原文入力:2012/06/14 19:21(2549字)
←国会前 不良捜査糾弾 イ・ヘチャン代表など民主統合党指導部と議員らが14日国会本館前で検察の民間人不法査察捜査結果を批判して‘不良捜査糾弾大会’を開いている。 シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr
上層部ラインを明らかにできなかった不法査察再捜査
検事・弁護士が見た‘検察不良捜査’
ソウル、内谷洞(ネゴクトン)私邸用地安値買い入れ事件に対して、検察は「将来の開発収益を李明博大統領一家に分けたことについて処罰はできない」と明らかにした。 民間人査察事件では、公職倫理支援官室文書でも李明博大統領に対する秘密ライン報告を明らかにしているけれど‘大統領は関連がない’と結論を出した。 李大統領に関連した敏感な事件について納得し難い捜査結果が相次いでいる。 エリートを自負する検事たちが‘いったいなぜ?’こういう残念な成績表を出しているのか、現職検事と検察出身弁護士に尋ねた。
政権任期末に及んでも依然として検察が権力に屈辱的な姿を示すのは、李大統領が人事権を利用して検察を依然掌握しているためだとの分析が多かった。 部長検事になっても1年ごとに職務異動があって、人事ほど公務員を簡単に飼い慣らせる手段もない。 検察の人事権者は大統領で、法務部長官は提案権を持つ。 大統領府の参謀である民政首席は検察の人事過程で大統領のそばで少なからぬ影響力を行使する。 李大統領は執権するやいなや大邱(テグ)・慶北(キョンブク)と高麗(コリョ)大出身検察ラインを前面に配置し側近体制を構築した。
また、政権の好みに合う‘請負捜査’を拒まずに忠実に遂行した検事たちには良い職務で報償した。 政府に批判的な‘PD手帳’ディレクターらとインターネット論客‘ミネルバ’、<韓国放送>チョン・ヨンジュ社長が起訴され、捜査の先頭に立った検事は全員栄転した。 ある検事は一言で言って「法治主義の概念がない政権では検察捜査は振り回されざるを得ない」と話した。
MB 人事権を武器に親政体制
‘大統領府から直行’クォン・ジェジン 影響力 大
内部でも "前もって退くべき…"
覇気のある検事たち 絶滅危機に
側近でなく大統領は 捜査‘負担’
"特殊庁の新設など権限を分けるべき"
大邱(テグ)・慶北(キョンブク)出身の法務部長官と大統領府民政首席は李大統領が検察を代理統治する2本の軸だった。 政権の序盤期にはキム・ギョンハン法務部長官が、政権中盤にはクォン・ジェジン民政首席がその役割を担当した。 憲政史上初めて民政首席から直接法務部長官に栄転したクォン長官の途方もない影響力を否認する検事はいない。 ある検事は「クォン長官が前もって辞任して検察の負担を減らすべきだった」と話した。
←李明博大統領が14日午前ソウル、瑞草区(ソチョグ)、廉谷洞(ヨムゴクトン)のKOTRAで開かれた創立50周年記念式で記念演説を終えて席へ向かっている。 大統領府カメラマン団
結局、人事権者である大統領と長官の顔色を伺わざるを得ない検事たちの‘出世欲’を指摘する声が出てきた。 検察のある中堅幹部は 「人事権者は大統領で、今回の総選挙結果を見れば政権再創出の可能性が高まった状況で、出世を望むなら彼らの意向に反する捜査結果は出しにくいのではないか」として「今回の政権最後の人事で良い職務を得なければならないと考える検事たちが多い」と話した。
職を賭けて捜査に臨むという肝っ玉のある検事が消えた現実に対する批判もある。 部長検事出身のある弁護士は「検事が捜査する時、人事権者の影響力を受けなかったことは一度もなかった」として「それを限界だと言うならば検察はみはや捜査をしてはならない」と話した。 ソウルに勤めるある部長検事は 「人事が政治論理で振り回された結果、‘職を賭けて’捜査に臨むという肝っ玉のある検事はみな去ってしまって、悪貨が良貨を駆逐する状況になった」として「最も重要なことは検事の捜査意志であり、捜査検事の意志により事件が虎にもなり猫にもなる」と話した。
現職にある時、不法論難を起こす李明博大統領の‘特殊性’に検察捜査の屈折原因を求める分析もある。 検事出身であるクム・デソプ弁護士は「以前の政権でも検察が任期末の大統領側近捜査は苛酷にしてきたが、内谷洞(ネゴクトン)事件や民間人査察事件は全て李明博大統領が直接関連している事件」とし「息子のイ・シヒョン氏やチョン・ジョンキル前秘書室長などを召還調査すれば事件が李大統領へ直接連結されるためにそれを切ろうとして調査を出来なかったものと伺える」と語った。 現職大統領の不正の前で人事権者に対する捜査を検察がためらっているという話だ。
官封札束5000万ウォンの出処として疑いを受けたチャン・ソンミョン大統領府公職規律秘書官に対する押収捜索がなかったという批判に対して「権力官庁を押収捜索すればどうなるか。何らか確実なのもなしに大統領府を検察が押収捜索することになれば、それ自体で国の姿がどうなるか」という検察幹部の話からは、現職大統領と大統領府を手にあまるものとする検察の限界が感じられる。
検察のこのような胎生的な限界を克服するためには、肥大化した権限を分散しなければならないという提案がある。 ソウルに勤めるある部長検事は 「高位公職者不正捜査処や特別捜査庁を作って検事の起訴独占権限を分けて互いに競争するようにしなければならない」と話した。 クム・デソプ弁護士は 「直接捜査は警察が行うようにして、それを検察が指揮する方式で互いに責任を分ければ捜査が歪曲されるケースが減ることになるだろう」とし「大統領府が‘ここさえ押さえれば良い’という方式で統制できる今の制度を変えなければならない」と話した。 キム・テギュ、キム・ジョンピル、ファン・チュンファ記者 dokbul@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/537809.html 訳J.S