沈黙は修道の手段だ。 天主教司祭と修道者は沈黙の中に留まりながら神様に会う。 ところが最近 彼らが沈黙を破った。
国家情報院の大統領選挙不法介入を糾弾する時局宣言に参加した元老司祭チョン・キュワン(74)神父は1日<ハンギョレ>とのインタビューで 「共同善が破滅の危機に処する瞬間までも沈黙していることは罪になりうる」とし、正しからざる沈黙に対して怒った。 チョン神父は「国家情報院選挙介入問題は共同体善を脅かす非常に深刻な問題なのに、朴槿恵(パク・クネ)大統領が措置をとらずにいる。 大統領がそのように(沈黙)すれば、私たちは‘それなら大統領ではないね’と言える」と批判した。
全国の大学生と大学教授、市民社会団体に続き天主教司祭の時局宣言が、沈黙を強要する権力の意中を破る響きとして広がっている。 全国天主教15教区中で7月22日釜山(プサン)教区121人に始まり、7月29日馬山(マサン)教区77人に続き7月31日光州(クァンジュ)大教区の神父と修道者508人が時局宣言を発表した。 1日には円仏教・仏教・天主教・新教など光州地域4大宗教の宗教家が連帯して国家情報院不法大統領選挙介入を糾弾する時局宣言を出した。
天主教神父と修道者は「国家情報院の不法大統領選挙介入と南北首脳会談対話録不法公開に関し、真相を糾明し責任者を処罰せよ。 綱紀紊乱行為に対して朴槿恵大統領は謝らなければならない」と声を強めた。 朴槿恵政府に 「神の正義を恐れ、国民の怒りにそっぽを向くな」と要求した。
チョン神父は、北方境界線(NLL)放棄発言論難で国家情報院の政治介入の真実を覆い隠そうとしている朴大統領とセヌリ党を批判した。 彼は「結局、歴史に対して罪を犯すことだ。 論難の糸口を見つけ、それから問い詰めていく姿勢が必要だ」と話した。
1970年代の維新独裁と80年5月など 沈黙を強要された時期、チョン神父は沈黙しなかった。 70年代咸平(ハムピョン)さつまいも事件の時、政府と農協に抗議する農民らと共にしたし、80年5・18民主化運動の時には市民収拾対策委員として新軍部の武力鎮圧を阻もうとしたが連行され苦難に遭った。 老神父は2003年の引退以後も沈黙に埋もれてはいなかった。 庶民と警察官が犠牲になったソウル龍山(ヨンサン)惨事現場を訪ね、李明博政府の4大河川事業を厳重に叱った。 彼が今回、再び世の中に向けて覚醒を促した。
順天/チョン・デハ記者 daeha@hani.co.kr 写真チェ・ソンウク ドキュメンタリー監督