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北、‘提案撤回’でない‘保留’表明…再び提起する余地残す

登録:2013-07-12 10:02 修正:2013-07-12 15:00
開城(ケソン)工業団地工場内部 "設備は良好"
去る10日に再び訪ねた開城(ケソン)工業団地内のある衣類製造業者の工場入口に開城工業団地管理委員会が貼った封印と共に鍵がかけられている。 この業者の代表は工場内部の刺繍機械ライン(右側)を見回した後 「機械設備は良好な状態だったが、雨漏りなどで床に水が溜まっていた」と伝えた。 開城工業団地入居企業提供

"金剛山(クムガンサン)・離散家族対面 全て保留" 通知

専門家たちの反応は交錯
"提案1個だけの受け入れは予想外だったようだ"
"南側の対話拒否を皮肉ったこと"
金剛山観光と連係されない離散家族対面には関心がなかったかも
15日3次実務交渉が分岐点

 北韓が11日、板門店(パンムンジョム)連絡官チャンネルを通じて前日に自分たちが提案した離散家族対面のための赤十字実務接触を保留した。 前日に自分たちが提案した‘金剛山観光の再開’と‘離散家族対面行事’のための実務接触提案に対して、韓国が離散家族の件だけを受け入れ、金剛山観光を拒否したことに伴う最初の反応だ。

 統一部はこれと関連して北韓が2つの提案をまとめた理由について「わが方が昨日提起した通り自分たちも開城工業団地問題解決に集中するためのもの」と説明したと明らかにした。 しかし、当初提案を‘撤回’とするとはせず、ひとまず‘保留’と明らかにしたことから分かるように、北韓がこの提案を完全にまとめたものとは見られない。

 これに先立って北韓は去る6月6日、祖国平和統一委員会スポークスマン談話を通じて南韓に実務対話を提案し、そこで扱う主な議題として△開城工業団地△金剛山観光△離散家族対面△6・15記念共同行事開催などを提示した経緯がある。 この内6・15行事は日がすでに過ぎたが、開城工業団地正常化問題と関連してはすでに2回の実務会談が進行され、3次実務会談を残している。

 このような背景から北韓は残った金剛山観光と離散家族対面などのイシューに対しても議論を再開しようとした可能性が大きい。 しかし韓国政府がこの内一つだけを受け入れるや開城工業団地と関連した南北実務会談の成果を見守って、これを再び提起できる余地を置いたものと見られる。

 北韓の2個の実務会談保留に対する専門家たちの解釈は交錯している。 イ・ボンジョ統一部前次官は「北韓がわが政府が自分たちが提起した2個の提案中の一つだけを受け入れて、一つは拒否することをあらかじめ予想できなかったようだ」と話した。 しかしヤン・ムジン北韓大学院大教授は「北韓が前日南韓と同じ理由で対話を保留したことは、事実上前日の韓国の対話拒否が話にならないものだと皮肉った結果と見ることができる」と解釈した。

 他の一方で、離散家族対面は金剛山観光再開のために韓国に投じた‘カード’だったという解釈も可能だ。 金剛山観光は北韓が特別な投資なしに少なくない現金収益を得てきた事業だ。 そのために北韓は2008年7月パク・ワンジャ氏殺害事件で観光が中断された後、着実にこの事業の再開を要求してきた。 しかし南韓では金剛山観光が北韓の‘ドル稼ぎ’手段という保守派の長期にわたる不信がある。 朴槿恵(パク・クネ)政府の立場でも、この事業は自身の任期中に中断された開城工業団地とは異なり、必ず復活させなければならない政治的な責任も大きくない。

 これに伴い、15日に開城工業団地で開かれる3次南北実務交渉が今後の南北関係を展望できる重要な分岐点になる展望だ。 北韓がこの日の交渉で開城工業団地正常化のために‘責任ある立場表明’と‘再発防止策’を持ち出すならば、今年の秋夕(チュソク)離散家族対面はもちろん、金剛山観光再開まで一気に解決されることもありうる。 政府が11日、金剛山観光再開のための実務接触を拒否して言及したように「開城工業団地が南北交流・協力の試金石」になったためだ。 同時にこの問題で南北が異見を狭めることができないならば南北関係は回復の糸口を掴むことができずに漂流する可能性も大きい。

キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/595428.html 韓国語原文入力:2013/07/11 22:42
訳J.S(1825字)

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