原文入力:2009-04-29午後03:19:12
動物~人 行き来する伝染病 相次ぎ出現 ‘異例的’
版 刷りだすように近親繁殖・密集飼育 ‘伝染’ 露出
メキシコ 発病 推定地, 豚100万頭 大量飼育
チョン・ウイギル記者
←米国,カリフォルニア州,オークランドのある病院で教育訓練担当者(中央)が二人の職員に豚インフルエンザ感染防止に使われる呼吸器保護マスクの使用法を教育している。 オークランド/AP連合
動物たちの報復が始まったのだろうか? 動物を生命ではなく工産品として取り扱う工場式畜産業を背景にした人獣共通伝染病が急速に広がっている。現在広がっている豚インフルエンザをはじめとして、鳥インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)等、最近人類を威嚇した伝染病は動物から始まったウイルスが原因という共通点を持つ。
過去にも動物から始まったウイルスが人類に致命的な伝染病を起こしたりしたが、最近10年間に互いに異なる人獣共通伝染病が続々と発生したのは異例的だと専門家たちは指摘する。
ある品種の動物を大量に ‘生産’ する工場式畜産業が人獣共通伝染病の発生と伝播を爆発的に拡大しているためだ。メキシコ政府が今回の豚インフルエンザの発源地として注目したところも世界最大豚肉生産企業家スミスフィールドフードがペラクルス州ペロテで経営するクラナスカロル農場で約100万頭の豚を育てている。この農場周辺のハエと排せつ物が人間にウイルスを移したのではないかと疑われている。
イ・ハン ソウル大獣医科大教授は28日<ハンギョレ>との電話通話で「最近50~60年間に人獣共通伝染病の発生は過去よりむしろ増加したことが分かった」として「大量畜産が引き起こす遺伝的多様性の不足と劣悪な環境が原因だ」と指摘した。工場式畜産業は人間の需要を充足する品種を通常、近親繁殖を通じて作り出す。遺伝的多様性が低くなり特定疾患に集中的に露出するばかりでなく、密集した飼育環境が急速な伝染の背景になる。
動物から始まったウイルスは人体免疫系が全く認識できず致命的になりうる。1918年、全世界人口の40%に感染させ約5千万人の死亡者を出したスペイン インフルエンザが代表的だ。当時感染者と死亡者の大部分が若い成人だった。人体が免疫体系を持つことが出来ない疾患なので、若くて元気な人体がむしろウイルスが繁殖しやすい環境になった。
今回の豚インフルエンザも若くて元気な成人に多く発生する上に、変種が多様に広がった可能性が大きい。豚インフルエンザは普通軽いインフルエンザ症状だけが見られるが、今回はすでに150人以上が命を失った。今回の豚インフルエンザの変種ウイルスは、豚・鳥類・人体ウイルスの情報をすべて持っており、伝染度が非常に高い致命的疾患である可能性が憂慮される。イ・ハン教授は「学界では豚と鳥類ウイルスが遺伝子交換をした場合、致命的な新しい病気が発生する可能性を憂慮してきた」として「今回の豚インフルエンザがそれなのかは今後を見なければならない」と話した。
社会学者ジェレミーリプキンは<肉食の終末>で、一日に1億3700万匹、毎年500億匹の牛や豚,鶏などの家畜が屠殺されていると告発した。1990年代初期に狂牛病と口蹄疫が発生し、ヨーロッパでは工場式畜産業が原因として指定され動物権保護運動が広がった。はやい成長のために草食動物である牛に、同族の骨と肉まで食べさせ、座ることも横になることもできない密集した飼育環境で家畜を育てる工場式畜産業が人獣共通伝染病を作り出したということだ。ドイツは2002年に世界で初めて憲法で動物権を保障した。
人獣共通伝染病は生命と自然に逆行する人類に対する報復というのが動物権保護主義者などの主張だ。豚インフルエンザは再度の警告状だ。 チョン・ウイギル選任記者Egil@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/health/352332.html 訳J.S