本文に移動

非難されても "愛しています、お客様" …感情労働者の涙

登録:2013-05-10 23:23 修正:2013-05-11 07:02
10日ソウル市女性家族財団 感情労働討論会
他人に怒りをぶつけてもかまわないと思っている人々がいる。‘お客さんは神様’という言葉は、だから止めなければならない。 ‘勤労者も人’という当然の事実を忘れさせるからだ。 サービス業従事者ならば誰もが体験する、およそ耐え難い感情労働。その中でもこらえ難いのは、お金を投げること、そしてぞんざいな物言い…。‘私にもお前くらいの子供がいる’だと? 私にもあなたくらいの自尊心はある!

"子供が二人いて一人身になった私にできる仕事は殆どありませんでした。食堂の仕事は退勤が遅くなるので、それでテレマーケターの仕事を始めました。 ところが電話というものは、顔が見えないから悪口は基本で、一方的に鬱憤を晴らす場面が多いのです。 私ができることは深呼吸をしながら電話通話が終わるのを待つことだけです。" (テレマーケター K氏)

 "2011年激しい豪雨で嘆願があふれかえりました。 雨水が家に入ってくると言って怒っては‘あんたはいいから、区庁長に代われ!’と言いまくる請願人が多くいました。 悪口は基本ですから。" (ソウル市電話相談員N氏)

 300万感情労働者の苦衷を聞いて解決策を模索する討論会が開かれる。 ソウル市女性家族財団は14日午後3時、ソウル女性プラザ国際会議場で‘女性、労働を語る。 感情労働-愛しています、お客様! 笑ってアザができた私たちの話’という主題で政策討論会を開くと10日明らかにした。

 感情労働とは、俳優が演技をするように顧客の気持ちに合わせて自身の感情を押さえ込まなければならない労働を称する言葉で、電話相談員と乗務員、販売員など対人サービス業種で働く労働者がする仕事だ。 特に女性労働者の場合、就業者全体1千万人の内、314万人(サービス従事者165万人、販売業従事者149万人など)が感情労働者に分類される。 全国3万5千余のコールセンターに従事する89万人の女性相談員(全体100万人余)が代表的だ。 彼女らはありとあらゆる悪口を言われても "愛しています、お客様!" と答えなければならないのが現実だ。 無理に微笑を浮かべなければならないために‘微笑うつ病’を病むケースもある。

 この日の討論会はコールセンターの女性労働者問題を中心に議論が進められ、労働者が直接立って自分たちの話を放つ。 また、女性労働者の精神健康点検、顧客応対マニュアル、顧客によるセクハラ防止問題などが集中討論される。

 討論会では外国の模範事例も紹介される。 ヨーロッパ連合(EU)は2004年コールセンター労働者の労働環境改善のために‘コールセンター労使共同宣言’を発表し、フランスではコールセンターに電話をかければ初めから "職員に対する暴言などを防止するために電話内容が録音される" と知らせる。 日本のソニーは労働者ストレス管理のために会社に精神科医師が常勤する。

 ソウル市女性家族財団は討論会の成果を集めて、女性労働者のための‘顧客応対マニュアル書き直し’に重点を置く方針だと明らかにした。 イ・スクチン ソウル市女性家族財団代表は 「女性勤労者の相当数が感情労働を必要とする低賃金、非正規職業種に従事しているが、自身の人権は死角地帯に置かれている。 彼女たちが真の笑いを取り戻せるようにしなければならない」と話した。

アン・チャンヒョン記者 blue@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/586861.html 韓国語原文入力:2013/05/10 15:10
訳J.S(1355字)

関連記事