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[ルポ] 海面下 4m 離於島(イオド)は静かにそこにあった

登録:2013-12-03 20:53 修正:2013-12-04 07:40
‘防空区域 論難’離於島上空 飛行してみると
海軍海上哨戒機(P-3C)とイージス艦 栗谷李(ユルゴギイ)艦が2日午前、総合海洋科学基地がある離於島(イオド)上空と海域で海上警戒作戦を遂行している。 2013.12.02写真共同取材団

海軍哨戒機に乗って離於島(イオド)を旋回
"防空識別区域通過中" 緊張感 絶頂

 去る2日午前9時20分頃。 手を伸ばせば届きそうに、済州道(チェジュド)漢拏山(ハルラサン)の白鹿潭(ペンノクタム)をかすめて飛び、10分も経たない時だった。 果てしなく広がる海、平和な青い海に数隻の中国漁船が見えた。 離於島は静かにそこにあった。 いや、なかった。 総合海洋科学基地のヘリコプター着陸施設表示がまさにそこが離於島であることを表わしてはいたが、離於島は海面下4mにあった。

 約1万フィート(約3000m)の上空を飛んだ海上哨戒機(P-3C)が高度を急激に下げ、離於島を旋回し始めた。 機内は立っていられないほど大きく揺れた。 表面とは異なる現実を反映するかのように、予想できない揺れだった。 海に落ちそうに低く飛んだ。 潜水艦を捕捉するための哨戒の基本は低高度だ。 高度は150mだった。 軍関係者はそれでも普段よりは少し高く飛んでいると説明した。 浦項(ポハン)と済州(チェジュ)に配置された海上哨戒機は、週2回 離於島を横切る。 海上哨戒機の最も大きな目標は、我が国の領海に接近する潜水艦を探知することだ。 この日は探知用浮漂を投下しなかったが、疑わしい情況が発見されればすぐに音探ブイを海に落とす。 海上哨戒も不可欠な任務だ。 疑惑船舶などを識別し、海上警察に通知し、敵の艦艇であることが確認されれば作戦に出る。 操縦士、副操縦士、航法士など乗務員12人を乗せた哨戒機は、離於島上空とその周辺海域を管理してきた。 この日は特に記者数人がその乗務員と共にした。 哨戒機が離於島を中心に5,6回上空を旋回した。 ここは日本の防空識別区域(JADIZ)でもあった。 中国が一方的に防空区域を宣言する前までは、今のように離於島に注目したことはなかった。 この日、我が国政府が中国の防空識別区域(CADIZ)を認めていないため中国側にあらかじめ通知することはなかった。

2日午前、イージス艦 栗谷李(ユルゴギイ)艦で乗務補助員が離於島に建てられている総合海洋科学基地を双眼鏡で見ている。この日、海軍海上哨戒機(P-3C)と栗谷李艦が離於島上空と海域で海上警戒作戦を遂行した。 2013.12.02写真共同取材団

イージス艦 栗谷李艦が2日午前、総合海洋科学基地がある離於島海域で海上警戒作戦を遂行している。 2013.12.02写真共同取材団

 緊張した瞬間もあった。 離於島に到達する10余分前、"防空識別区域通過中" という機内操縦士の放送が数回流れた。 中国が一方的に宣言した防空区域に進入したためだ。 この上空は日本の防空区域でもある。 すでに計画された飛行であるため、日本にはあらかじめ通知していたために日本側と交信する必要はなかった。 中・日の防空識別区域に入ったが海軍海上哨戒機はよどみなく飛び続けた。

 離於島にさらに近付くと黄色の鉄骨構造物上にある建物とヘリコプター着陸施設の横にいた海軍のイージス駆逐艦 栗谷李艦が姿を現した。 栗谷李艦は今回の合同訓練を遂行するために前日の1日午後2時30分、鎮海から出発した。

 海軍は先月23日、中国が防空識別区域を一方的に宣言した後にも正常に任務を遂行している。 哨戒機は週に2回、海軍・海上警察艦艇は常にここで任務を遂行している。 哨戒機を含むわが軍の具体的な作戦半径は秘密だ。 軍関係者は「警戒飛行を行う時や艦艇が作戦を繰り広げる時は、離於島南方に十分な地域にかけて展開する」として「今まで離於島海域周辺で中国軍の特別な動きはなかった」と話した。

 この日も韓国海軍の海上哨戒機は決まった手続きに則り離於島上空を守った。 海軍海上哨戒機が警戒飛行をする前に空軍に通知すれば、空軍は合同参謀に通知し、日本に伝えられる。 しかし韓国の防空識別区域が拡大すれば状況は変わりうる。 軍関係者は「決まったことはない。 関係国と協議の下に(通知有無を)進行する」と話した。 そして「軍は任務が通達されれば、それを守るのみ」と付け加えた。

 哨戒機は約25分間、離於島を旋回して捜索および警戒作戦を繰り広げたが、この日中国や日本の艦艇や軍用機の姿はなかった。 日本の海上哨戒機が離於島東側120余km以上離れたところを飛行すること以外には特異事項はなかったというのが軍関係者の説明だった。 普段、中国の海上警察艦艇は離於島西南方地域75マイルまで接近すると付け加えた。 ここは中国漁船が盛漁期に数百隻操業する所だ。 我が国の漁船も一緒に操業する。 防空区域を巡る韓・中・日の葛藤が激化すれば突発状況が発生する可能性も排除できない。 平和は続かなければならない。

離於島/国防部共同取材団 ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/613753.html 韓国語原文入力:2013/12/03 17:58
訳J.S(2239字)

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