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安哲秀・大統領選立候補表明文

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/552386.html原文入力:2012/09/19 15:11
安哲秀(アン・チョルス)、9月19日の立候補表明の全文  こんにちは、アン・チョルスです。
 私は7月末に申し上げた通り、国民の意見を聞こうと多くの方々に会いました。
 その間、私はおもしろいニックネームもいただきましたし、また、最近では私を素材にしたジョークも流行したですよね。
 これまで私の答を待ち望まれた皆さんの愛情と考えて、それもまた重く受け止めていただきます。
  ...。
 企業家と教授の生活を送ってきた私としては、国家経営の重大な責任を負う決心に至るまで本当に多くの考慮をしないわけにはいきませんでした。
 私はこの間に春川(チュンチョン)で会ったお年寄り、希望退職を迫られた中年の一家のあるじ、30歳代の双子のママのような多くの隣人たちにお目にかかったし、各分野の豊富な経験と知性と専門性を持った方々にも会いました。
 できる限り静かに傾聴し、耳を傾けました。
 どなたも苦労されていない方はいませんでした。
 中産階級は崩壊し、低所得層はひどく痛みを受けていました。
 けれども、それほど苦しく疲れる暮らしの中にあっても皆さん常に希望を見出しておられました。
 自分自身よりも、自分たちの子供たちの未来のために、我慢して耐え、自分を犠牲にして身をつくす準備ができています。
 私が元気を与えるのではなく、かえって私がその方々から力と勇気いただきました。
 皆さんありがとうございます。
 皆さんが私にとっての師匠です。
 その方々が私の背中を押してくれました。
 その方々が口をそろえて私に話されたことがあります。
  「政治がこんなではいけない」というものです。
  「問題を解決すべき政治が問題を作り出している」 と話されました。
  「国民の暮しを顧みず、国民を分裂させ、無視し、自分たちで争ってばかりいる政治に、失望し、絶望した」と話されました。
 また、一度も政治に足を踏み入れたことのない私が‘うまく出来るだろうか’と悩んだ際、多くの方々がなぜ私を支持してくれるのか説明してくださいました。
  「もう、少し政治を変えてみよう、新しく出直そう」 という意味のものです。
 けれども、私は自分の力量について悩みました。
 国家のリーダーという地位は絶対に一個人が光栄として望むものではなく、そうあってもならないと考えます。
 私には当選の可能性よりもうまくやり遂げられるかが重要でした。
 そのため自らに繰り返し質問し、対話を通じて答えを得ようと努力しました。
 私は今、自分自身、自らに問うた答を出そうと思います。
 これまで国民は、私を通じて政治刷新に対する熱意を表しました。
 私はもう今、18代大統領選挙に出馬することによってその熱意を実行する者になろうと思います。
 私に与えられた、時代の宿題をやり遂げようと思います。
 私はまず政治改革は選挙の過程から始めるべきと考えます。
 国民の半数を敵に回して、統合を叫ぶのは偽善です。
 選挙の過程で不当で低俗な中傷や泥仕合を続ければ、お互いを憎しみ、支持者たちを分断させ、はてには国民を分裂させます。
 そのようにして選挙が終れば、選挙で勝っても国民の半分からしか信頼してもらえません。
 これからもこうしたことが続けられるなら、今後の5年間も分裂と憎しみの時間を過ごすほかないでしょう。誰が大統領になっても、統合と社会問題解決は遥かかなたのことでしょう。
 だからこそ私から、選挙の過程から刷新を約束させてもらいます。
 私は選挙の過程でどんな困難と誘惑があっても中傷のような古ぼけた政治はしません。
 そしてどんな結果になっても私を支持する方々がその結果を尊重して一緒に祝えるように努めます。
 朴槿恵(パク・クネ)候補と文在寅(ムン・ジェイン)候補に提案します。
 全員で一堂に集まって、国民を証人として善意の政策論争をすることを約束してはどうでしょうか?。そして合わせて、選挙で勝った人は他の候補たちの話に耳を傾け、負けた人はきっぱり結果に承服してより良い私たちの未来を作るために協力することも約束すればどうでしょうか?
 そうしてこそ分裂と憎しみの政治を乗り越えて私たちの未来のためのエネルギーに変えていくことができるでしょう。
 どなたが当選しても国民のためにならば、助け合うことができ、また、まとまり合える統合の出発点になりえます。
 そのような政策対決の中で私がもし当選したなら、他の候補たちにより良い政策があれば受け入れ、また耳を傾けるでしょう。
 これがまさに国民が願う、加算の政治、統合の政治だと私は考えます。
 多くの方々が政治経験もないのに実際に大統領になってどんなことをするかと心配をされています。
 政治という険しいところに入って、無意味に満身瘡痍にならないようにとも話されました。
 今この席にもそのような考えを持った方々がおられるでしょう。
 私は政治経験だけでなく、組織もなく、派閥もありませんが、それゆえに借りもありません。政治経験の代わりに国民から聞かせて頂いた話を大切に携えて進みます。
 組織と派閥の代わりに国のために努めるすべての方々と共に歩みます。
 借りがない代わりに、公職を戦利品として分け配ることだけは決してしないでしょう。
 実際、大統領一人の力で5年ばかりですべての問題を解決することはできません。
 しかし大韓民国はすでに賢明な国民と多くの専門家たちが要所要所で各自が役割を果たす大きなシステムを作り上げています。
その中にすでに答があります。
今、大韓民国は古い体制と未来の価値観がぶつかり合っています。
 今や古い水の流れを新しい未来に向かって変えなければなりません。
 国民の民意を反映できない政治システム、貧富の差が激しくなって働き口を創出できない経済システム、階層間の移動が遮断された社会システム、公正な機会が与えられない既得権過保護の構造、知識産業時代に逆行する古い方式の意志決定構造、これらのようなものでは未来を開くことはできません。
 これ以上このままではだめです。
 国民はもう政治から変えなければならないと言っています。
 今後5年間、誰が大統領になっても非常に難しい状況が展開されるでしょう。
 国内の家計負債と不動産問題が本当に深刻です。 世界的な長期不況まで重なって一度に危機的状況が差しせまってくる可能性が高いです。
 このような状況下で私が一人ですべての問題を解決して世の中を変えることができるとは思いません。
 私も懸命に生きようと努力したのに力不足で失敗もし、欠点もたくさんある人間であるためです。
 けれども賢明な国民と専門家たちの中から答を得て、知恵を集めれば、それでも最小限の水の流れを変えることができると考えます。
 危機の時代に力を合わせて共に困難を解決できると考えます。
 政治が変わってこそ私たちの人生を変えることができます。
 新しい政治になってこそ市民生活中心の経済になります。
 大韓民国は新しい経済モデルが必要です。
 今議論されている経済民主化と福祉は、成長力と結合する経済革新を作るべきです。
 平和体制はやはり安保とバランスをとったときに実現可能です。
 私の政策ビジョンと構想の具体的内容は今後選挙の過程で申し上げます。
 私は今回、選挙の過程から国民の考えが一つにまとまる第一歩が始まるとなによりです。
 今回の選挙を通じて新しい変化を望む国民の心が一つにまとまればいいです。
 私は世の中を動かすのは真心だと考えます。
 真心の政治をします。
 その過程で私に向かってくる攻撃や非難は怖くありません。克服します。
 より良い未来を作るために戦うべきだとすれば正々堂々と戦うでしょう。
 人の善意が最も強い力になりえるということを国民の皆さんと共に証明しようとします。
 私がたくさんの話を聞かせていただき、そして多くの支持を送って下さった国民の皆さん、私と共になって下さい。
 それでこそ政治が変わり、政治が変わってこそ私たちの暮らしが変わります。
 変化の鍵はまさに国民の皆様にあります。
 国民が選択する新しい変化が始まります。
 最後に私が好きな作家、ウィリアム・ギブソンの言葉を一つ紹介させてもらいたいです。
 「未来はすでにやって来ている。ただ行きわたっていないだけだ」。そうです。未来は今私たちの目の前にあります。
 ありがとうございます。
原文: 訳T.W