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安哲秀「大統領選に出馬しなかったら、移民しなければならない雰囲気」

登録:2013-06-06 21:03 修正:2013-06-07 06:15
安議員記者懇談会、「候補一本化 約束守って後悔ない」
「今回は自由意志で出てきて、命を賭けてやっている」
安哲秀(アン・チョルス)議員/ニューシス

 国会入城1ヶ月が経った安哲秀(アン・チョルス)無所属議員は「バッジのようなものを、生まれて初めてつけた」と笑った。初めは議員バッジをつけなかったが、「選挙区民(ソウル蘆原(ノウォン)丙)が議員に選んだのに、なぜバッジをつけずに通うのかと指摘されたよ。また、国会にバッジをつけずに通うと生意気に見えるそうで、こうなった」と語った。このように院内に入ってきたことを少しずつ実感している彼は「今は国会活動への適応期間」と言い、教授などに会い所属常任委員会である保健福祉委員会の懸案に関して勉強することについて「宿題をしている」とも表現した。 何より「命をかけてやっている」との言葉が、政治に臨む彼の覚悟を表している。

 3日、記者たちと会った安議員は、堅固な二党体制下で「第三独自勢力化」を推進することについて「私の行く道が容易な道ではないことは、よく分かっている」として「しかし、前回の大統領選挙の時は、人々の念願に引かれて出たが、今回は私の選択で、自由意志で出てきた」として、退路を作らず「新しい政治の実現」に力を注ぐという意思を示した。

 安議員はこの事を「本の著述」に例えて言いもした。「本を書く時はあまりに荷が重く、もうやらないと言いながらも、送った原稿が本になり、出てきた成果物を手に持ったら、これまでの苦労を相殺しても余りある達成感があった」と言うことだ。 政治に入ってきた以上、目標点を目指すという話に聞こえる。

 それと共に、少しの間、大統領選挙出馬当時を思い出した。安議員は「あの時は、大統領選挙に出馬しなければ、移民しなければならないような雰囲気だった」として笑った後、「(大統領選挙の途中で諦めたが)候補一本化という国民への約束を守り、後悔はなかった。基本的に過ぎたことに感情を消費して後悔はしない。最も大きい失敗と言えば、私自らの準備不足が大きかったことだ」と振り返ってみた。彼は「大統領選挙出馬を公式宣言する7~10日前に出馬を決心した」と話した。

 4・24補欠選で魯会燦(ノ・フェチャン)前進歩正義党議員の地方区であるソウル蘆原丙から出馬したことについては、「新しい政治をするためには、(地域主義を越える)首都圏出馬が相応しいと考えた」として「もし4月の補欠選で首都圏地域がなかったならば、出馬しなかっただろう」と話した。

 3日から開かれている6月臨時国会を通じて国会活動を本格的に始める安議員は、自身の1次課題が「10月補欠選」だと言った。事実、10月補欠選は「安哲秀独自勢力」の出馬有無が、政界再編にどんな影響を及ぼすのかを計る選挙であり、セヌリ党と民主党も神経を尖らせる「時間表」でもある。

 安議員は、「安哲秀の人々」が10月補欠選に出馬すればセヌリ党候補に「漁夫の利当選」を与えることになるとの民主党側の主張に対して、このように反論した。「私は既成政治と戦うために出てきたのであり、民主党と競争しようとか民主党と争点を作ろうとして政治をするのではない」

 与野党の既得権構造を越えようとすることが「安哲秀の新しい政治」の目指すところなので、10月補欠選出馬などを「野党陣営分裂」の視角で眺めるなという注文と読み取れる。

 安議員はこのような説明も付け加えた。自身が議員に当選した当時、投影された民心には二党体制を克服せよとの熱望が込められているということだ。「昨年の大統領選挙当時、蘆原で朴槿恵大統領が46%を得たが、そのうちの30%が今回の4月補欠選で私を支持した。固い二党体制や陣営の論理に閉じ込められていなかった人々の力だと見る。この意思をきちんと反映できるよう努力する」。彼は自分と共にする人々を集めるために「良い人々と会い続けている」として、資格があるのに派閥の利害関係のために既存政界から離れて出た人々、専門家グループなどと幅広く会っていると言った。

 安議員はまた、昨年の大統領選挙当時、「国会議員定数削減」など、自身の「政治革新案」が熟考の結果ではなかったようだと自省もした。彼は「議員定数削減問題などを原点から考え直すつもりだ。大統領選挙時は、急いで準備して、これがいかなる影響を及ぼすのかに対する検証が不足していた。少しずつ原点から再検討して、セミナーで明らかにする」と述べた。自身が主導する政策研究所「政策ネットワーク明日」のセミナーを通じて、政治・経済など全般的な改革案を整えていくという意味だ。

 しかし政界では、安議員が他の議員を糾合して法案を発議することから、与野党交渉団体を説得して法案を通過させることなど、すべての国会活動で「無所属の限界」を痛感するだろうと見る向きが多い。 また、新党結成がなされる場合、新党の路線とアイデンティティーについて内部論争と対立が広がるとの見通しも出ている。安議員の周辺には、保守色彩を持った政治家から、進歩陣営にいた要人まで理念のスペクトラムが広く開かれているためだ。

 実際に安議員が「政策ネットワーク理事長」として迎え入れた崔章集(チェ・ジャンジブ)理事長は「労働問題中心の進歩政党」を追求するが、安議員は記者たちと会い「庶民・自営業者・労働者の声を代弁しなければならないという崔先生の話には100%同意するが、(私が)進歩政党を作ろうとするのではない」として一線を画している。新党の路線が「進歩政党」に閉じ込められる場合、陣営の論理を離れ、「政治が持続可能な韓国社会を作ることに寄与しなければならない」という自身の構想を自由に繰り広げにくいと見ているのだ。

 安議員のこのような独自勢力化について、民主党指導部内では「実際に党を作る過程で、現実的困難に直面することになるだろう」という話も出てきている。セヌリ党が中道層まで包括する歩みを強化したり、民主党が少しでも革新の姿を見せるならば、10月補欠選で「安哲秀の空間」を今より狭めることになり得るという見通しもある。

 このような憂慮と指摘に対して安議員は「今、大韓民国社会は色々な分野で揺らいでいる。政治は民意をまともに反映できなくなっており、経済は雇用を作れずにいて、社会は格差解消を出来ずにいる。結局、このまま行けば、大韓民国の社会が持続可能な社会にはならないだろうとの憂慮を、国民が本能的にしているようだ」として「大韓民国を改革して持続可能にさせることが必要で、(私の)政策研究所もそのような観点で接近しながら討論をしていくだろう」と話した。

ソン・ホジン記者 dmzsong@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/590403.html 韓国語原文入力:2013.06.04 15:55
訳M.S(2898字)

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