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「パク・ウォンスンはアカ」 度を越えた従北攻勢…なぜ?

登録:2013-01-24 20:06 修正:2013-01-25 00:00
パク・ウォンスン ソウル市長. ニューシス

パク・ウォンスン ソウル市長が本人の意志とは関係なく、またも“従北論争”の只中に登場した。

 KBSアナウンサー出身であるチョン・ミホン氏は去る19日、自身のツイッターに「(パク・ウォンスン)ソウル市長、(イ・ジェミョン)城南(ソンナム)市長、(キム・ソンファン)蘆原(ノウォン)区庁長 外、従北指向の自治体長を全て記憶しておき来年の地方選挙で必ず退出させなければならない」と書いた。

 チョン氏は続いて「国益に反する行動、憲法に抵触する活動をする者、金日成(キム・イルソン)思想をまき散らし、歪曲された歴史を広めて社会混乱を作リ出す者を全て最高刑で厳罰して、国外追放する法を作るべきだ」と書いた。

 彼女はパク市長などの肩を持つ意見がツイッターに上がってくると今度は「資質の疑われる自治体長と従北指向の自治体長を退出させなければならないと言えば、すぐまた、蜂の群れのように一斉に飛んでくる」として「彼らがどんなことをしているのかよく見もせずに、ただ反対のための反対を…チッチッ」と嘲笑しさえした。

 該当の文は週末にオンライン上で広範囲に広がり、甲論乙駁の対象になった。 特に最も規模の大きい地方自治体の首長であるパク市長の従北如何を巡り、ネチズン間に激しい書き込み合戦が繰り広げられた。

 対北強硬論者として有名なセヌリ党のハ・テギョン議員が20日自身のツイッターに上げた文で「パク・ウォンスンまで従北に追い立てるというのは、従北が何かをよく分かっていないということだ」として「保守陣営でも政治的反対者に対して過度に従北の帽子をかぶせる言動は無くならねばならない」と批判したにもかかわらず、保守ネチズンらの攻勢は続いた。

パク市長にとって、従北論議は珍しいことではない。

 去る2011年のソウル市長補欠選挙当時も、与党からの従北攻勢にずっと苦しめられたことがある。 従北主義と結びつけるほどの特別な履歴がなくて当選の障害物になりはしなかったが、選挙後にも論議は鎮まろうとしなかった。

 <オボイ(父母)連合>など保守市民団体はソウル市庁におしかけ、パク市長を「アカ」と呼び非難を浴びせた。 さらには民間防衛訓練視察中に60代の女性から暴行に遭いもした。 当時その女性はパク市長を殴りつけて「アカがソウル市を亡ぼす」と主張した。

パク市長が当選以来特定理念に偏向しない無色無臭な歩みを見せているためにしばらく弱まっていた従北攻勢は、18代大統領選挙の余波が過ぎた最近になって再開された。

 代表的保守人士であるキム・ドンギル延世(ヨンセ)大名誉教授は去る16日、保守団体の催しに出席して「ソウル市長は愛国歌も歌わず太極旗も掲げないで、大漢門の前で自分たちだけで就任式をやった」と話した後、パク・ウォンスン ソウル市長を指して「狂ったX× 」と非難したと伝えられた。

 ソウル市側が国民儀礼は行なったと直ちに反論したにもかかわらず、論難はオンライン上で事実であるかのように広がっていった。 チョン氏の発言はキム・ドンギル名誉教授の発言と同じ脈絡で膾炙されている。

では、このようにパク市長に対する従北論議が相変わらず再現されている理由は何か。

まず有名人に対する批判を通じて自身の微弱な存在感を浮上させようとするいわゆる“ノイズマーケティング”の一環と見る視線がある。

 パク市長を批判したチョン氏は1995年チョ・スン前民主党ソウル市長候補キャンプに身を置き、ソウル市広報担当官などを務めた。 以後2007年にはムン・グクヒョン候補を中心に結党した創造韓国党の発起人に名を連ねた。

昨年4月の総選挙では、ソウル市草瑞(ソチョ)乙地方区にセヌリ党候補として公認を申請して落とされたという。

 匿名を要請した中道指向の政治評論家A氏は「パク市長が従北ならば従北の概念や内容を明らかにしてこそ話になるのではないか。いきなりチョン氏がそのように言うのは、自分の考えと違えば罵倒するマッカーシズムに他ならない。 保守でもない」と話した。

 彼は続いて「提起する人の立場ではノイズマーケティング次元と見ることができる。(チョン氏としては)一種の政治的行動なのだろうが、望ましい現象ではない。 ファクトがあるなら別だが、SNSのようなところでこのように自分の代理満足のための行為をすべきではない」と批判した。

パク市長の政治的重量感が民主統合党の大統領選挙敗北以後に急増したことと関連付けて解釈する人もいる。

 時事評論家チェ・ジュニョン氏は、パク市長に対する従北攻勢が「大統領選挙敗北以後、民主党を含めて全般的に沈滞している状況で、与党を含む右翼側から、潜在的に次の地方選挙や大統領選挙で野党圏の中心となり得る人物に従北のレッテルを貼り、あらかじめ芽を摘んでしまおう、この際意欲を失わせよう、といった内心の焦りの一端でもある」と解釈した。

 政治評論家B氏は「従北というレッテルは恐らく合理的進歩指向のパク市長が右派に劇的に変身しない限り、剥がすことは難しいだろう」として「こうした従北攻勢は、今後も韓国社会の選挙戦が政策より時代遅れの理念争いに埋没するだろうという不吉な予感を抱かせる」と話した。

 一方パク市長側はこのような従北攻勢に無対応で一貫している。 先にパク市長は公的場所で自身に暴行を働いた60代女性に対しても法的処罰を望まなかった。 イ・ジェミョン城南(ソンナム)市長が虚偽事実流布などを主張して民刑事上の措置を予告したのとは対照的だ。

【ソウル=ニューシス】<著作権者(c) '韓国言論ニュースハブ'ニューシス通信社. 無断転載-再配布禁止.>

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/570539.html 韓国語原文入力:2013/01/21 09:11
訳A.K(2490字)

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