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外注ガードマンが投げた鉄塊に当たり歯が陥没…警察は見ているだけ

原文入力:2012/07/30 08:04(2029字)

←私設警備業者‘コンテクタス’職員が29日、京畿道(キョンギド)安山(アンサン)、半月工業団地の自動車部品メーカーSJM安山工場で労組員の進入を阻み、日雇い労働者を出入りさせている。 これらガードマンは去る27日未明、この工場で無差別暴力を振るい会社から労組員を追い出し物議をかもしている。 リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

SJM安山工場‘外注警備の暴力’実態

鎮圧棒・盾で武装した200人余り、金属部品・消火器を投げて進入
唇裂けて歯が陥没…組合員11人 骨折などで34人が負傷
警察 "警備業者 許可取消を検討"

 去る27日未明、京畿道(キョンギド)安山市(アンサンシ)、檀園区(ダンウォンク)、半月工業団地にある自動車部品業者SJM安山工場に私設警備業者職員が進入して無差別暴力を振るった時(△万都・SJM,奇襲 労組弾圧…職場閉鎖・外注ガードマン数百人を投入<ハンギョレ> 28日付7面),これを見守った警察が手をこまぬいていたことが明らかになった。

 SJM労組組合員および目撃者の証言を総合すれば、労働者150人余りが座り込み中の工場に進入した警備業者コンテクタス職員200人余りは工場にあった尖った金属部品と消火器などを組合員に投げつけ無差別に鎮圧棒を振り回した。 これによって少なくとも11人が骨折などの重傷を負い、34人が大小の負傷を負った。 現行警備業法上、警備業者職員は警備業務の範囲を抜け出して威力を誇示したり物理力を行使してはならない。

 この日午前4時30分頃、コンテクタス職員は「進撃、進撃」、「突入、突入」と叫びながら工場正門に押しかけた。 私設警備員らはヘルメットと盾、長さ1m程度の鎮圧棒などを装備していた。 警備員が使う装具について現行法は‘警笛・警棒および噴射機などを携帯できる’と決めているだけで、規格などを具体的に明らかにしてはいない。 法令の粗雑さを悪用して民間企業職員がデモ鎮圧に出る警察特攻隊水準の武装をしたわけだ。

 また、労組員は「コンテクタス職員が顔を隠すためにマスクを使っていた」と証言した。 これは去る2006年、警察庁長官名義の‘警備業者監督命令’に違反したもので、警備業許可取消事案に該当する。 コンテクタスは事件の前日である26日、警察に‘警察の監督命令を遵守する’という覚書まで提出した状態であった。

 コンテクタス職員はヘルメット・盾・鎮圧棒の他にも工場にあった各種物品で労組員を暴行した。 消火器をばらまき労組員の視野を遮り、刃のように尖った部品を投げた。 この過程で労組員チョ・ドンジュ(45)氏は警備職員が投げた鉄塊が鼻の下に当たり、唇が裂け歯が陥没する重傷を負い縫合手術を受けた。 また、労組員ハン・ジョンノク(49)氏は警備員が投げた消火器が頭に当たり重傷を負った。 「入ってくれば殺してやる」、「刃物で腹に穴をあけてやる」等の暴言も浴びせたと労組員は証言した。 私設警備員に追われた労組員の中には女性たちもいた。

 警察はこの日午前5時30分頃、警察機動隊3個中隊を工場正門前に配置したが、工場内で起きた警備職員の不法暴行を制止することも、彼らを現行犯逮捕することもなかった。 2階の窓から飛び降りて脚を骨折する重傷を負った労組員チョン・ヨンシク(46)氏は 「逃げなければ殴り殺されそうで飛び降りたが、倒れた状態で警察に助けてほしいと要請したのに見ているだけだった」と怒りを爆発させた。

 警察は昨年9月、忠南(チュンナム)、牙山(アサン)の柳成企業で起きた外注警備業者暴力事故に対すして世論が沸き立つや△外注警備業者の暴力行使事前遮断△暴力事件当事者無条件逮捕△衝突を防ぐための‘緩衝地帯’確保などの対策を出した。 しかしこの日、現場ではこのうちのどれもなされなかった。 さらに事態が最終局面に入ったこの日午前6時20分頃にも 「女性組合員を工場外に追い出した警備員が女性組合員のほおを殴りもした」という証言まで出てきている。 警察投入以後にも外注警備職員の不法暴力行使に手をこまぬいていたと見られる内容だ。

 安山檀園警察署は29日、警備会社の現場責任者5~6人を呼び、暴力を振るった経緯などについて集中調査を行ったが、コンテクタス職員はSJM安山工場を占拠し‘警備業務’を継続している状態だ。 事案の深刻性が大きくなると、警察は該当警備業者に対して「許可取消を検討する」と明らかにした。

イ・ジョングク記者、安山/キム・キソン、キム・ジフン記者 jglee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/544744.html 訳J.S