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[編集局から] 安哲秀と民主党/キム・ジョンチョル

登録:2013-06-06 10:48 修正:2013-06-06 13:10
キム・ジョンチョル政治部記者

 去る3日午後ソウル大韓商工会議所講堂では‘安哲秀(アン・チョルス)現象と民主党の未来’という主題で学術討論会が開かれた。 政治的性格のほとんどの討論会は指向点が明らかだが、この討論会は主題だけでは安哲秀側なのか民主党側なのか分からなかった。 祝辞も民主党最高委員であるチョ・ギョンテ議員と安哲秀議員のシンクタンクである‘政策ネットワーク明日’のチェ・ジャンジブ理事長が並べた。 主催者であるハン・サンジン ソウル大名誉教授もどちら側とも近い。 彼は大統領選挙前には安哲秀陣営の国政諮問団として活動したし、大統領選挙後には民主党の大統領選挙評価委員長を務めた。

 討論会の反省会を兼ねて開かれた夕食会に安哲秀議員が参加したことによって曖昧さがある程度解けたが、安哲秀議員と民主党の重複的で複合的な関係を象徴的に見せる場面だ。 安議員が反省会には行けないと言えば民主党の高位要人が招待されたかもしれない。

 先月の補欠選挙を通じて国会に足を踏み入れた安議員の前途には多様な選択肢が置かれていた。 最初は去る大統領選挙の時に協力した民主党と結合する方式だ。 歴史的正統性と基幹組織を持つ民主党との結合は彼が目標とする2017年大統領選挙へ行く最も早い道でありうる。 来年の地方選挙を指揮して勝つならば、彼の党内での位置は誰よりも強固になるだろう。 ‘経済は進歩、安保は保守’である彼の政治路線や理念に最も近い現存政党が民主党でもある。 二番目の道は‘小さいながらも重要な’進歩政党の道だ。 両極化時代に進歩的政策に対する要求はますます高まるのに比べて進歩勢力はむしろ形骸化されているのが現実だ。 大衆的支持度の強い彼が、進歩政党路線をとるならば成功可否と関係なく政治史的に大きな意味を持つことができる。 三番目の道はセヌリ党に合流することも理論的には可能だ。 彼の路線と指向ならばセヌリ党でもいくらでも受け入れ可能だ。 与党でも次期大統領候補にふさわしい人がいないという点で安哲秀招聘論を主張する人々がいる。

 安議員は上の3つの道を断固として拒否した。 セヌリ党と民主党に対しては "敵対的共生関係" と攻撃しつつ "陣営のカーテンを片付けろ" と角を立てた。 チェ・ジャンジブ理事長が挙論する‘労働中心進歩政党’論に対しても "進歩政党を作ろうという訳ではない" と一線を画した。 代わりに彼は「多様な要求が多い社会で、両党共にその要求を受け入れがたい…第3セクター」にある第3党の道を進んでいる。

 だが、安哲秀新党はかつての第3党とは内容的に大きく違う。 チョン・ジュヨンの統一国民党やイ・インジェの国民新党、ムン・グクヒョンの創造韓国党は無党派が基盤であり、嶺南(ヨンナム)と首都圏が中心だった。 これに対し安哲秀勢力の主力は無党派よりは野党圏支持層であり、地域的には湖南(ホナム)だ。 政界全体または、保守既得権層との戦いでなく、野党圏の主導権を巡って民主党と正面対決を行わざるをえない。 このような面で安哲秀新党は盧武鉉前大統領のヨルリンウリ党がスタートする時と境遇が似ている。

 新しい政治の旗を掲げた安議員がヨルリンウリ党のように民主党を完全に敗北させることができるだろうか? 懐疑的だ。 ヨルリンウリ党の時とは違い、今は弾劾逆風のような有利な外部条件がなくて、民主党の内部状況も違う。 かつての民主党は‘ランニング’姿で‘束ねた髪’を掴む旧態の象徴であり打倒の対象だとすれば、現在の民主党は有力な次期大統領候補が硬く布陣しているだけでなく自ら革新を追求している政党だ。 人気がなくとも簡単に崩れはしない。 ややもすれば両側が相当期間両立する可能性が高い。 結局、両側がどれくらい未来指向的で内実ある競争を行うかに野党圏全体の将来がかかっている。

キム・ジョンチョル政治部記者 phillkim@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/590602.html 韓国語原文入力:2013/06/05 19:23
訳J.S(1743字)

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