■韓国租税負担率 19.8%
OECD平均 25% 大きく下回り低い税負担 恩恵は金持ちの持分 所得不均衡問題‘増税’で解決すべき
ソウル、中浪区(チュンナング)に住むユ・ソンニュル(仮名・69)氏が年間に納める税金(直接税)は概略20万ウォン水準の財産税だけだ。 絶対金額では多く見えないにも関わらず「税金がとても高い」という言葉が口癖になっている。 ユ氏の夫人イ・ヨンスク(仮名・64)氏は「持たざるない人には大きな負担」と話す。 イ氏はデパートの食堂街で1週間に4日アルバイトで仕事をしている。 月間収入が60万ウォン水準なので勤労所得税の納付対象からは除外されている。
夫のユ氏は遅れて申告された戸籍のせいで、昨年から毎月9万4000ウォンの基礎老齢年金を受けている。 2ヶ月分の老齢年金が一年分の財産税に匹敵するがユ氏の目には税金と老齢年金の間の関係がはっきりしない。 「国民年金と健康保険は金を出せばまた戻ってくるじゃない。 雇用保険は2年前だったか祖母が職場を辞めて受け取ったが、税金は返って来る気がしなくて。」
周辺の老人たちも同じような考えだとのことだ。 イ氏は 「税金と言えば、とてもたくさん払ったという話しかしない」と語った。 税金をほとんど出していない低所得層までが‘税金爆弾論’の側に立つ奇異な現象が起きているわけだ。 オ・ゴンホ グローバル政治経済研究所研究室長は「歪曲された認識のせいで税金爆弾が庶民に落ちていると考える」と話した。
相対的に裕福な企業と個人からより多く集めて、所得が低い階層により大きな恩恵が戻るようにするのが税金の基本構造だ。 ユ氏夫妻が初耳だと話した経済民主化が、夫婦の納付税金と深く関連しているのもこのためだ。 経済民主化を規定した憲法にもこのような内容がきちんと含まれている。 憲法119条2項には、国家の役割の中の一つとして "適正な所得の分配を維持" しろと明示している。 これは市場でたとえ公正な競争がなされるにしても、その結果として所得がごく少数に集中することがありうるためだ。 このような所得分配の不均衡を解消できる再分配手段が皮肉なことにユ氏がそれほど不満を抱いている税金だ。
我が国ではまだ税金の再分配機能がとても微弱なのが現実だ。 ユ氏が老齢年金の恩恵を受けながらも、依然として税金を 「返してもらえないお金」として認識しているのも、このような影響が大きい。 我が国の‘租税と以前の支出(失業手当など)’による所得の不平等(ジニ係数基準)緩和の程度は2008年8.4%で、経済協力開発機構(OECD)加入国平均(31.3%)の約4分の1に過ぎなかった。
このような低い所得再分配効果は税金を少なく集めて少く戻す構造から始まっている。 ユ氏が2010年までの8年間ある企業体研修院で清掃の仕事をして月100万ウォン、夫人イ氏が食堂でアルバイトに切り替える前に終日制で月120万ウォンずつ稼いでいたときも夫婦は所得税を出した記憶が全くない。 ユ氏夫妻のように月給を受け取りながらも、税金を一銭も出さない階層は勤労者全体の40%に達する。 これは米国・日本・カナダなどの20%内外に比べれば高い数値だ。
ユ氏夫妻より状態が良い中産層はどうだろうか? 食品加工メーカー幹部であるリュ・某(41)氏はソウル、江北(カンブク)に約100㎡の中型アパートを持っている。 昨年の給与総額5456万ウォンから2.3%に当たる125万ウォンを勤労所得税として出した彼は「率直に言って税金が高いとは思わない」と話した。
低い税負担の最も大きな恩恵を享受するのは金持ちだ。 我が国で租税が所得不平等をほとんど改善させられないのも、結局は金持ちが出す税金の持分が他の国々に比べて相対的に少ないためだ。 2010年勤労所得者の中で上位10%は平均所得が1億300万ウォンに達するが、所得の11.1%を税金として出した。
グローバル税金専門諮問業者であるKPMGの調査によれば、昨年基準で米貨10万ドル(約1億1140万ウォン)の所得を上げる我が国勤労者の実効税率(所得税/所得)は14.6%で、経済協力開発機構会員国平均の半分にとどまった。 さらに大きな問題は高い税率を適用される金持ちがとても少ないということだ。 最高税率(38%)対象者は勤労所得者1430万人の中で3万余人だけだ。
このように税金を出す人も少なく、その上に出す人も少なく出す構造は低い租税負担率(租税/国内総生産)に現れる。 我が国の租税負担率は19.8%で、経済協力開発機構会員国平均である約25%より大幅に低い。 現政権になって減税により租税負担率は以前の政府の時より低くなった。 李明博大統領は減税を推進するに際し「減税恩恵の70%が庶民に戻る」と言って減税の正当性を擁護したが、ホン・ジョンハク民主統合党議員は最近「去る4年間に約64兆ウォンに達する減税恩恵の60%以上が大企業と金持ちに占められた」と話した。
特に大企業の恩恵が大きかった。 ‘貧しい個人、金持ち企業’という話が出る程、私たちの社会の富が三星(サムスン)電子や現代車など少数財閥に集中している状況だが、これらの税負担は低い。 三星電子が2010年に15兆ウォンの純利益を上げたが、この内約11.9%だけを税金として出した。
カン・ビョング仁荷(インハ)大教授(参与連帯租税財政改革センター長)は「これは地方税を含む法人税最高税率(24.2%)はもちろん‘最低限税率’(控除・減免を受けても最小限出さなければならない税率) 14%にも達し得ない」と話した。 我が国の企業らが国民年金など社会保障寄与金を含めて実際に負担している‘実効税率’はOECD平均の70%水準に過ぎない。
ユ氏夫妻は貧しい暮らしに今出す税金が惜しいと言いながらも、金持ちもより多く出すならば‘増税’を厭わないと言った。 夫人イ氏は「持てる人がより多く出すならば、私たちもより多く出す用意がある」と話した。 もちろん税金を‘福祉’で返してもらうという前提からだ。 リュ・イグン記者 ryuyigeun@hani.co.kr
原文入力:2012/10/11 20:35(2956字)
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/555431.html 訳J.S