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[土曜版-親切な記者たち]ユン・チャンジュン事件はいったいどうなっているかですって?

登録:2013-06-21 20:59 修正:2013-06-22 10:33
ソク・ジンファン政治部政治チーム記者

 こんにちは。 政治部で大統領府を担当するソク・ジンファン記者です。 統制も多く保安を重視する権力機関を取材しているため、時をわきまえず無力感に苦しめられます。 暑くなりかんしゃくも増えました。 それでも挫折せずに‘親切に生きよう’と誓ってみたりしています。

 何日か前‘ユン・チャンジュン前スポークスマンの近況を書いてほしい’という土曜版チーム長の先輩から電話を受けた時もそのような心情でした。「変わっていなくて、書く内容がない」と答えましたが、腹の中では‘また、ユン・チャンジュン記事を書けというの?’という若干のかんしゃくが起きてきたことを告白します。 朴槿恵(パク・クネ)大統領の米国訪問に同行して、かなり多くの記事を書きましたが、帰国後ユン前スポークスマンのせいで‘書かなければならなかった’記事はその2倍は越えたためでしょう。 その時の虚しさといったら…。

 その事件以後、私席で‘君もユン・チャンジュンと酒を飲んだのか?’、‘ユンがもともとそのようなスタイルだったのか?’等、1ヶ月近く同じような質問に苦しめられたりもしました。 皆さんも気になりましたか? ユン前スポークスマンは、歴訪中記者たちと酒を飲んだことが一度もありません。 接触があまりにもなくて、記者たちもスポークスマンをほとんど探しませんでしたよ。 逃避性帰国をして満一日が過ぎても記者たちが気が付かなかったのも、そのような事情のためです。

 多くの人々が‘ユン・チャンジュン、その後どうなったか’を心配していますが、彼が蟄居に入った40日前の状況と変わりがありません。 数人の大統領府の人々に質問を投げかければ、帰ってくる返事が終始一貫しています。「米国警察からまだ連絡が来ない。」 若干困ったような表情で深いため息を吐くところまでまったく同じ反応です。

 ‘なぜこんなに長くかかるのか’と尋ねれば「米国は事件処理や裁判などが長くかかるらしい」という答が帰ってきます。 日本のオウム真理教教祖裁判には10年かかったという事例を言う人もいました。 耳をぴんととがらせるような返事がなかったわけではありません。 「率直に言って米国の警察人たちは事件を早く処理したいと思うか。外交的な部分もあるのに、わざわざ早くする必要はないのではないだろうか?」大統領府では内心、世論の関心が冷えるまで事件処理が遅れることを期待しているのかもしれません。でも遅らせてほしいと米国警察に要請するわけにもいかなくて、そこまでユン前スポークスマンを保護しようとする雰囲気でもないことだけは確かに見えます。

 結局、米国警察がユン前スポークスマンを召還するなり、被害者が直接韓国に告訴する時までとめどなく待つこと以外には方法がないわけです。

 そう言えば、最近性犯罪処罰条項が大きく変わったのはご存知でしょう? 性犯罪と関連しては親告罪(告訴があってこそ処罰できる犯罪)と反意志不罰罪(合意等を通じて被害者が願わなければ処罰しない罪)条項がなくなりました。 もしユン前スポークスマン事件が今日起きたとすれば、米国警察の連絡を待たなくても良いはずなのですが、彼の‘疑惑’は5月に発生したことなので遡及適用はできません。 去る4日、全国女性連帯など1000人の女性がユン前スポークスマンを醜行の疑いなどで我が国の検察に告発しましたが、捜査が進行されないのもこのような理由のためです。 ‘5月のセクハラ’は親告罪に該当するので、検察もやはり大統領府のように 「米国の捜査を見守る」ということですね。

 米国警察の‘呼び出し’が遅れる間に、ユン前スポークスマンの蟄居環境にも変化があったといいます。 取材を防ぐためにバルコニーの窓に貼られていた新聞紙は‘撤去’されました。 家の前で陣を敷いていた取材陣も約一ヵ月前にアパート住民たちの要請により‘撤収’しました。 最近ではユン前スポークスマンも親しい知人らと携帯メールをやりとりする回数が増えたといいます。 私が送った携帯メールには、依然として答が来ていませんが。

 ネチズンたちの間では‘彼が家でチキンの出前をとって食べた’、‘彼がネチズンを侮辱罪で告訴した’等のうわさが飛び交いました。 個人的にチキンを注文したことが何で問題なのかはわかりませんが、両方とも事実でないことが確認されました。 ‘ユン前スポークスマンが首になった後、1ヶ月分の給料を受け取った’という話も出回っりましたが、それもやはり事実ではありません。 大統領府は5月10日ユン前スポークスマンの更迭を発表し、書類上‘職権免職’時点は15日です。5日分の給与をさらに受け取りましたね。

 参考までに大統領府はユン前スポークスマンを送りだしながら、罷免や解任などの‘懲戒免職’ではない‘職権免職’を選びました。 ‘懲戒免職’は退職金・年金に不利益があり、公務員の任命も一定期間制限される‘厳罰’です。 これについて大統領府は「ユン前スポークスマンは勤務期間が1年にならず、退職金や年金がない。 今後公務員に任用される可能性もない。 迅速な‘整理’のために職権免職を行った」と説明しました。 懲戒免職をするには懲戒委議決など手続きが複雑なのでそうしたと言っています。

ソク・ジンファン政治部政治チーム記者 soulfat@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/592802.html 韓国語原文入力:2013/06/21 20:10
訳J.S(2354字)

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