていたが、零細な宅配産業はたった今、労組が誕生する段階」として「1997年当時、契約職宅配運転手は1件当たり1000ウォンを受け取っていたが、現行配達料は普通850ウォン内外でむしろ後退した」と話した。

大田/文・写真チョン・ユギョン記者edge@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/354262.html 訳J.S