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"任用試験ももう駄目だ" "就職時に不利益" 進歩党員は恐慌状態

原文入力:2012/05/23 22:20(2400字)

←比例代表の辞退を訴えるカン・キガプ  カン・キガプ統合進歩党革新非常対策委員長が23日午前、国会議政支援館で開かれた非常対策委員会議で考えに沈んでいる。 カン委員長は冒頭発言を通じて検察の党員名簿押収を野党圏連帯と政権交替を阻もうとする政治介入と規定して、競選名簿比例代表14人の辞退を訴えた。 イ・ジョンウ先任記者 woo@hani.co.kr

‘党員名簿押収’に平党員の不安と怒り
教師はもちろん会社員・学生まで
"民間人査察以上の問題"
"手に握った情報を手放すわけがない"

 統合進歩党の平党員が恐慌状態に陥った。 個人身上情報が含まれた党員名簿をまるごと押収した検察を恐れている。 公務員はもちろん公企業・私企業社員、個人事業者、学生に至るまで日常で不利益を受けないだろうか心配している。  "すべての国民は結社の自由を持つ" という憲法21条と "すべての国民は私生活の秘密と自由の侵害を受けない" という憲法17条の基本権も共に脅威を受けている。

 20万人余りの名前が含まれた統合進歩党党員名簿には個人ごとに10種類余りの身上情報が記されている。 進歩党加入願書様式を見れば、名前、住民登録番号、電子メール住所、自宅電話、自宅住所、職業、職場住所、活動地域委員会(地区党),党費領収書受領方法、機関紙購読の有無、政党活動参加希望分野を書くことになっている。 その間にどんな活動をしたのかが名簿に共に記録されているケースもある。

 それを考えればチョン・ミヒョン(仮名・36・女)氏は不安になる。"脅されている気分です。 通った会社を辞めて別の会社を探しているが、入社時に不利益を受けるかもしれません。 大企業が資料を譲り受けて活用しはしないでしょうか?" チョン氏は去る2月に進歩党に加入した。 進歩党所属の政治家たちが気に入って加入願書を書いた。 党員になって3ケ月の彼女の身上情報は検察の手中に入り、彼女は就職の道がふさがるかもと恐れている。

 現行法上、政党加入が禁止されている公務員・教師たちの不安感はより一層大きい。  「私は今恐慌状態です。」ソウルで教師として仕事をしているキム・ウォニ(仮名・38・女)氏は震える声で話した。 キム氏は2000年代初期から進歩党の前身である民主労働党に月1万ウォンの後援支援金を出していた。 正式党員ではない‘後援党員’に過ぎなかったが、それすらも2008年から中断した。 検察が民主労働党に加入した全国教職員労働組合教師を探し出すと乗り出すやすぐに自ら離党した。 全く忘れていた過去が再びキム氏を困惑させている。 「検察が過去の資料までみな持っていったというが、心配が並大抵ではありません。 検察が党員名簿を教育科学技術部に送れば、教師管理目的に悪用されることが明らかでしょう。」

 同じような心配は予備教師にもある。 教員任用試験を準備中のイ・ヒョンア(仮名・25・女)氏は 「名簿が教科部に渡るのではないか」と取材陣に問い返した。 総選挙直前の去る4月10日に進歩党に加入した彼女は「絶望的」と言った。 「茫漠としています。今後何をすることができるでしょうか。 教員任用試験ももう無理です。」

 現行法上、政党加入に制限がない会社員も不安は同じだ。 公企業に通うヨ・イクヒョン(仮名・30・男)氏は2009年に国民参与党に加入して以後、進歩党に党が統合され自然に党籍を持つことになった。 彼は 「法的不利益はないが、それでも公企業に通っていて色々な面で不安だ」と語った。

 保険会社に通う40代の世帯主ソン・イヨン(仮名・46・男)氏は2002年に民主労働党に入党し、2008年に進歩新党を経て今年初めに進歩党に合流した。ソン氏が通う会社には労働組合がない。 「労組もない会社で従北勢力と誤解を受ければ持ちこたえられるか。 暮らしが心配」とソン氏は話した。

 2002年に民主労働党に加入したソン・シヒョン(仮名・36・男・大学院生)氏も「今や検察はその気になれば党員個人が比例代表競選で誰に投票したのかまで推定できることになった」として「現政権に批判的な政党の核心資料を検察が持っていったということは、民間人査察以上の問題」と話した。「もう誰が進歩政党に加入しようとするだろうか」としてため息を洩らした。

 検察関係者は23日、言論ブリーフィングで「(党員名簿の個人情報は)捜査記録に必ず含まれるわけではなく、裁判記録もやはり(個人情報と関連した)敏感な内容は公開されない」と話した。

 個人病院の医師キム・ヒョンミン(仮名・44・女)氏は「検察の話を絶対に信じない」と語った。「民主労働党に1万~2万ウォンずつ後援したとして解職された教師たちがいて、大学の時に少しの間民主労働党員だったからと現職から追い出された検事もいる。どうして検察を信じられるか」とキム氏は話した。

 取材に応じた進歩党平党員は身元の露出を極力避けながらも怒りを表現する方法を探していた。 チョン・ミヒョン氏は「法務部の前に行って1人示威でもしたい」と話した。 イ・ヒョンア氏は「市民が集まって糾弾大会でもやってほしい」と話した。 ハン・サンヒ建国(コングク)大法学専門大学院教授は「結社の自由を保障する憲法精神に照らしてみた時、今回の押収捜索は憲法精神に反する過剰捜査」と話した。

イ・ジョングク、ホ・ジェヒョン、オム・ジウォン、チョン・ファンボン記者 jglee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/534402.html 訳J.S