ファン・ギョアン法務部長官候補者が教会と牧師に税金を賦課する現行法と判決を強く批判するなど、キリスト教に偏向した主張を行ってきたことが明らかになった。 世論とかけ離れたファン候補者のキリスト教偏向性は法務部長官として不適切だという指摘が出ている。
ファン候補者は昨年7月に出した本<教会が知らなければならない法の話>で教会と牧師に対する課税を強力に批判した。 この本でファン候補者は「現行税法が宗教団体に対する課税を最大限自制してはいるものの、唯一不動産登記に対する登録免許税を非課税対象から除外したことは誤った措置であり、これに対する課税特例条項が再び用意されなければならない」と主張した。 また「担任牧師の舎宅とは異なり、副牧師、講道師、伝導師などの舎宅を税金賦課対象だと判決している裁判所の見解は極めて誤ったもの」と評価した。 牧師らが教会から受け取る月給に対して所得税を払わせていることに対しても「一般給与とはその性格が顕著に異なり、その源泉である献金にはすでに信徒が納付した税金が含まれている」として非課税を主張した。
ファン候補者は教会に労働法を適用することに対しても強い反感を示した。 彼は大田(テジョン)のある教会で乳児を教えて解雇された布教院の教師が教会を相手に提起した不当解雇訴訟で教師の手をあげた最高裁判決を紹介して「はなはだ不当な判決」と評価した。 彼は「裁判所判決によれば教会の有給従事者も労組に加入できるという結論になるが、これは経済的利益でなく信仰的価値を追求する教会の特性を見誤ったこと」と指摘した。 教会のような宗教団体では労組を設立できないよう労働法に例外規定を置くべきだというのが彼の考えだ。
キリスト教系が運営する民営刑務所の設立に積極的に参加したことに対しても批判が出ている。 ファン候補者は民営刑務所受託対象者に選ばれた財団法人アガペの理事を務めている。 アガペは2010年12月京畿道(キョンギド)驪州郡(ヨジュグン)に希望刑務所を開所した。 ファン候補者は釜山(プサン)地検東部支庁次長として在職した2004年に財団情報誌<アガペの便り>に寄稿した文で「服役者をキリスト教精神で教化してこそ確実な更生が可能だ」と主張した。
これに対してハ・テフン高麗(コリョ)大法学専門大学院教授は「公権力の最も重要な部分である刑罰権を特定宗教財団に任せることが適切かについて論議がある。 ファン候補者が長官になった以後、キリスト教偏向的な観点で国家の刑罰権を運営することになるならば問題があり得る」と明らかにした。
キム・ソンシク、パク・テウ、ホ・スン記者 kss@hani.co.kr