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「アン・チョルスに共同政府提案は時期尚早」

原文入力:2012.05.21 23:26(5278字)

キム・ドゥグァン慶尚南道知事のインタビュー

 キム・ドゥグァン慶南(キョンナム)道知事は「基本的に国政というものは理想と現実を調和させることができる人がやること」として「国政運営、政治、党をあまねく知り、民心をいつも読めなくてはならない」と話した。 キム知事は21日<ハンギョレ>とのインタビューで「大統領選候補に出ようという理由は何か」という質問に、「私は庶民なので庶民のための政治でなく庶民政治ができる」としてこのように答えた。

 大統領選候補出馬については「道民の70%程度が反対のようだし、地域の市民団体も反対意見の方が多くて悩んでいます」として「しかしイ・ミョンバクを継承するパク・クネ政治勢力に国の運命を任せるわけにはいかないのであり、絶体絶命の課題である大統領選勝利のために競争力のある候補が出なければならないという要求もある」と話した。 彼は「6月中旬まで市や道の歴訪を終えて世論の取りまとめを経た後、民主道政協議会を通じて7月中旬頃出馬の有無を明らかにするつもりだ」と話した。 インタビューはこの日午前、慶南(キョンナム)道庁知事執務室で1時間30分行なわれた。

「道民の70%程が反対だが
セヌリ党に政権任せるわけにはいかない
7月中旬大統領選出馬明らかにする」

-市道歴訪中だが何をする場か?

=草の根自治である住民密着行政が重要だ。 市郡を訪問して、そこの懸案を聞き道政についても説明する。 以前は道政を一方的に注入する方式だったが今は双方向のコミュニケーションだ。 格好をつけるために行くのでなく叩かれに行くのだ。

-慶南(キョンナム)知事として2年間仕事をした。 自ら評価するならば?

=洛東江(ナクトンガン)事業(訳注:4大河川事業の一部)は中央政府と事業目的および哲学が違っていた。 洛東江事業に積極的に協力しないことが成果だと言ったらどう思われるか分からないが、そんな面がある。また、18の市郡で特色ある事業を選定すれば道で200億ウォンを支援して市郡がマッチングして400億ウォン規模で運営するモザイク プロジェクトというのがある。 4年にかけて3600億ウォンになる。 首都圏と地方の均衡発展が重要だが、道内の地域発展も重要だ。 後れた地域に予算をもう少したくさん支援する地域均衡発展特別会計と条例を作った。 地方自治にも行政の継承文化が定着しなければならない。 キム・テホ前知事がロボットランド事業の骨組みを組んでおいたのを本格的に始めた。 南海岸プロジェクトという李舜臣(イ・スンシン) プロジェクトと連結されるその事業も、整理すべきことは整理し、継承すべきことは継承して着実に進めている。

-共同地方政府の運営はうまくいっているか?

=民主道政協議会という代議機構があり執行機構としては政務副知事と政務特補がいる。 労働界が推薦した人も入っている。 形式と内容においてまだ初歩ではあるが、共同地方政府を構成するのに努力している。

-秘訣は何か?

=1995年に最年少で南海郡(ナムヘグン)の郡守になった時、郡の議員10人がみな民自党だった。 道議員2人も民自党、国会議員はパク・ヒテ前議長だった。 道知事は民自党キム・ヒョッキュ知事だった。 7年間、無所属で郡守をしながら議会と対話し妥協点を見つけた経験をうまく生かした。 そのようなノウハウが蓄積されていた。 知事になってから、お年寄りの入れ歯支援事業や親環境無償給食のために議会と衝突が多かったが、訪ねて行っては説明して紆余曲折の末にうまく問題を解いてきている。 実際私は議会主義者なのに議会には縁がなかった。 国会議員選挙に3度出てみな落選した。 しかし行政を総括する執行部をしばしば引き受けることになったし、それがまた体質に合っているようだ。

-4・11国会議員選挙において野党勢力は、慶南(キョンナム)でかろうじて一議席を確保した。 振るわなかった理由は?

=直接選挙運動ができないという制約があるが、慶南で一議席しか取れなかったことについて私なりに反省もして集まりに行っていつも申し訳ないと話している。民主党の責任が大きい。 改革的な公認ができなかったし、非正規職、半額授業料、普遍的福祉など民生問題をイシュー化することができなかった。 党名を変えてそっくり変化したように見せたセヌリ党に主導権を取られてしまった。 そこへもってきて労働密集地域である昌原(チャンウォン)と巨済(コジェ)で統合進歩党と進歩新党が単一化できなかった。

-大統領選出馬はいつどのように公式化するつもりか?

=7月1日に出馬宣言をすると(ハンギョレが)記事を大きく書いたため、知名度がものすごく上がった。 ところがいい加減な人間になってしまった。 まだ決めていない。 慶南道は私にとって特別なところだ。 道知事に選んでもらったし、民主道政協議会もよく後押しして下さった。 大統領候補に出るには道民の了解を得なければならないのだが、まだ道民は「道政の仕上げをちゃんとしてほしい」という意見の方が多い。70%程だ。 地域の市民社会団体も反対の立場が多い。 知事職を辞めればセヌリ党の手に渡るという憂慮もある。 慶南知事をやると言って出馬したのは4年間道政をするという約束だった。 約束は信義に関する重要な部分だ。 しかし大統領選出馬は歴史と国民に奉仕するということだ。 民主進歩陣営としてはもはやセヌリ党では駄目だと見ている。 基本的にパク・クネがイ・ミョンバクと一線を画しているといってもイ・ミョンバクを継承する政治勢力だと規定している。 これ以上そのような勢力に国の運命を任せるわけにはいかないという考えのために大統領選勝利は絶体絶命の課題だ。 そのような次元で競争力のありそうな候補が出てこなければならないという要求もある。 悩みが多い。

-最終決定はいつするつもりか?

=いつと日を決めることはできないが、7月中旬ぐらいになるだろうか? よく分からない。 結論を出すことになれば共同地方政府の枠組みである民主道政協議会を通じて決心を一番先に明らかにしなければならないと思う。

-大統領選候補に出るならば「なぜキム・ドゥグァンなのか」が最も重要なはずだが?

=基本的に国政は理想と現実を調和させられる人間がやることだ。 そのような面から見れば政府の国政運営もよく分かり政治を知っていなければならない。 国政運営の核心は党と政府が共同で国政に責任をもち共同で評価される党政一体だ。 党は民心の海に浮いている。 大統領府と政府は若干宙に浮いている。 国民の中でなくて。 政府の国政運営も重要だが政治と党をよく分かっていなければならない。 民心をいつも読める人でなければならない。 庶民のための政治でなく、庶民政治をしなければならない。 私は政治的な地位を除けば庶民だ。 そのような側面でいい政治ができる。

国政運営、政治、党をよく知っていなくては
庶民のための政治でなく本当の庶民政治をすべき

-党をよく知っているか?

=道本部の委員長もやったし最高委員もやった。 国務委員、行政自治部長官、大統領政務特補も務めた。 中央と地方を同時によく知っている政治家だと考える。

-大統領選では予備走者の世論調査で支持率が非常に低く出ているが?

=何と言っても地方で行政をしているためだ。 慶南知事をそれでも大統領選の候補群に入れてくれるだけでも有難い。 強力にやれという注文をたくさん受けるが、私は慶南道政を一歩一歩進めていく方が重要だと考える。 告白すれば私の力量不足もある。 まだ国民の視線からは現実政治家と見えないかもしれない。

-親ノ・ムヒョン人士と分類されることに対して同意するか?

=親ノ ファミリーの概念では当っていない。 7年間無所属最年少の地方自治体長を務めた後に、2002年にノ・ムヒョン前大統領と縁を結んだ。 無所属で慶南知事に出馬しようとしたが、新千年民主党候補であるノ・ムヒョン前大統領の勧めで民主党候補として出馬した。 したがってファミリーではない。 しかしノ・ムヒョン精神の価値を継ぐという面では“汎親ノ”だ。 地方分権と関連しては私が一番現場で熱心に実践している。

-リトル ノ・ムヒョンというニックネームを持っているが、好きなニックネームか?

=とても光栄だ。 一方では負担も感じる。 なにしろ大きな足跡を残した政治家ではないか。

-イ・ヘチャン前総理とパク・チウォン院内代表が連帯したが、どう評価するか?

=蔚山(ウルサン)の結果を見ると、党員代議員たちが“イ-パク連帯”に同意しないようだ。

-釜山(プサン)はどうだろうか?

=親ノが強いが圧倒的ではないようだ。

-26日に慶南大会をするが、誰に投票するようにと代議員たちに話したか?

=全くしていない。

-民主党の実力が足りないのではないか?

=そのような指摘もあるが、民主党が準備をたくさんしたと思う。 市道知事の中で9人が民主党所属だ。 市長郡守も多い。 国民の政府(キム・テジュン政府)と参与政府(ノ・ムヒョン政府)の10年間に国政に参加した多くの人々の中で自己省察をして発展した人がいると見る。 国民の非常に気に入るとは言えないけれども執権すれば授権能力を見せることができるものを党で少しずつ準備していると思う。 重要なのは大統領選候補だ。 選出過程で自分のコンテンツを持って熾烈な政策競争をして検証された候補が走者になり、その上で、国民の愛情と支持を受けているアン・チョルス教授とか、そうした方々とも野党勢力連帯というか最終的に野党勢力候補一本化. 政策とコンテンツのない一本化でなく、内容ある一本化を通じて授権能力を備えることができると見る。

激しいコンテンツ競争を通して
党で検証された大統領選候補を出してから
アン・チョルス教授と政策中心の連帯を

-統合進歩党と野党勢力連帯をすべきだと見るか?

=悩みが多い。 政治は国民の目の高さが大変重要だ。 国民の目の高さに合うように統合進歩党が革新と変化を通じて国民の愛を再び受けられる政党に生まれ変わったら良いと思う。 疎外階層や経済的社会的弱者の権益のために進歩政党が果たしてきた役割が非常に大きい。 再び大きな役割を担ってほしいと思う。

-いわゆる従北論議についてどんな考えを持っているか?

=本人たちが否認しているのに、何か言う訳にはいかない。

-アン・チョルス院長と連帯が必要だと考えるか?

=今の時代の若者たちに多くの希望のメッセージを投げかける方だ。 政治参加をするか否かを別にして、より良い方向に導く指導者の一人だ. こうした方々が政治に参加して国政を共に論じ希望を与えるのは良いことだ。 連帯には原則的に共感するが、アン・チョルス教授と連帯協力するためには民主党がもう少し重心をとらなければならないと考える。 人物連帯でない政策連帯をしなければならない。 ムン・ジェイン常任顧問が提案した共同政府論についてかなり肯定的に見ながらも、残念なのはアン・チョルス教授がまだ政策やビジョンを出していないということだ。 そのような面で時期尚早という批判がある。

-キム・デジュン、ノ・ムヒョン政府で社会の両極化が深刻化した。 何が間違っていたのか?

=IMF危機克服過程で新自由主義方式により経済政策を進めた結果、そうなった。 二つの政府が国民に申し訳ないと考えて反省しなければならない部分だと見る。 これ以上、財閥独占、不公正、談合、こういったものを容認しては未来がない。 民主政府10年の功罪のうち、このような部分を克服することが次期政府の課題だと考える。

-最後にパク・クネ大勢論についてどう思うか?

=総選挙で多数党になったし韓国社会を動かす既得権の強力な支持基盤もあって、本人が5年前から大いに準備した候補者だ。 最も強力な候補だと思う。 民主進歩陣営から出ている候補で、勝てる自信のある人はいないと思う。 党が自らの役割をちゃんとして良い候補を作り出し、民主進歩陣営が大きく大きくまとまって行くべきではないかと思う。 パク・クネ前代表の言論観などを見ると、我々の未来が1970年代に再び戻るわけにはいかないと考える。

インタビュー/ソン・ハンヨン先任記者、ソン・チェ・ギョンファ記者 shy99@hani.co.kr
写真/シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/533860.html 訳A.K