2012年大統領選挙を控えて投票時間の延長が政治争点に浮上した裏面には、世代別投票率差が大きく、大統領選挙結果に大きな影響を及ぼすということが作用している。
投票時間を延長すれば、選挙日にも仕事をする一部中小企業や自営業者、非正規職、日雇い労働者などが選挙をする機会が増え投票率が上がる。 これは若年層の投票率上昇につながる可能性が高い。 60代以上は午前中に投票を多くしておりもともと投票率が高く投票時間を延長したからといって投票率が大きく上がりはしない。
投票率を高めることは参政権拡大という側面で誰も堂々と反対することは難しい。 反対するにしても別の理由を上げるのが普通だ。
文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補と安哲秀(アン・チョルス)無所属候補は参政権拡大を名分として掲げているが、投票率上昇が自己の得票に有利だと見ているのも事実だ。 このような点のために投票時間延長にともなう参政権拡大という本質的側面が選挙の有利不利を計算した政略と映ることを野党圏は警戒している。
反対にセヌリ党がイ・ジョンヒョン公報団長の‘前言変更’論難にもかかわらず投票時間延長に極力反対している理由は投票率が低いことが朴槿恵候補に有利なためだ。 セヌリ党もやはり政略的理由で投票時間延長に反対していると映ることを心配している。
4000万人を越える大統領選挙有権者は年齢帯別に20代(19才を含む) 18.2%、30代20.4%、40代21.9%、50代18.9%、60代以上20.7%だ。 概略20%程度ずつの比重を占める。 今年の大統領選挙でも例外なく低年齢層は投票率が低く高年齢層は投票率が高い‘低々高々’現象が予想される。
2002年大統領選挙での全体投票率は70.8%だったが、20代56.5%、30代67.4%、40代76.3%、50代83.7%、60代以上78.7%で、20~30代と50~60代の投票率は大きな違いが生じた。 投票率54.2%を記録した去る4・11総選挙でも20代41.65%、30代45.45%、40代52.6%、50代62.4%、60代以上68.6%で似た傾向であった。
20~30代の年齢層もその内部を覗いて見れば興味深い特徴がある。 2007年大統領選挙(投票率63.0%)資料を見れば、19才54.2%、20代前半51.1%、20代後半42.9%、30代前半51.3%、30代後半58.0%であった。 投票権を初めて持った19才有権者の投票率が高いのは‘好奇心’で説明できる。 20代前半が20代後半より高いのは軍服務中の男性たちが不在者投票をするためだ。 女性は20代前半と後半でほとんど差がない。
文在寅候補と安哲秀候補の戦略参謀は投票時間延長以外にも投票率を引き上げるための色々な方案を考えて居る。 彼らは20~30代有権者の投票率上昇の条件として3点を挙げる。
第一に、勝てるという自信だ。 盧武鉉候補が勝利した2002年大統領選挙で30代後半有権者の投票率は全体投票率(70.8%)と同じだった。 30代前半は全体投票率より6.5%低かった。 このような格差が2007年には全体投票率に較べそれぞれ4.5%、11.7%低く、差が拡大した。 投票前から若い有権者が自信を失ったためだ。
第二に、若年層に対する候補個人の吸引力だ。 2002年大統領選挙当時の放送会社出口調査結果を見れば、盧武鉉候補は20代59.0%-34.9%、30代59.3%-34.2%でイ・フェチャン候補に圧倒的に勝っていた。 40代では48.1%で47.9%のイ・フェチャン候補に僅かに上回った。 反対に50代では40.1%-57.9%、60代以上では34.9%-63.5%で大きく遅れをとった。 しかし20~30代有権者は2007年大統領選挙でチョン・ドンヨン候補にはそのような支持を送らなかった。
三番目、候補単一化過程がどれくらいすっきりしているかも重要だ。 2002年盧武鉉-チョン・モンジュン候補は科学性が劣る世論調査方式で単一化を行ったが、とにかく予測不能の勝負を展開したし、チョン・モンジュン候補は結果を承服した。 今年の大統領選挙での文在寅-安哲秀候補単一化もこのような感動を与えることができてこそ投票率を引き上げられるということだ。
20~30代有権者の民心を巡り、両候補キャンプの神経戦も熾烈だ。 安候補側は各種データを根拠に安哲秀で候補単一化できてこそ若年層の投票率が上がると展望している。 反面、文候補側は実際に投票すると予想される有権者を相手に調査すれば朴槿恵候補との対決で文在寅候補が有利だと見ている。
ソン・ハンヨン先任記者 shy99@hani.co.kr