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[現場から] 国家情報院事件’に対する詭弁

登録:2013-04-25 00:38 修正:2013-04-25 07:07
チョン・ファンボン記者

‘訪問者順位330位の掲示板に僅かコメント120個余り、これがどうして大統領選挙介入か。’

 国家情報院の大統領選挙介入疑惑に対する検察捜査が始まるやいなや<朝鮮日報>が異例的な1面コラムで国家情報院の肩を持って立ち上がった。 大統領選挙介入が目的だとすれば、国家情報院職員キム・某(29)氏らが主に活動した‘今日のユーモア’ホームページよりはるかに多くのネチズンが集まるポータルなどに、より多くの文を作成するのではないかという話だ。

 事実とも合致せず、常識とも外れた主張だ。 まず‘120’は根拠のない数字だ。 国家情報院職員キム氏らがインターネット空間に上げた文は、今までに把握されたものだけでも400ヶを超えている。 これも‘氷山の一角’に過ぎない. 昨年の大統領選挙直前に警察がキム氏のオフィステルを訪ねて行った時、2日間にわたりドアを閉ざしていたキム氏は中で何の仕事をしていたのだろうか。 キム氏は2日ぶりにドアを開けて出てきて、ノートブックコンピュータなどを警察に提出した。 その間の作業内容を消した可能性が高い。 キム氏が‘今日のユーモア’にあげた文の相当数が削除されていたことが明らかになりもした。

 しかも、キム氏が所属していた国家情報院心理情報局要員は70人余りにもなる。 警察の‘不十分な’捜査網にひっかかった別の国家情報院職員イ・某(39)氏と民間人イ・某(42)氏も国家情報院のキム氏とともに‘作業’していた。 検察捜査過程で、掲示文数は幾何級数的に増える可能性が高く、他の要員の活動内容も追加で明らかにされるかもしれない。

 国家情報院職員が‘330位’の‘今日のユーモア’だけで活動したわけでもない。 中古車売買ホームページである‘宝ものドリーム’とショッピング情報を集めた‘ポムプ’でも活動していた。 今日のユーモア・宝ものドリーム・ポムプなどは特に若者たちが多く訪れるサイトだ。 これらのホームページを選択したことは 「若年層友軍化心理戦強化方案」(2010年7月19日)を強調したウォン・セフン前国家情報院長の‘院長様指示・強調お言葉’に忠実に従ったわけだ。 キム氏らは国内利用者800万人を越えるツイッターにも多くの文を残した。 ‘院長様指示・強調お言葉’の内容を誤字脱字までそのままに書き写したツイッターアカウントも発見された。 「選挙期間、ツイッター・インターネットなど(中略)確実に対応」(2011年11月18日)せよという‘院長様指示・強調お言葉’が全方向で忠実に履行されたわけだ。

 ‘今日のユーモアが従北指向のホームページであるから、そこで北韓のサイバー要員を探す活動をした’という国家情報院の主張も根拠が薄弱だ。 警察による捜査過程で、国家情報院は‘今日のユーモア’が従北指向のホームページだという証拠資料を提出した。 しかし、水西警察署の捜査チーム関係者は「不十分な資料」として失笑を送った。 証拠だとして出したものが、数年前に書かれた5件にならない文だった。

 何よりも国家情報院が大統領選挙期間に‘民心工作’に打って出たことは‘成果’がどうだったかを問い詰める以前に、それ自体が権力の正当性を根元から崩す行為だ。 ようやく成し遂げた韓国の民主主義の後退を防ぐためにも真相を徹底的に明らかにし、厳重に責任を問わなければならないことだ。

チョン・ファンボン記者 bonge@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/584511.html 韓国語原文入力:2013/04/24 22:48
訳J.S(1556字)

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