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「イ・スンマンの業績はコンスタンティヌス大帝に比肩」

登録:2013-09-25 22:58 修正:2013-09-26 06:56
ユ・ヨンイク国史編纂委員長内定者、著書で称賛
「愚昧な民を新しい国民に育てる」との主張も
野党・市民団体「ユ委員長の内定は歴史クーデター」と批判
国会教育文化体育観光委員会所属のユ・ギホン民主党幹事をはじめとする野党議員が24日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会で、ユ・ヨンイク国史編纂委員長内定者の指名撤回を要求する記者会見をしている。 キム・ギョンホ記者 jijae@hani.co.kr

 ニューライト性向を持つユ・ヨンイク国史編纂委員会委員長の内定を巡って、政界と学界、市民社会の反発が広がっている。 パク・クネ政府スタート以来、教学社版教科書の検定通過、ユ委員長とイ・ベヨン韓国学中央研究院長の任命など一連の状況を指して「緻密なシナリオ」という指摘が出ている。

 ユ・ギホン、イ・ヨンソプ、チョン・セギュン、チョン・ジンフ、キム・テニョン、ト・ジョンファンなど国会教育文化体育観光委員会所属野党議員15人は24日記者会見を行い、「イ・スンマン元大統領を礼賛する研究に一生を捧げてきた人が国史編纂委員長になるならば、今後政府がパク・チョンヒ、チョン・ドゥファン元大統領を称賛する日が来ることを恐れざるをえない」として、内定撤回と大統領府責任者の問責を要求した。 彼らは「まずニューライト歴史教科書を作って親日と独裁を美化し正統性を付与して、次いで韓国学と国史を担当する機関長をニューライト人物に替えようとしている」として「緻密なシナリオによる“歴史クーデターの開始”を疑わざるを得ない」と指摘した。 また、最近任命されたイ・ベヨン韓国学中央研究院院長もやはりイ・ミョンバク政府時代の2011年、歴史教育過程開発推進委員会委員長を務めて韓国現代史学会(訳注:2011年に結成されたニューライト性向の学会)が要求した歴史教科書検定基準を忠実に受け入れた人物だと、野党議員らは主張した。 これに先立ちチョン・ビョンホン民主党院内代表はこの日午前「ユ委員長の内定は最悪の人事でどん詰まり型人事と言わざるを得ない。 このすべての問題を我々は国会で問いただす」と明らかにした。

 465の歴史関連学会と市民団体が所属している「親日・独裁美化および教科書改悪を阻止する歴史正義実践連帯」(以下「歴史連帯」)もこの日声明書で「ユ委員長の内定により、教学社版教科書の検定通過が現政権の庇護と政治的意図の下に推進されてきたことが白日の下にさらされた」として「内定を直ちに取り消し、親日・独裁を美化する韓国史教科書の出版を中断しない場合、現状況を“歴史クーデター”と規定して容赦のない闘争に入る」と明らかにした。歴史連帯は、教学社版教科書が2008年ニューライト団体から発行されユ委員長内定者が内容を監修した「代案教科書」の「改訂版」と言えるほどに内容が似ていると指摘した。 ユ委員長内定者は当時この教科書を自身が講義する韓東大で教材として採択したが、この教科書を大学教材に採択したケースはユ委員長内定者が唯一だと歴史連帯側は明らかにした。

 ユ内定者は1990年代以来、イ・スンマン大統領に関する本を五冊も著述するほどイ大統領研究にまい進してきた。 彼は著書・講演などでイ大統領を「国父」と規定し「この60年間の大韓民国の飛躍的発展は、イ・スンマン大統領がこの国の愚昧な民を有能で発展指向的な新しい国民に育てたからこそ可能だった」(2008年「大韓民国建国60周年記念国際学術会議」)等の叙述をもって美化した。 また「イ・スンマン政府の下で整えられた教会の基盤は、1960年代以後、韓国がアジア屈指のキリスト教国家に浮上する跳躍台となった。 これはローマ帝国のキリスト教化に寄与したコンスタンティヌス大帝の功績に比肩する」(『建国大統領イ・スンマン』) 「イ・スンマンの大韓民国建国は、神と夜通し格闘したあげくついに神の祝福を得た旧約聖書のヤコブの話を連想させる偉業にほかならない」(『大韓民国建国60年の再認識』)等、露骨な宗教偏向叙述もしている。 最近検定を通過した教学社版教科書では、34ページの独立運動史記述において11ページにかけてイ・スンマンの名前が42回言及されている。

 パク・ハンヨン民族問題研究所研究室長は「これまで“親日”と“独裁”の前歴は合理化が困難な守旧勢力の弱い部分だったが、イ・ミョンバク、パク・クネ政府を経る中でニューライトを前面に出してイ・スンマンとパク・チョンヒを復権させ、親日・独裁に免罪符を与えている」と指摘した。

アン・ソンヒ、ソン・ホジン記者 shan@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/604427.html 韓国語原文入力:2013/09/25 08:37
訳A.K(2021字)

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