北韓は‘チャン・ソンテク失脚説’が提起されて三日目の5日にも、事実可否を公式確認しなかった。 だが、遅くとも今月16日にはチャン部長の去就が事実上確認される可能性が高い。 この日は金正日国防委員長の2周忌追悼式が開かれる予定であるためだ。
チョン・ソンジャン世宗(セジョン)研究所首席研究委員は「チャン・ソンテクが健在ならば、彼の義理兄弟だった金委員長の追悼式に参加せざるをえない。 もし参加しないならば彼が失脚したと見なければならない」と話した。 金委員長の追悼式には北韓権力の核心人物が大挙参加する。 昨年12月16日に開かれた1周忌追悼式時も金正恩労働党第1秘書はもちろん、チャン部長、キム・ギョンヒ労働党秘書、チェ・リョンヘ軍総政治局長など北韓権力側の核心人士が参加した。 この日にチャン部長が姿を表わせば失脚とまでは言えない可能性が高く、参加しなければ失脚の可能性は高いと見ることができる。
チャン部長の失脚可否が今後三四日内に北韓メディアを通じて発表されるという予想もある。 ホン・イクピョ民主党議員は「北韓が韓国のチャン・ソンテク部長失脚報道に対して、今週末あるいは来週初めに報道することもありうる」と予想した。 ホン議員は最近になって北韓メディアが韓国言論の報道に積極的に対応しているためだと明らかにした。
北韓は金正恩労働党第1秘書が後継者に指名された2009年以後、高位級要人が失脚する場合、概して解任報道を出してきた。 リ・ヨンホ全軍総参謀長の場合が代表的だ。 北韓軍を代表する人物だったリ総参謀長は、昨年7月16日 「労働党政治局会議でリ・ヨンホを身病関係で労働党政治局常務委員会委員、党中央軍事委員会副委員長をはじめとするすべての職務から解任することを決めた」という報道とともに消えた。 これに先立って2011年6月ホン・ソキョン前労働党経済担当秘書が解任される時にも北韓メディアは同様な動きを見せた。
一方、チャン部長の失脚可能性が提起された翌日の4日、北韓<労働新聞>は‘革命的信念は命より貴重だ’という意味深長な長文‘政論’を掲載した。 この文は金委員長の生前の発言を引用して「過ぎた日にいくら長く党に忠実だったとしても、今日一瞬でも党に忠実でなければ忠臣にはなれない」と主張した。 新聞は「忠臣には99%はありえず、ただ100%だけがありえる。 信念と義理を守れば忠臣となり、捨てれば奸臣になる」という主張も展開した。 この文が載せられた時点と内容から見る時、チャン部長の失脚と関連しているのではないかという分析が専門家たちの間から出ている。 リュ・キルチェ統一部長官も4日、国会外交統一委員会での答弁で「2つ(チャンの失脚と労働新聞の政論)間の相関性が高いと言える」と答えた。
チェ・ヒョンジュン記者 haojune@hani.co.kr