‘長官が人事専横’大統領府 直接報告後に更迭
報復性疑惑提起に大統領府‘困惑’
キム、陰性的動向報告 廃止 指示
軍 人事 雑音遮断が狙い 分析も
チャン・ギョンウク(少将・陸軍士官学校36期)前機務司令官の交替背景を巡って‘後暴風’が起きている。 キム・クァンジン国防部長官はチャン前司令官の能力と資質を問題視した反面、チャン前司令官はキム長官の軍人事を批判した大統領府直接報告のために‘報復性更迭’を加えられたと主張している。 キム長官は国軍サイバー司令部の大統領選挙介入疑惑に内部人事ノイズまで重なり、苦しい境遇に置かれた。
■キム・クァンジン長官 対 チャン・ギョンウク前司令官
先月25日、軍将軍級人事で軍内要職である機務司令官はチャン前司令官からイ・ジェス中将(陸軍士官学校37期)に交替させられた。 当時はイ中将が朴槿恵(パク・クネ)大統領の弟であるパク・ジマン氏の陸軍士官学校同期で懇意な仲であるために抜擢されたのではないかという解釈が行き交っただけで、電撃更迭の背景についてはそのまま闇に葬られる雰囲気であった。 そうするうちに問題が再燃したのは、1日の国会国政監査においてであった。 キム・クァンジン長官は、機務司令官交替の背景を尋ねる質問に「チャン前司令官が代理勤務体制だったが、観察してみると色々な能力や資質などが機務司令室を改革し発展させるには不足しているという評価があった。 進級審査から脱落して交替が避けられなかった」と答えた。 このように公式の席上で長官が人事対象者の能力と資質を取り上げ露骨にこき下したことはきわめて異例なことだ。
これに対しチャン前司令官も翌日反撃に出た。 彼は2日付<東亜日報>とのインタビューで「去る4月人事の時、キム長官の人事手続きと方式に対する軍内部からの不満と批判世論を(大統領府に)何度か報告した」として「このような形で交替するのは、多分に感情的で人格冒とく的」とキム長官を批判した。 ‘報復性人事’を加えられたという主張だ。
■ 大統領府-国防部-機務司令室の間に何が?
軍のある関係者は「チャン前司令官が今年4月の軍人事を巡て野戦で不満があるという報告書を大統領府に上げたことは事実だ。 特定の軍脈が一人占めする構造が繰り返されてはならないという趣旨であった」と話した。 チャン前司令官の大統領府報告は適切だったのだろうか? 手続き上では、大統領府‘直接報告’自体は問題ではないと見られる。 軍の別の関係者は「機務司令官は長官の指揮を受けるが、軍の統帥権者である大統領の指示により軍内情報を報告できる。 この場合、通常は同時か事後にでも長官にも報告する」と話した。
問題は内容だったと推定される。 チャン前司令官の大統領府直接報告には、キム長官が各軍総長の推薦権を無視して一方的な人事を行い、野戦部隊などから不満と批判が多いという内容が含まれていたと言う。 チャン前司令官は「関連規定と手続きを守り大統領府に報告したし、必要な部分はキム長官にも知らせた」と話した。 しかしキム長官に不利な内容を本人にありのままに伝達したとは考えられない。 したがってキム長官がその内容を知ったとすれば、どんな反応を見せたかも想像に難くない。
■ 機務司令官の大統領府直接報告は廃止されるか?
キム長官は今回の事件を契機に陰性的動向報告慣行の撤廃など、機務司令室業務再確立のための高強度改革を機務司令室と関連部署に指示したと言う。 機務司令室の大統領府直接報告を指揮体系を逸脱した奇形的業務処理と見なしたのだ。 実際、機務司令官の大統領府報告は、盧武鉉政府の時に廃止されて李明博政府になって復活しながら雑音が絶えなかった。 しかし一方ではキム長官が軍人事を巡るさらに多くの雑音を遮断するために布石を敷いたのではないかという分析も出ている。 特に今回の人事で機務司令官と共に国防部機務部隊長、機務司令室2部長、参謀長など主な職務者が全員交替させられた点もそのような疑問を後押しする内容だ。
ハ・オヨン、キム・キュウォン記者 haha@hani.co.kr