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「もう耐えられない」自律型私立高校(自私高)全校1位の生徒、メール残して…

登録:2013-04-01 20:55 修正:2013-04-02 06:24
慶北で学校に通い釜山の家に戻って投身
カカオトークに「もうこれ以上は耐えられません」
ハンギョレ資料写真

 中学の成績が上位2%内に入らなければ入学できないと言われている慶北(キョンブク)地域の自律型私立高(訳注:教育課程・学事運営等を自律的に行なうことを認められている高校で、李明博政府の高校多様化プロジェクトにより作られたが、設立目的とは異なり極度に入試教育機関化して社会問題となっている)で全校1位になった高校生が、アパートから飛び降り自ら命を絶った。

 去る25日午後4時37分頃、釜山(プサン)のあるアパートでクォン・某(16・高2)君が墜落して死亡しているのをアパート警備員が発見して警察に通報した。 このアパートは20階建てで屋上にはクォン君の服と履き物、携帯電話がきちんとそろえて置かれていた。 クォン君は身を投げる直前の午後4時34分頃、母親にメールで「私の頭が心臓をかじっています。もうこれ以上は耐えられません。 さようなら。 ごめんなさい」という内容の文を送った。それに先立つ午後3時19分頃、アパートのCCTVにはクォン君が一人でエレベーターでアパートの屋上に上がる姿が写っていた。 クォン君の自宅は隣の棟にある。

 学校および警察関係者の話を総合すれば、クォン君は慶北地域の高校で授業を受け、昼食時間の12時20分頃にカバンを置いたまま学校を抜け出した。 タクシーと市外バスを乗り継いで 釜山の自宅のあるアパートまで行った。 学校の寄宿舎で生活していたクォン君は家に戻った週末の23日には父親と、24日には母親と山登りをした。

 去る22日学校で行なった学校暴力実態調査でクォン君は「学校暴力にあったことはない」と答えた。 相談専門教師がいる学校の相談室で相談したこともなかった。 1年生だった昨年3~5月の情緒行動特性検査でも問題点は発見されなかった。 大学生である兄と共に育ち、普段の口数はちょっと少ない方だったという。

 管轄の教育支援庁教授学習支援課長は「推測だが、自分の席次を守らなければならないという勉強の負担感が作用したのではないか」と話した。 青少年の自殺などを深く観察してきたイム・ソンム天主教 大邱(テグ)の正義平和委員会教育分科長(教師)は「我が国の競争教育に苦しめられている生徒の直接的で圧縮的な遺書と見られる」と語った。

 この学校は2011年度卒業生450余人のうちソウル大30余人、延世(ヨンセ)大30人、高麗(コリョ)大40余人が合格して全国的に指折り数えられる自律型私立高だ。 クォン君は全校席次が10位内に入る成績を維持していた。 昨年の入学時には450余人中150位水準だったが成績が大きく上がり、この13日の模擬試験では2年生人文系で1位になった。 1年生では学級委員、2年に上がってからも副学級委員を務めた。 学校の寄宿舎に入っており、毎月第4週末に2泊3日の日程で釜山の自宅に帰っていたという。 この学校は全校生徒1380余人のうち220人ほどが休みにも寄宿舎に留まって勉強している。

 この学校の教頭は「クォン君は普段、周りにしんどいという様子も見せなかったし、勉強は本当に熱心にやっていた。 学校の友達がみなクォン君の突然の死に大きな衝撃を受けている状態だ」と話した。

 警察では急性うつ病の可能性もあると見ている。しかしクォン君は普段うつ病の症状がなかったし、うつ病の診療や相談を受けたこともなかったという。 2011年12月に学校暴力に苦しめられた大邱(テグ)の中学生(14)が命を絶った後、学校暴力や成績ストレス、家庭問題などで自ら命を絶った中・高生が大邱で14人、慶北地域ではクォン君を含め12人にのぼる。

キム・イルウ記者 cooly@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/580131.html 韓国語原文入力:2013/03/28 19:57
訳A.K(1705字)

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